読書案内「南三陸日記」 ⑥ おなかの子に励まされて
読書案内「南三陸日記」⑥おなかの子に励まされて前書き前書き2020年10月に東日本大震災の地、福島、女川、南三陸を訪れた。3度目の震災地訪問である。一度目は2011年10月で、被災半年の彼の地は瓦礫の山で、目を覆うばかりの惨状に圧倒され、言葉もなかった。「復興」という言葉さえ口にするには早すぎ、瓦礫で埋め尽くされた町や村は、日の光にさらされ、津波に流された船が民家の屋根や瓦礫の中に置き去りにされたまま、時間が停止し原形をとどめぬほど破壊された風景が広がっていた。津波で流された車の残骸も、うずたかく積み上げられ、広大な敷地を所狭しと占領していた。二度目は2015年、瓦礫の山が整理されたとはいえ、津波に襲われた地域は荒地になったまま先が見えない状態だった。特に福島の放射能汚染地域は、近寄りがたい静寂が辺りを包み田や...読書案内「南三陸日記」⑥おなかの子に励まされて
2021/06/24 06:30