夏目漱石作『虞美人草』を読みました。
漱石の『虞美人草』を読みました。この本読んだつもりでいたのですが、実は初読でした。漱石の最初の新聞小説。おそらく夏目漱石の小説でなければこの小説は消えてなくなっていたはずです。それくらい小説としての出来はよくない。私も漱石の作品だから最後まで読みましたが、最後まで何がよかったのかわかりません。とは言え、これが書かれた時代はまだ小説の形式や文体が確立していなかった時代であり、試行錯誤の途上だったのだと思われます。なにしろストーリーが雑すぎます。「藤尾」という女性、そしてその母は性格の悪い女です。自分の利益しか考えていません。ではそれ以外の人物はどうなのかと言われれば、やはりかなり打算的です。最後に正義の味方のように突如として「宗方君」が活躍しますが、そこまでの人物造型は曖昧であり、正義の味方が悪を退治すると...夏目漱石作『虞美人草』を読みました。
2023/08/31 08:47