ある時期、筆者は年一回催される「笠木会」に毎年招かれていた。参会者は元関東軍高級参謀片倉衷、古海忠之総務次長、五十嵐八郎吉林興亜塾長、佐藤慎一郎大同学院教授、ほか満州関係の関東軍、施政関係、満鉄調査部、政界では三原朝雄、岸信介あるいは児玉誉士夫、毛呂清テル、岩田幸夫氏等、関係者など毎回30名ほどが参加していた。佐藤慎一郎氏五十嵐八郎氏満州で成功した統制経済は勤勉な民族的特質と性癖を読み解いた岸氏を始めとする統制経済官吏の成果であり、社会主義とも模せられる経営でもあった。それは興銀による集中投資や国鉄の十河総裁などにみる高度成長経済の前段である経済の基礎的(ファンダメンタル)部分の構成指針にもなった。また豊富な人材に加味する目的意識と集中力、緊張感の醸成については、オバマ大統領の選挙戦で謳ったような、民族の...あの時の日本人笠木良明と石原莞爾2009再