日本軍政下のアジア ー「大東亜共栄圏」と軍票ー 小林英夫 ***
東南アジアでは太平洋戦争中に日本軍による軍政下、国により状況は異なるが、貨幣としての軍票が現地における資材や食料などの調達用資金として使用された。軍票発行は戦争初期から末期に向けて急激に増加し、現地住民は超が付くインフレにより塗炭の苦しみにあった。アジア各国におけるインフレ率を示す物価指数は以下の通り。こうした経済状況に各国住民の対日感情は悪化、日本軍はその対応のための懐柔策として独立運動を支援する姿勢に転じ、形式的な独立を認めたが、実質的には日本軍政への協力を強制され、上辺だけの独立は、住民の困窮に対して何の足しにもならなかった。戦後賠償では1951年のサンフランシスコ講和条約に基づく国家単位での借款による施設建設や賠償が行われたが、ソ連、ポーランド、チェコスロバキアは調印せず、49か国による調印となっ...日本軍政下のアジアー「大東亜共栄圏」と軍票ー小林英夫***
2025/04/29 18:46