ヴァンスカ/東響
オスモ・ヴァンスカが東響に初登場した。1曲目はニールセンの序曲「ヘリオス」。ヴァンスカは読響を振っていたころに(もう何年も前だ)ニールセンやベートーヴェンの交響曲をよく演奏した。久しぶりなので、楽しみにしていた。 だが、演奏が始まると、当時とはだいぶ様子が違う。読響のころのヴァンスカは、オーケストラの手綱を締めて、贅肉のない引き締まった音を出していた。ところが今回の東響では手綱を緩めて、たっぷり鳴らす。また読響のときは、打点が先に先にと進み、前のめりのテンポ感があった。今回はそれが消えた。ごく普通のテンポ感だ。 2曲目はベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番。ピアノ独奏はイノン・バルナタン。ピアノ…
2025/03/30 16:06