つかもと日記(2)献立
わたし塚元静江がこの施設に来て一年が過ぎた。三食欠かさずにいただいて三日に一度はお風呂。職員の皆様は誰も優しくしてくれ、不平はひとつもない。……否、ひとつだけ献立が。と申しましても、配食会社の献立を温めて出してくれているようで、施設職員への不平には当たらない。ただ言い出してやめるのは心地が悪いから吐き出しましょう。栄養バランスやら何やら専門家が考えたものなのは承知するけれど、こないだの朝はハムと山芋の煮たのが一つ皿に盛られて出た。あたしなら絶対に出さない。洋風ならハムとそれに合うつけ合わせ、山芋を取るなら和の風情で、そういう魂胆はないものか。和洋折衷で「おや、意外に良いわね」と思うこともないではないが、食欲が減退する組み合わせが時折、ある。季節を取り入れて、筍ごはん、菜の花のおみおつけ、苺のゼリーといった...つかもと日記(2)献立
2025/04/30 07:12