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  • アイデアの価値が下がって来たので行動力

    最近つくづく思う。これまでは、どんなことでも構想が最も大事で、すべての鍵を握ると信じていた。しかし、それはある程度予測できる範囲のことをやろうとしている時の話で、本当に新しいことを成し遂げようとすると、そうではないなあと気づいた。 アイデアを出すこと自体は、生成AIがあるので誰にでもできるようになった。でも、それを実際にやるかどうかは別の話だ。いざ動き出すと、思いもよらない壁がいくつも立ちはだかる。その時、多くの人は「やっぱり無理だ」と諦めてしまう。だからこそ、価値があるのはアイデアそのものではなく、それを実行することにある。 口先だけでなく、行動する。結局はこれに尽きるのだ。やってみないこと…

  • エンジニアリング寓話: 時間停止

    「またミスか?」 課長が書類を叩きつける。 「す、すみません……」 竹島は肩を落とした。設計ミス、計算ミス、データ入力ミス——何をやっても間違えてしまう。 「竹島、お前本当にエンジニア向いてないんじゃないか?」 課長の言葉が胸に突き刺さる。 だが、彼には秘密があった。 ポケットの中にある小さなリモコン——時間停止装置。もともとはアダルトビデオ業界で使われていたらしいが、偶然手に入れた竹島は考えた。 「これを使えば、ミスを無かったことにできるんじゃないか?」 昼休み、竹島は誰もいないオフィスでボタンを押した。 ——世界が静止する。 「よし!」 彼は素早く席に戻り、ミスした書類を取り出した。 「え…

  • エンジニアリング寓話: 四つの会社

    むかしむかし、とある国で巨大な発電所を建設するEPCプロジェクトが持ち上がった。政府は世界中から請負業者を募り、最終的にS社、J社、C社、B社の四つの企業が名乗りを上げ、それぞれ異なる契約戦略で工事を進めることとなった。 契約を軽視したS社 S社は「契約なんて形だけ、大事なのは現場力だ」と考え、詳細な取り決めをせずにプロジェクトを開始した。最初は順調だったが、途中で協力会社が「これは契約にない」と作業を拒否し始め、資材供給業者も「相場が変わったので価格を上げる」と言い出した。追加コストは雪だるま式に膨らみ、工期も大幅に遅延。政府は激怒し、契約は解除。S社は巨額の負債を抱え、経営危機に陥った。 …

  • イソップ寓話に学ぶ、スタートアップ企業

    スタートアップ企業は、挑戦と困難の連続です。資金繰り、競争、チームワーク、成長戦略など、乗り越えなければならない課題は多岐にわたります。そんな中、イソップの物語には、役立つ教訓が数多く含まれています。スタートアップに必要な考え方を、イソップ寓話のエピソードと照らし合わせて考えてみます。 1. 持続的な成長を目指せ(ウサギとカメ) スタートアップの世界では、スピード感が重要とされます。しかし、早すぎる成長を求めて無理をすると、息切れしてしまいます。ウサギは速さに自信を持ちすぎて油断し、結果的にカメに負けてしまいました。スタートアップもまた、一貫した努力と着実な成長が成功への近道です。 2. 短期…

  • 「猫の恩返し」 ショートストーリー

    ある日、男は弱った猫を助けた。猫は感謝し、すぐに元気になった。 数日後、家の前に魚が置かれていた。翌日も、その翌日も。 「まさか、あの猫のお礼か?」 そう思った男は猫に話しかけた。 「もしかして、君がくれたのか?」 猫はしっぽを揺らしながら言った。 「ええ、お礼に持ってきましたにゃ」 「でも、こんなにたくさん…どこで?」 猫はにっこり笑った。 「近くのスーパーからにゃ」 男は青ざめた。 翌日、家の前には魚ではなく、警察が立っていた。 2月22日、ニャンニャンニャン猫の日でした。

  • 「楽しい」短篇SF

    「先生、最近どうも楽しくないんです」 診療室に入るなり、男はため息混じりに言った。 「ほう、楽しくないとは?」 「人生がです。何をやっても退屈で……子供の頃はもっとワクワクしてた気がするんですが」 医師はうなずきながら、机の引き出しから小さなカプセルを取り出した。 「では、これを試してみてください。最新の『楽しくなる薬』です」 男は半信半疑でそれを飲んだ。すると—— 「はははっ!」 突然、男は大笑いし始めた。診察室の壁の模様すらおかしく見えるらしい。 「先生、この薬すごいですね! なんでも楽しく感じます!」 「ええ、効果は抜群です。でも、一つだけ注意点があります」 「なんですか?」 「一生、楽…

  • CCメールは読まれない

    CCメールも、私は一応目を通すようにしている。直接関係がなくても重要な情報が含まれていることもあれば、まったく無関係でどうでもいい場合もある。職場にはさまざまなレベルの人間がいて、必ずしも適切なメールの書き方がされているとは限らない。TOかCCか、あるいはタイトルだけで取捨選択してしまうのは危険だ。一見、自分に関係なさそうに見えても、実は間接的に影響があり、放置すると後々大きな問題につながることがある。最悪、プロジェクト全体の失敗を招くことさえあるのだから。 今日は「CCされたメールは読まれない問題」について、改めて考察してみたい。 CC。カーボン・コピー。かつては複写紙を挟んで書類をコピーす…

  • 「会議」 短篇SF

    「この会議、意味あるんですか?」 発言したのは、新人社員だった。場が凍りついた。毎週の定例会議、議題はいつも曖昧で、結論が出ないまま終わる。誰もが「意味がない」と思いながらも、口には出せなかったのだ。 部長が咳払いをし、「では、意味のある会議の条件とは何か?」と問いかけた。 AIアシスタントが答えた。「目的が明確であること。結論が出ること。参加者全員が貢献すること。」 「なるほど。では、この会議は…?」 全員が沈黙した。目的は何だったか?結論は?発言したのは新入社員とAIだけだ。 「つまり、この会議は意味がない」と新入社員が言うと、部長は頷き、「解散」と一言。 以来、会社から会議は消えた。代わ…

  • 理想と現実のあいだ

    理想と現実のあいだには、いろんな言葉が挟まる。「妥協」とか「落としどころ」とか「現実的な選択」とか。どれも言っていることは似たようなものだが、ニュアンスが少しずつ違う。 「妥協」と言うと、どこか敗北感が漂う。「まあ、仕方ないか」という諦めの響きがある。一方で、「落としどころを見つける」と言えば、なんとなく戦略的に聞こえる。「現実的な選択」と言い換えれば、大人の判断をしたような気にもなる。 要するに、理想と現実の間には、単なる妥協ではなく「調整」がある。100%理想通りにはいかない。でも、だからといってすべてを諦める必要もない。 たとえば、「好きなことを仕事にする」という理想があるとする。だが、…

  • One on oneはオワコンか

    この数年、「One on one」という言葉をよく聞くようになった。上司と部下が定期的に1対1で面談をすることで、信頼関係を築き、心理的安全性を高め、生産性を向上させる——とされている。言いたいことはわかる。だが、そろそろこの仕組み、限界が見えてきたのではないか。 そもそも、「One on one」が有効なのは、「上司が部下の話をきちんと聞き、建設的なフィードバックを返せる場合」に限られる。だが、実際には「とりあえず制度としてやっている」だけの会社も多い。上司が形式的に「最近どう?」と聞き、部下が適当に「特に問題ありません」と答える——これでは何の意味もない。 さらに問題なのは、上司の質によっ…

  • 「心理的安全より、礼節を」

    「心理的安全」と「ハラスメント」は、一見すると対極の概念に見える。「心理的安全」が「自由に意見を言える環境」だとすれば、「ハラスメント」はその自由を奪う行為だからだ。だから、「心理的安全を高めましょう」と言うと、すぐに「ハラスメントをなくしましょう」という話になる。これはまあ、理屈としてはわかる。 ただ、実際のところ、この二つの関係はそんなに単純ではない。 まず、「ハラスメント」とは何か。セクハラやパワハラといった言葉が定着したおかげで、「明らかにダメな行為」はある程度共通認識ができている。上司が部下を怒鳴りつける、立場を利用して嫌がらせをする、暴言を吐く——こういうものは誰が見てもハラスメン…

  • 「心理的安全」は回りくどいから、その反対を規制したら

    この数年、「心理的安全」という、説明を聞かないと意味がわからない言葉をよく聞く。特に職場の話になると、「心理的安全性が確保されると生産性が上がる」だの、「心理的安全のない環境では人が定着しない」だのと、もっともらしい説明がついてくる。要は「安心して発言できる職場を作りましょう」という話なのだろうが、どうにも回りくどい。 そもそも、「心理的安全」という言葉が出てくる時点で、すでにその場が安全でないことの証拠のような気がする。本当に安全な場所では、わざわざ「ここは安全です」と言う必要がない。たとえば、仲の良い友人同士の会話で「うちは心理的安全が確保されてるよね」なんて話にはならないだろう。 それな…

  • 「マイクロマネージャー」

    「マイクロマネージャー」は細かいやつと言う軽蔑を表している。「マイクロマネージャー」と思われては女子からもてないので、言われない為にはどう振る舞うべきか考えてみた。 まず、必要なのは、「細かいのに大事なことを言わない」を避けることだ。 では、嫌われずにマネジメントするための五つの作戦を紹介しよう。 ① 最初にゴールと基準を明確にする 「なんで俺に確認しないで進めたんだ!」と怒る前に、そもそも「目指すゴール」「成功の基準」を伝えていたか振り返ってみよう。 最初に方向性を示せば、後からの無駄な修正を減らせる。 ② 途中で口を出すなら、タイミングを決める 仕事の途中で「ちょっと見せて」と突然チェック…

  • 管理職エンジニア養成講座

    プログラミングというのは、「自分はバカなのでは?」と毎日思い知らされるものだ。 コードを書けばバグが出る。バグを潰せば、別のバグが生まれる。やっと動いたと思えば、意図しない動作をする。たまに奇跡的に動くことがあるが、そういうときに限って「なぜ動いたのか」が分からない。こうして、日々、自分の理解力の限界を突きつけられる。 それでも、プログラミングには救いがある。動くか、動かないか。バグがあるか、ないか。答えはシンプルで、コードを直せば結果が出る。しかし、プロジェクト管理の世界では、そう簡単に白黒つかない。 エンジニアリングの分野では、プロジェクトマネジメントの重要性がやたらと強調される。PMBO…

  • 切り取り職人

    「切り取り」というのは、要するに「文脈クラッシャー」のことで、言葉の前後関係をぶった切って、都合よく加工する技術だ。 インタビュー記事なんかではよくある話で、「本当はAと言いたかったが、Bの部分だけ切り取られて炎上」というパターンが頻発する。実際には「Bは危険だが、Aのようにすれば解決できる」と言っていたのに、「Bは危険だが」の部分だけが独り歩きしてしまう。これをやられると、もうどうしようもない。 プロジェクトの現場でも似たようなことが起こる。「前提としてCがあるから、この方法が最適」と言ったのに、「この方法が最適」だけが拡散されて、「お前、独断で決めたな?」と責められる。こういう時に限って、…

  • トランプの「Deal」から学べることはあるか

    トランプの口癖のひとつに「Deal」という言葉がある。交渉とか取引とか、そんな意味で使っているわけだけど、彼の場合、それは単なる「話し合い」とか「合意」みたいなものではなく、「とにかく俺の条件を飲ませること」に近い。相手が納得しようがしまいが、最終的に「俺の勝ち」と言えればOK、という感じだ。 じゃあ、そんなトランプ流の「Deal」から何か学べることがあるのか。たぶん、あるにはある。たとえば、交渉の場では自信を持って話すことが大事だとか、主導権を握ったほうが有利に進められるとか。トランプは、言ってることが正しいかどうかはさておき、とにかく堂々としている。で、そういう態度が相手に「この人の話を聞…

  • 振り上げた斧と降ろせない腕

    世の中には「振り上げた斧をどう降ろすか問題」というのがある。これは、思っている以上に根深い問題で、最近ではネットを中心にあちこちで見かける。 たとえば、誰かの発言が「不適切」だと話題になり、正義の名のもとに総攻撃が始まる。最初は「許せない!」という正当な怒りだったかもしれない。でも、そのうち、「あれ? これ、ちょっと言い過ぎでは?」という空気が漂い始める。ここで賢い人なら「ああ、ちょっとやりすぎたな」と気づいて矛を収めるのだが、問題は、すでに斧を振り上げてしまった人々だ。 彼らは、一度振り上げた斧を降ろすことができない。なぜか? それは、降ろした瞬間、自分が間違っていたと認めることになるからだ…

  • 運転支援は思っていたより楽で楽しい

    長年乗ったホンダ・フィットに別れを告げた。次に選んだのは、中古のマツダ・MX-30。完全にデザインで決めた。機能にはあまり期待していなかったが、運転支援が思った以上に優秀だった。最新とまではいかないが、車線維持も全車速追従も、十分に実用レベル。首都高のカーブも難なくこなしてくれる。 で、これを使い始めると、ふと思うのだ。 「もう、運転全部クルマに任せたいな」と。 テスラほどの自動運転は、日本の道路事情ではまだ難しい。でも、「そこそこ」はいける。 たとえば首都高。かなりきついカーブでも車線を維持しながら、前のクルマについていく。その動きがあまりに自然で、「これ、もう自分で運転しなくてもいいんじゃ…

  • 「再生エネルギーはオワコンか? それとも、まだこれからか?」

    長年、従来型エネルギー――いわゆる化石燃料――の分野に携わり、その後、再生可能エネルギーや脱炭素スタートアップの世界に身を置いてきた。だからこそ、最近、あるジレンマを強く感じている。それは、「再生可能エネルギーはすでにオワコンなのではないか?」という疑念だ。 「再生エネルギーはオワコン」派の主張 再生エネルギーは理想論で突っ走ったものの、現実は厳しい。太陽光は夜に発電できず、風力は天候次第。蓄電技術も未熟で、結局、火力や原発なしではやっていけない。 さらに、補助金頼みのビジネスモデルが破綻しつつある。太陽光発電は投機目的で乱立し、結局その負担は電気料金に転嫁。環境に優しいどころか、むしろ経済的…

  • 会話の八割は意味がない

    「会話の八割は意味がない」というのは、一見すると暴論のようでいて、実際にはわりと的を射ている。試しに昨日交わした会話を思い出してみるといい。「お疲れさまです」「寒いですね」「昨日の試合、見ました?」——これらのやり取りに、果たしてどれほどの「意味」があっただろうか。 だが、だからといって無意味な会話を切り捨てるのが正解かといえば、そういうわけでもない。なぜなら、会話の八割を構成する「意味のない部分」は、残り二割の「意味のある部分」を生み出すための土壌だからだ。いきなり核心的な話題に突っ込むのは、料理でいえば下ごしらえなしにいきなりステーキを焼くようなもの。たいていの場合、消化不良を起こす。 で…

  • AIのハルシネーションと人間のハルシる人

    「なんでこの人は、こんなに自信満々でズレたことを言うのだろう?」 こういう場面に遭遇することは少なくない。しかも、そういう人に限って回答がやたらと早く、やたらと長い。 これは、AIの「ハルシネーション」と似た現象ではないかと思う。AIが間違った答えを自信満々に出すのは、単に「知識が足りないから」だ。断片的な情報から、いかにもそれっぽいことを言おうとする。人間の場合も、知らないことに対して即座に答えようとすると、どうしても「ハルシる」確率が高くなる。 しかし、人間のハルシネーションはもう少し根が深い。単なる知識不足というより、むしろ「初めてのものに遭遇したときの反応の仕方」に問題があるのではない…

  • 職場スローガンの作り方

    職場で組織改正が多少された。会社のスローガン的な物はホームページに貼られたらする。それはそれで企業理念だからどこもやっているのでいいのだが、内部の数人たらずのチームにリーダーがスローガンを作ったらしい。まだどんなのつけたのか見ていないのだが、メンバーに相談もなく一人で考えたらしい。小さい組織単位でのスローガンはどう作るべきなのか考えてみた。 職場でスローガンを作る、という話になると、大体こんな感じになる。 1. まず「みんなの意見を集めよう」と言い出す。 2. 付箋とホワイトボードを用意する。 3. 「自由にアイデアを出してください」と言われるが、実際には「前向きで」「ポジティブで」「会社の理…

  • 「名は体を縛るか」

    「名は体を表す」という言葉がある。これはつまり、名前というものはその人の性格や生き方を暗示している、という考え方だ。たしかに「剛」とか「毅」とかいう名前の人にはガッシリした男前が多そうな気がするし、「優」や「恵」がつく名前の人には、おっとりした印象がある。でも、これは本当にそうなのか。名前が人をつくるのか、それとも、人が勝手に名前に意味を見出しているだけなのか。 私自身、名前に「色」や「大きさ」を表す漢字が入っているので、どうもそれに見合った振る舞いをしなくてはいけないのではないかと考えることがある。たとえば、「青」という字が入っていれば清々しく、「大」がついていれば堂々と、という具合に。気に…

  • 「ピーク問題」を乗り越える人生設計

    今、混んでいる通勤電車に乗っているのだが、つくづく皆大変だなあと思う。 人生の設計も、大規模プロジェクトの設計と同じように「ピーク」をどう考えるかが重要だ。例えば、大規模な建設プロジェクトでは、想定されるリスクをすべて計上するが、それらがすべて同時に起こることはほぼない。そこで、確率を考慮してリスク対策の予算やスケジュールを組むことで、過剰な負担を避けつつも柔軟な対応ができるようにする。 ところが、人生設計になると、こうした合理的な考え方をせず、「最も負担が大きい時期」に合わせて全体を設計してしまうことが多い。例えば、子どもの大学進学費用、住宅ローンのピーク、老後資金の準備など、あらゆる金銭的…

  • 追求してくるのは、そもそも分かってない証拠

    「この件、もうちょっと詳しく説明してもらえますか?」 こういう質問をされると、私は思うのだ。 ——ああ、分かってないな。 仕事において、やたらと詰めてくる人間というのは、えてして本質を理解していない。分かっていないからこそ、細かい部分をしつこく問い詰めてくる。 たとえば、料理の世界を考えてみよう。熟練のシェフは、レシピの細かい分量など気にしない。「塩は適量」「火加減は様子を見ながら」といった大雑把な指示を出す。一方、料理を始めたばかりの素人ほど、「塩は何グラム?」「火加減は中火?強火?」と細かいことを聞いてくる。 仕事も同じだ。 経験を積んだ人間は、「まあ、このへんでOK」という勘所を持ってい…

  • 「仮定の話」についての仮定の話

    「仮定の話には答えられない」 これは、かつて安倍晋三が繰り返し口にしていた常套句だ。実際のところ、彼はこのフレーズをうまく使いこなしていた。つまり、都合の悪い質問をやんわりとかわしつつ、相手に「まあ、そういうものか」と思わせるだけの愛嬌を持ち合わせていた。だからこそ、彼には熱心な支持者がいたのだろう。 だが、世の中には安倍氏ほどの話術もなく、ただただ「仮定の話には答えられません」と繰り返すだけの人間が一定数存在する。特に、プロジェクトの設計や計画の場面でこれを言われると、こちらとしては軽く目眩を覚える。「現場の状況がわからないから」「お客さんの意向が不明だから」——要するに、確定情報が揃ってい…

  • トランプのディール、石破のディール

    ついに石破茂さんが総理大臣になった。一方、アメリカではトランプ氏がまさかのカムバックを果たし、日米関係はまったく新しいフェーズに突入することになった。 この二人、交渉スタイルがまるで違う。トランプ氏は「俺の言うことを聞け!」と相手を威圧し、一方的な取引を押しつけるのが得意技だ。関税、貿易、米軍駐留費、何でもかんでも「もっと払え」「もっと譲れ」と言ってくるのは目に見えている。 一方の石破さんは、そんな恫喝にすぐには乗らない。彼の強みは徹底的な理論武装と粘り強い交渉だ。防衛問題に関しても、「日本がどこまで負担すべきか」を歴史や国際情勢を踏まえて細かく分析し、アメリカの要求が日本にとって本当に合理的…

  • 気がかりは片付けて忘れるしかない

    実家の片付け、一人住まいの孤独死しそうな親戚——そんなものが脳にこびりついて気が重かった。ずっと気になっているのに、手をつける気にはなれない。考えるだけで面倒くさいし、どうせやるなら万全の準備を整えてから……と先延ばしにしているうちに、半年が過ぎ、結局何も進んでいない。そんな状態だったのだが、ようやく重い腰を上げて行動してみた。すると、なぜか気分が軽くなった。 もちろん、問題がすべて解決したわけではない。実家の片付けは一日で終わるものではないし、親戚の孤独を完全になくすことなんてできない。それでも、「やるべきことに手をつけた」という事実だけで、妙に気持ちがすっきりした。考えてみれば、気がかりと…

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