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  • 岩田重則『「お墓」の誕生(死者祭祀の民俗誌)』(岩波書店)

    「見渡す限り、お墓が続いています。一体この霊園には何千、何万の人が眠っているのだろう。ただ何々家の墓、とだけ刻まれたお墓はもちろん、生前どんな人だったのか和歌が刻まれたものもあり、思わず立ち止まってしまったけれど、夢という一文字が大きく彫られているお墓もあった。空地になっている一隅は、家名の書かれた木札が並んでいて、まるで宅地予定地のように整然と仕切られている。」 墓の本の話だから、唐突墓の引用から切り出したのだけど、古今東西、引用から文を書き起こす奴にロクなのがいない。ちょうど巻頭にやたらエピグラフを並べまくる作家にロクなのがいないのと同じ。これはいわば禁じ手なのだ。断わりもなく長々と人のフ…

  • シーナ・アイエンガー『選択の科学』(櫻井祐子・訳 文藝春秋)

    奇妙なくらい大胆な表題だったから、この本を「選択」したわけだ。近所のブックオフ。人でいっぱいだ。なんでこんなに人がいるのか分からない、この阿呆みたいな暇人どもは何しに来ているんだろう、と一人一人がみんな頭のなかで思っていることでしょう、さしづめ。大衆というのは、「自分だけは愚鈍な大衆に属していない特別な人間なのだ」と思っている個人の寄せ集めですから。現在日本では二十代の九〇パーセント以上の人間がスマートフォンを所有している。SNS利用率は三十代でも八割を超えている。街で見かける彼彼女らの大半が歩きながらタッチパネルをこすっているのは、この猛烈な普及率からしか説明できない。それでいながら一人一…

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