巫女神楽②熊野/miyazaki神楽画帖展―由布院空想の森美術館:別館林檎蔵ギャラリーにて―空想の森から<160>】
前回紹介した「梁塵秘抄」は後白河法皇が寵愛した遊女・乙前に当時流行していた「今様」という歌謡を舞わせ、集成したもので、「遊女」が王の側に侍るシャーマンであったころの名残をとどめるものである。同時代の記録として都から遠く離れた熊野の藤代王子で、巫女神楽が舞われ、神楽歌が歌われていたことが記録されている。つまり、当時、遍歴の女性芸能者がおり、巫女神楽が舞われていたことが確認されるのである。詞章は霜八度置けど枯れせぬ榊葉の立ち栄ゆべき神の巫女(きね)かもとあり、神社直属の巫女、あるいは神社に奉納された神楽において、巫女が、神を招き、神の場を寿ぐ神楽歌を歌ったことがわかるのである。巫女神楽②熊野/miyazaki神楽画帖展―由布院空想の森美術館:別館林檎蔵ギャラリーにて―空想の森から<160>】
2023/04/30 08:40