上はヤマモモ Morella rubra の果実で、果実の重みで枝が垂れ下がっています。 2025.6.29.に貝塚市にある大阪府立少年自然の家での撮影ですが、ここではたくさん自生している木が見られ、地面に落ちてしまった果実もたくさんありました。 本種は関東以南に自生する...
写真は イスカシヨウジョウゴケ Cololejeunea ocelloides のようです。 屋久島の標高 90mほどの所のスギの樹皮に幾重にも重なって育っていました(撮影:2023.3.30.)。 柔らかいコケで、葉は淡い緑で透明感があり、葉の下まで光が通るようで...
あまり蒴をつけないフデゴケ Campylopus umbellatus が蒴をつけていました。 蒴をつけた株は群落内に散見され、それらの1本の茎には1~3本の胞子体がついていました。 平凡社の図鑑には「ふつう1茎に3~4本つき,(以下略)」とありますから、もっとたくさんの...
屋久島で見たオオタニワタリ Asplenium antiquum です(2023.3.11.撮影)。 日本南部の暖地から台湾にかけて分布する常緑のシダ植物で、植物園の温室などではお馴染みですが、園芸目的などの採集圧で、自生している姿を見る機会は少なくなりました。 葉は放射状...
上の写真、少しブレていますが、ヒメタチゴケに囲まれ、マキノゴケの上に広がっているのはコモチイトゴケ科の Wijkia deflexifolia のようです。 上は、屋久島の標高 700mあたりの朽木と言って良いような倒木の上で、強い金属様の光沢に惹かれて撮った写真です(撮影...
雌器托が伸びだしたアズマゼニゴケ Wiesnerella denudata です。 私的にはこの頃が一番かわいいように思います。 屋久島の標高 900mほどの所で 2023.3.10.に撮影しました。 雌器托を下から見ると、包膜をとおして胞子体が見えています。 ちなみに胞子...
写真はコツブクチキゴケ Odontoschisma zhui だと思います。 屋久島の標高 700m付近の樹幹についていました(2023.3.8.撮影)。 分子系統学的研究成果を基に2012年から2014年にかけてヤバネゴケ科の大幅な再編成が行われ、本種も Aranda e...
土の斜面に育っていた上の写真の葉状体苔類、以下の観察結果から、カネマルテングサゴケ Riccardia crassa だろうと思います。 写真の左上には胞子体も写っています。 上の写真は、右も左も本種です。 この仲間を外見で同定することが困難であることは、上の写真からも分か...
写真はフォーリームチゴケ Bazzania fauriana だと思います。 スギの樹幹にコケシノブの仲間(キヨスミコケシノブ?)と一緒についていました。 上は腹面から撮っています。 葉は鎌状に曲がり、長さ 2.5mm、葉先に3歯があります。 葉を含めた茎の幅は約 4....
写真はウワバミゴケ Breutelia arundinifolia です。 熱帯アジアに分布するコケで、日本では屋久島のみで確認されています。 雌雄異株で、上は雄花盤が見られ、雄株です。 大形のコケで、上は上部のみですが、茎の下部はしばしば這い、茎の長さは 20cmに達しま...
上の写真は朽木の上に育っているコケ群落ですが、このコケの名前を調べるのには苦労しました。 1種だと思い、今回は胞子体から調べ始めたのですが、葉を顕微鏡で観察する段階で2種の混生だと気づきました。 2種とも似た蒴をつけていますし、1mmほどの葉ですので、光学顕微鏡を使うまでは、実...
写真はオオシマハイゴケ Ectropothecium ohsimense のようです。 道の脇にありました。 国内の分布は四国~琉球とされていますが、葉形には地域差があるようです。 上の写真は、上が湿った状態、下が乾いた状態です。 乾いた状態では葉は強く巻いていますが、...
写真は樹幹についていたマムシゴケ Meiothecium microcarpum です。 上は育っていた樹幹で、公園脇の明るい場所にあった木です。 枝分かれは少なく、茎葉は長さ1~1.5mm、枝葉は茎葉とほとんど変わりません。 蒴柄は短く、長さ約2mmです。 上は茎葉で...
細い枝の周囲にミスジヤバネゴケ Clastobryum glabrescens がついていました(上の写真)。 枝の表皮の赤黒い色が印象的です。 這う茎から枝が上方に出ています。 枝葉は茎葉より大きく、密についています。 和名に「ミスジ(三筋)」とあるように、本種の枝...
写真はマルバホラゴケモドキ Calypogeia aeruginosa でしょう。 湿った花崗岩の崖に多くの蘚苔類と共に育っていました。 ほとんど枝分かれせず、長く伸びています(上の写真)。 上は腹面から撮っています。 腹葉が大きく、葉はわずかに見えているだけです。 茎の...
屋久島に行ってきます。
帽が外れはじめた若いハリガネゴケ Rosulabryum capillare の蒴(3月3日撮影)、このすぐ隣には・・・ 造精器をつけたハリガネゴケの群落がありました。 この造精器も精子を放出するにはまだ少し未熟なようです。 この未熟な蒴と未熟な造精器の関係ですが、胞子散...
NHK文化センター京都教室の春からの講座で、「ミクロで楽しむコケの不思議」を行います。 これまで1~2時間ほどのコケに関する講座は何度かやってきましたが、今回は6回の講座(うち2回は現地でのコケ観察)ですので、コケの魅力をしっかりとお伝えできると思います。 講座内容には幅を...
林縁で育っていた写真のコケ、開けた所に育つ ツチノウエノコゴケ とは少し違うように思いました。 蒴も帽のあるものから蒴歯のあるものまで揃っていて、調べるには最も良い時期ですので、調べてみることにしました。 結果は ツチノウエノカタゴケ Weissia planifolia ...
写真はヒダハイチイゴケ Pseudotaxiphyllum densum だと思います。 土の斜面にありました。 同じ属のよく見る アカイチイゴケ より小形で、葉の長さは1mmありません。 葉腋に棒状の無性芽をつけていました(上の写真)。 葉は卵形で非相称、中肋は短くて...
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上はヤマモモ Morella rubra の果実で、果実の重みで枝が垂れ下がっています。 2025.6.29.に貝塚市にある大阪府立少年自然の家での撮影ですが、ここではたくさん自生している木が見られ、地面に落ちてしまった果実もたくさんありました。 本種は関東以南に自生する...
写真はタカネヤバネゴケ Fuscocephaloziopsis leucantha だと思います。 前に載せた ナンジャモンジャゴケ に混生していました。 葉は横に近い斜めにつき、葉の幅は茎径とほぼ同じです。 上は腹面を撮っています。 分枝は腹面からもしています。 腹葉は...
岡山コケの会関西支部では毎月第4火曜日に顕微鏡観察会を行っていますが、6月の観察会にと長野県のKさんからいろいろなコケを送っていただきました。 上はそのうちの1種で、ナンジャモンジャゴケです。 上は葉の横断面です。 蘚類でも苔類でも葉には背面と腹面があるのですが、本種ではその...
上はマルバコオイゴケモドキ Diplophyllum andrewsii で、大阪市立自然史博物館に収蔵されていた標本です。 先日載せた イボヒシャクゴケ とマルバコオイゴケとを比較検討するにあたり、この標本も参考にしました。 以下はこの標本の観察結果です。 腹片は長舌形で...
先日、マルバコオイゴケに似たコケを、著しいいぼ状パピラがあることなどから、イボヒシャクゴケ Scapania verrucosa ではないかと思い、 こちら に載せましたが、先日大阪市立自然史博物館に収蔵されているイボヒシャクゴケの標本を見る機会があり、比較検討の結果、両者は...
岩上に厚く育ったコケ群落、一見オヤコゴケの群落に見えましたが、持ち帰って調べてみると、群落の奥に細いひも状のコケがたくさんありました(上の写真)。 この細いひも状のコケ、観察の結果はマルバヤバネゴケ Cephalozia lunulifolia のようです。 オヤコゴケもマ...
上はタカネツキヌキゴケ Calypogeia neesiana でしょう。 雨中のTG-6での撮影で、画像はくっきりしていません。 亜高山帯ではふつうに見られるコケですが( こちら や こちら )、撮ったのは京都市右京区京北上弓削町の標高500m付近です(2025.6.1.撮...
下は Part1の 2013.1.6.に載せていたものを加筆し、こちらに引っ越しさせた記事です。 写真は 2012.12.14.の撮影です。 ハエやカの仲間の分類には翅脈が重要になります。 上は翅脈の様子から、クロバネキノコバエ科(Sciaridae)の一種だと思います。 ...
生垣の下のコンクリート壁についていたコケ、雨で濡れてよく分からないので少し持ち帰り、水分を拭き取って映したのが上の写真です。 ヒナノハイゴケの群落の所々にコモチネジレゴケ(赤い円内)が育っていました。 コモチネジレゴケ Syntrichia laevipila は、これまで...
上は無性芽をつけたフソウツキヌキゴケ Calypogeia japonica です。 岩上にありました。 上の写真は上が腹面、下が背面ですが、この撮り方では違いがよく分かりませんね。 とにかく、葉を含めた茎の幅は 2.5~2㎜、葉は広舌形で円頭です。 上の2枚は腹葉で...
写真はフトリュウビゴケ Loeskeobryum cavifolium でしょう。 、雨で濡れています。 蒴をつけていたので、持ち帰って観察することにしました。 大形のコケで、上の写真では長さ約8cmですが、10cm以上にもなります。 枝は不規則またはまばらに出て1~2回羽...
写真はイワダレゴケ Hylocomium splendens でしょう。 新芽が伸びてきています。 濡れているのは雨後のためです。 京都市右京区京北上弓削町で2025年6月1日に撮影しました。 平凡社では、「(本種は)深山,とくに亜高山の針葉樹林の林床や岩上,腐木上にしばし...
岩面を真っ赤に覆うコケ、調べてみるとコアミメヒシャクゴケ Scapania parvitexta でした(2025.6.1.に京都市右京区京北上弓削町の標高500m付近で撮影)。 低地から亜高山帯まで広く分布するコケで、このブログでもこれまで何度も載せていますが(いちばん下に...
写真はタカネミゾゴケ Marsupella emarginata ssp. tubulosa だと思います。 和名に「高嶺」とありますが、低地にも分布しています。 濡れているためでもありますが、植物体は光沢があります。 上から見た時の葉を含めた茎の幅は1~1.5㎜です。 ...
上はヤマトフデゴケと混生しているイヌムクムクゴケ Trichocoleopsis sacculata です。 前に同じ場所で採集した4月上旬の本種を載せましたが( こちら )、その時に比べて新しい枝が伸び、存在がはっきりわかるようになっていました。 雨に濡れて細部が分からない...
上は京都市右京区の京北上弓削町で採集されたヒシャクゴケ科のコケです。 採集地付近はこのコケの群落が数多く点在しているようですが、種名は不明で、みんなで検討しようということになりました。 以下は、少し分けていただいたものを自宅で観察した記録です。 分枝の様子を観察したところ、側...
写真はフジウロコゴケ Chiloscyphus polyanthus でしょう。 堰堤上部の水飛沫のかかる所に育っていました。 和名は富士山に由来しているようですが、低地から亜高山帯の、水際や水深の浅い水中などに分布しています。 葉は斜めについて広く開出し、全縁で、葉先は円...
写真はノミハニワゴケ Haplocladium angustifolium でしょう。 伐採木上にありました。 蒴は傾くか水平になっています。 乾いた状態では葉は枝に密着し、その時の葉を含めた枝の幅は 0.3~0.5㎜です。 雌苞葉は1~1.5㎜の長さがあります。 株全体...
日本産のジャゴケ属( Conocephalum )は4種からなりますが( こちら )、従来はジャゴケ1種と思われていたように互いによく似ています。 いずれも雌雄異株で、雌株は高く伸びる雌器托をつくり、雄株は小判型の雄器托をつくり、そこから精子を空中に噴出させます。 マツタケジ...
写真はミヤマハイゴケ Eurohypnum leptothallum です。 岩上にありました。 乾くと上のように葉が茎に接し、その時の枝は葉を含めて幅 0.5~1㎜です。 生育している様子や乾湿による変化は こちら にありますので、今回は省きます。 上は枝葉で、長さ約1...
水辺に咲くハンゲショウ Saururus chinensis (ドクダミ科)です。 属名はラテン語で「トカゲの尻尾」の意味です。 上はハンゲショウの葉の影から顔を出していたトカゲの仲間のカナヘビですが、もちろんカナヘビの存在とハンゲショウとは関係なく、属名は細長い花序の形から...
樹幹にたくさんの蒴、調べてみるとヒメウスグロゴケ Leskeella pusilla でした。 「 ミクロの世界のコケ図鑑 」では「岩やコンクリート壁の世界」(P.148)に入っていますが、本種は今回のような樹幹の他にも、コンクリート製の擬木にもよく見られます。 図鑑に...
● 山口新聞 2024年6月25日 ● J-WAVE 2024年6月29日 「RADIO DONUTS」の「LIFE IS A GIFT」で放送していただきました。 ● 東京新聞・中日新聞 2024年7月13日・14日
樹幹のマルバヒメクサリゴケ Myriocoleopsis minutissima が、胞子を飛散させた後の蒴をたくさんつけていました(2024.6.15. 京都府立植物園)。 上の写真の白いものが空になった蒴です。 上は腹面から撮っています。 腹葉はありません。 ゴミ...
「ミクロの世界のコケ図鑑」の発売が開始されました。 大きな画面で編集していて、本になってみると少し小さすぎた写真もありますが、そこは実際のコケ観察疑似体験ということで、2~3倍の虫メガネで見てください。 下の正誤表など、この本に関する記事をまとめたページを作成しています( こ...
「ミクロの世界のコケ図鑑」の正誤表です。 本の間違いに気づかれた場合は、ご連絡ください。 --------------------------------------------------- P.9 「二次茎」の説明 (誤)・・・伸びる。茎で、・・・ (正)・・・伸...
開裂した蒴をつけたヒラヤスデゴケを 6月11日 に載せたばかりですが、上の写真もヒラヤスデゴケ Frullania inflata (別名マエバラヤスデゴケ)のようです。 平凡社の図鑑では、本種の生育場所については、「低地のしばしば水没するような岩上に生育し,樹幹にも着生。」...
写真はヒラヤスデゴケ Frullania inflata (別名マエバラヤスデゴケ)でしょう。 京都府立植物園のあちこちの樹幹についていました。 写真は4月中旬の撮影ですが、本種は雌雄同株で、たくさんの開裂した蒴が見られました。 腹葉は茎径とほぼ同じ幅で、長さは幅の約2倍、中...
「ミクロの世界のコケ図鑑」の発行日が近づいてきました。 今回は本書の特徴を、少し専門的な面から紹介したいと思います。 ① 蘚類・苔類・ツノゴケ類の扱いについて 多くのコケ図鑑では、「コケ植物は蘚類・苔類・ツノゴケ類に大別できる」趣旨のことが書かれています。 本書では「コケ植物...
岩上にあったコケ群落、所々にジャゴケの仲間(オオジャゴケまたはウラベニジャゴケ)が混じっていておおよその大きさの見当がつくと思いますが、かなり大きなコケです。 調べた結果はヤマトチョウチンゴケ Plagiomnium japonicum だろうと思います。 匍匐茎は長く、古...
実習で外を歩いたところ、ハナミョウガ Alpinia japonica の花に出会いました。 多くはまだつぼみの状態で、今年は春先の気温が低く、例年より少し遅いようです。 ハナミョウガは関東~九州の林内に生える常緑多年草です。 ミョウガと同じショウガ科で、茎や葉の形態はミョ...
ハットリチョウチンゴケ Rhizomnium hattorii の雌株と雄株の群落が、岩上に少し離れてありました。 葉は広倒卵形で、中肋が赤くなっています。 茎は赤く、舷が赤くなっている葉もあります(上の写真)。 葉は茎の上部に集まる傾向があります。 茎の長さは約2cm、...
上の写真のコケ、タマゴケかとも思いましたが、ルーペで見ても自信がありません。 タマゴケは胞子体がついていれば確実ですし、胞子体が無くても、黄緑色の半球形の群落を作っていて、他のコケとは区別できます。 しかし上の写真のようにまばらに生えている様子はタマゴケらしくありません。 持っ...
オオスカシバ Cephonodes hylas は昼間飛び回る大形の蛾で、幼虫がよく植栽されるクチナシを食餌植物としていることもあって、都市部でもよく見かけます。 飛び回っている成虫は、和名に透翅(すかしば)とあるように翅が透明ですが、羽化したばかりの頃は、他の多くの蛾同様...
晩秋にはホソバミズゼニゴケは葉状体の先が細かく分かれて無性芽となりますが、エゾミズゼニゴケはそのような無性芽を作らず、違いは明瞭になりますが、その他の時期は、両者はよく似ています。 エゾミズゼニゴケはホソバミズゼニゴケより少し黄色みが強い意向があるのですが、時期や生育環境にもよ...
写真はオニヒカゲワラビ Diplazium nipponicum です。 川沿いなど空中湿度の高い所を好み、本来は常緑性ですが、寒地では夏緑性となる大型の多年性のシダです。 上の写真からも根茎が短く這っていることが分かります。 葉は3回羽状複葉、ソーラスは線形で一端が中肋に...
岩の崖に育っていた上の写真のコケ、オオスギゴケかと思いましたが、蒴を見ると・・・ 蒴には縦に稜があって Polytrichum (スギゴケ属)に間違いなさそうですし、このような大形のものはウマスギゴケとオオスギゴケしか思い当たりません。 両者の区別は蒴があると簡単で、頸部のく...
リンゴコブガ Evonima mandschuriana の幼虫がいました(上の写真)。 頭部から上後方に伸びるモコモコした長い角のようなものは・・・ 上は正面から撮った写真ですが、連なった丸いものの1つひとつをよく見ると、下に口器らしきものがあり、頭部らしいことが分か...
岩の崖で育っていたコケ群落(上の写真)、シッポゴケ科のような葉に内外2列の蒴歯を持った蒴、不思議に思って調べたところ、ユミゴケの群落にアカイチイゴケが少し混生していて、蒴はアカイチイゴケのものでした。 以下はユミゴケ Dicranodontium denudatum につい...
上はアツブサゴケ Oticodium laevisetum だと思います。 コンクリート製の堰堤の壁についていました。 基物に密着していた茎は密に枝分かれしており、そこから多くの枝を上方に出しています。 乾いた状態で枝の幅は葉を含めて約1mm、蒴は卵状円筒形で直立、蒴柄...