論語漫歩551 『星の王子さま』 もう一つのキーワード

我々は、ついに、『星の王子さま』読解のキーワードの一つ「アプリヴワゼ」が登場する第21章に入る。この章だけで、「アプリヴワゼ」が、16回も登場するのである。と…

論語漫歩550 『星の王子さま』 人にして不仁ならば

今我々は、『星の王子さま』のキーワード「アプリヴワゼ」について見ている。英語版では、「アプリヴワゼ」を「tame」と訳している「tame」とは、野獣を「飼いな…

論語漫歩549 『星の王子さま』 二番目に長い第21章

前回我々は、第2章に現れる「羊」を「キリストの象徴」と解釈する、ユングの高弟フォン・フランツ女史の「名前」に触れた。今回は、キー・ワード「馴らす・飼いならす」…

論語漫歩548 『星の王子さま』 アントワーヌ・ド・サンテグジュペリ

前回我々は、『星の王子さま』読解の「キーワード」・「アプリヴワゼ」の訳語12個を列挙した。今回は、サンテグジュペリの名前の「ド」について。 我々は、論語漫歩4…

論語漫歩547 『星の王子さま』 「イエス・キリストと羊」1

前回我々は、ついに『星の王子さま』読解の「キー」を手に入れたようである。  「馴らす」（仲よしになる） という言葉である。これは、我々のこれまでの考察と一…

論語漫歩546 『星の王子さま』 「馴らす」

前回我々は、サンテグジュペリが  「無限のやさしさ」 の持ち主であることを、『母への手紙』1987年みすず書房p25の彼の実母の証言で見た。今回は、前回引…

論語漫歩545 『星の王子さま』 無限のやさしさ

前回我々は、『星の王子さま』冒頭の「象」が「仏陀」を象徴し、その「仏陀」は「慈悲」を、「慈悲」は、「最高の友情」と「いつくしみ」を表すのを見た。今回は、サンテ…

論語漫歩544 『星の王子さま』 いつくしみ

前回我々は、「象」が、マヤ夫人の胎内に入った「仏陀」であり、その「仏陀」は、「慈悲」すなわち「いつくしみ」・「万人に対する愛」・「最高の友情」であるのを見た。…

論語漫歩543 『星の王子さま』 「象」の象徴 2 「慈悲」

前回我々は、『星の王子さま』冒頭に現れる「象」の象徴として、「平和」を見た。今回は、「象」の象徴の第二として、「慈悲」について見てみよう。 「仏陀」の特性とし…

論語漫歩542 『星の王子さま』 「象」の象徴 1 「平和」

前回我々は、『星の王子さま』の冒頭を見た。ジャングルの中で、ウワバミに呑まれる「けもの」の絵に感嘆した飛行士が、六歳の時、生まれて初めて、絵をかく。それは  …

論語漫歩541 『星の王子さま』 ウワバミに呑まれたゾウの象徴解釈

前回我々は、『人間の大地』の最後の言葉、それに、旧約聖書と『星の王子さま』の最初の言葉の三者が、通い合うのを見た。 そもそも、人間は、「エデンの園」という、な…

論語漫歩540 『星の王子さま』 ウワバミに呑まれる祖国

前回我々は、『人間の大地』みすず書房1983年が  精神の風が粘土のうえを吹きわたるとき、はじめて人間は創造されるのだ で終わるのを見た。これを見た瞬間、我…

論語漫歩539 『星の王子さま』 「虐殺されたモーツアルト」

いよいよ、『人間の大地』（みすず書房1983年）の最終ページ（p329）である。『人間の大地』は、フランスでは、アカデミー・フランセーズ小説大賞を受賞し、全米…

論語漫歩538 『星の王子さま』 「召命」

我々は今、サンテグジュペリの名著『人間の大地』最終尾の「至高の召命」と通底する『荘子』大宗師篇第六の思想について一考している。前回は、「莫逆の友」の一人、子来…

論語漫歩537 『星の王子さま』 「生を善しとし 死を善しとす」

前回我々は、「せむし」になったことを楽しむ『荘子』大宗師第六の人物を見た。今回は、その続きである。子祀（しし）・子輿（しよ）・子犂（しり）・子来（しらい）の四…

論語漫歩536 『星の王子さま』 「せむし」と「県解」

前回我々は、「すべての人間は、ひとり残らず、父なる天の神から、『至高の召命』を受けている」のを見た。これと同じ思想が『荘子』大宗師第六にある。「せむし」の話で…

論語漫歩535 『星の王子さま』 「おなじ遊星の住民」

前回、我々はおなじ船に乗り合わせた運命共同体であり、  「おなじ遊星の住民である」 という、サンテグジュペリの思想を見た。これは、我々がこれまで追求してきた…

論語漫歩534 『星の王子さま』 「僚友」一つに結ばれし者

前回我々は、「エゴ」という、「牢獄」から解き放たれて、大海原の「浩気」を吸う「自由人」、天上の高みに達した「僚友」たち、「死地」に立って初めて一つに結び合わさ…

論語漫歩533 『星の王子さま』 「大いなる歓び」

前回我々は、ごく平凡な一軍曹の中に「人間」を見た。「さあ、戦友よ ! 」と呼びかける仲間に、「時間かい ? 」と、微笑を浮かべて立ち上がる軍曹。数分後に確実に…

論語漫歩532 『星の王子さま』 「さあ、戦友よ ! 」

前回我々はサンテグジュペリが、奇跡的に救われた時、「命」の「貴さ」に目覚め、「人間」が、「敵」も「味方」も、すべて、「最愛の兄弟」であることに気付くのを見た。…

論語漫歩531 『星の王子さま』 きみは最愛の兄弟だ

以前我々は、「水よ!」で、『人間の大地』（みすず書房1983年）第七章「砂漠のただなかで」の最後の部分を引用した。今回は、その続きである。この文を以て、第七章…

論語漫歩530 『星の王子さま』 僚友ギヨメ

前回我々は、厳寒の、夜の砂漠を見た。今回は、サンテグジュペリを、奇跡的に救ったギヨメについて。『人間の大地』みすず書房1983年から引用。サンテグジュペリたち…

論語漫歩529 『星の王子さま』 厳寒の砂漠

前回我々は、サンテグジュペリが遺言の手紙を書くのを見た。今回は、昼は灼熱の砂漠が、夜は厳寒になることについて。『人間の大地』みすず書房1983年p293  …