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  • 島尾敏雄『日の移ろい』(中央公論社)

    ずっとまえ長旅があって、車中、近現代の日本人作家をいかに短く端的に表現できるかという変妙な遊びでずいぶん盛り上がった。判定基準はぜんぶ恣意・直感。全然面白くなくても芯を捉えていれば高得点。名前を聞いた途端に想起されるフレーズをそのまま口にするほうが大体において出来がいい。「いいね」と思うものは決まって変な勘案や技巧を経ていないのだ。反射というか、口を衝いて出る感じ。たとえばこんなの(興に入って長くなってしまった)。 森鴎外⇒「子どもはむかしから高瀬舟ばかり読まされる。一種の国語拷問」 国木田独歩⇒「作品は三流。感度は一流」 徳田秋声⇒「自然主義文学史の学位論文を執筆している学生にしか読まれない…

  • 田澤耕『物語 カタルーニャの歴史(知られざる地中海帝国の興亡)』(中央公論新社)

    たとえば「知られざる~」とか「驚異のOO」「実録! XX」「必見!ーー」のようなすっかり大衆メディアに定着した「表紙語法」は、いまだに多大のハニカミと道化精神なくして使えない。 「極上の味!」とか「究極のマグロ」というふうな看板を自分から掲げているお店は、そんな常人的なハニカミを超越したところにあるのではくて、たんに開き直って不感症になっているだけなのだ。このところ巷には何につけ「!」が多すぎるのですよ。感嘆符過剰警報発令中なのです。こんなのいつごろからなのかな。この数学の確率問題にしか似合わないマークをただ付加するだけで伝え手の情熱を余すことなく表現できるとはよもや思ってはいないだろうけれど…

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