豆大福(つぶあん):150円 変貌する地蔵通り商店街を見守り続ける、明治39年創業の老舗和菓子店。 江戸川橋『浅田家』には、こんもりドーム型の「豆大福」がある。 大きさは52㎜程だが、高さがあるので大きく見える。表面はタップリ片栗粉が塗され、抜ける様な白は外光を反射し、周囲に鮮烈な輝きを放つ。 分厚く覆う片栗粉には段差が生じている。 亀裂が縦横無尽に広がる姿は、さながら復元した弥生土器の様だ。 だが片栗粉自体は肌理細かく、滑らかなサテン生地に似た質感を湛える。一方で外見はゴツゴツして、仕上がりは程ほどに荒々しい。 「豆大福」の表面を覆うのは、小さな丸い起伏の集まりである。 餅自体が細かく波打つ…
豆大福(こしあん):200円 浅草『越後家』の「豆大福」は、直径が74㎜に迫る大きさ。 透明のビニール袋に、丸くて平たい身体を潜ませる。 その様子はさながら、おしろいたたきを彷彿とさせる。 すなわち、その姿は真っ白い。 特に海苔巻き等が並ぶ店先では、この「豆大福」は一段と輝きを増す。 まるで商品棚の一画だけ、灯りが燈った様な白さだ。先ずはビニールから取り出す。 手に取るとドッシリ重たい自重が、ビニールをバリバリ鳴らす。 目の前に現れた「豆大福」には、広大な広い平原が広がる。 久々に見た“おむすび”大の巨躯である。 ソコには三つの色味が、思い思いの様子で彩りを添える。真っ白な片栗粉は「豆大福」の…
豆大福(つぶあん):100円 経堂『亀屋』の「豆大福」が、ビニールに中で白くけぶっている。 細かい片栗粉が吹雪いて「豆大福」を取り巻く。 その中で「豆大福」は低い姿勢で佇んでいる。 まるで吹雪が通り過ぎるのを、じっと耐えて待つ姿の様だ。 餅の表面には幾つも豆が突き出て、霞の中でぼんやり浮かぶ。手に取ると、柔らかいビニールの向こう側で餅がへこむ。 柔らかい質感が伝わり、指先を優しく覆う。 その間でビニールと片栗粉が滑り、「豆大福」が奔放に動く。 裏返して『亀屋』と記された緑色の封を解く。 ビニールは透明の花弁となり、ゆっくり咲き始める。白い霞から現れた「豆大福」は、大きさ約60㎜。 表面がなだら…
いちご大福(つぶあん):150円 砂川七番『和洋菓子 たちばな』では、店名の通り和と洋の菓子が並ぶ。 和菓子でいえば“大福”だけで三種類もある。 その三種類全てが豆餅で包まれている。 ソコから先ず「いちご大福」を選ぶ。 商品名は「いちご大福」だが、当然周りは豆餅に覆われている。 ビニールに包まれて、てっぺんに赤丸のシールが貼ってある。 それだけがイチゴ感を醸し出している。 その他は普通の「豆大福」と変わらない、白と黒の餅菓子だ。ビニールがサラッと簡単に剥がれ、大きさ約62㎜の円柱に近い半球型が現れる。 餅は薄い灰色に少し青味が差し、ノソッとなだらかな曲面を描く。 その曲面の奥に、中に潜む餡子の…
豆大福(こしあん):150円 武蔵砂川『和菓子 紀の国屋 武蔵村山本店』へ行った。 丸く白い台座に乗って、「豆大福」はビニールの中にある。 持つと指先にズシリと重たく、摘まんだ台座がたわむ。 さっさとビニールを剥がす。 台座を傾けると、ゆっくり滑り下て現れる。大きさは約60㎜で、形は四角掛かった丸に近い。 頂部は平らに近いが、なだらかな起伏の集まりである。 その中心には餡子の影が、淡い赤紫色で浮かんでいる。 餅自体は薄い灰色に、少し黄が差している。 肌理は細かくなめらかで、湿り気も感じられた。 ソレに透明感が加わり、全体が氷が張った様に見える。側面部には丸い出っ張りが、数珠繋ぎで浮き出ている。…
豆大福(こしあん):205円 神楽坂『五十鈴』で「豆大福」を買う。 ふっくらとまあるい姿が、ビニール袋の中にある。 キメ細かい餅の質感が、ビニール越しでもよく判る。 滑らかな輪郭と、淡い白を纏った姿は、磨き上げた白水晶のようだ。 手に取ると伝わる感触は、綿花の様にふわりと柔らかい。 しかし指先にはズッシリと、芯を感じる重さで圧し掛かる。 そっとビニール袋を傾ける。 中の「豆大福」はゆっくりにじり出して、やがて目の前に現れる。 大きさは約58㎜で、白いツクリタケの様に膨らんでいる。餅の表面には片栗粉が、ビロードの輝きで塗されている。 それが全体を万遍なく覆い、細かい光沢を放つ。 裾の周りでは厚め…
空薫【日暮里@京成本線 山手線 京浜東北線 常磐線 日暮里・舎人ライナー】
まめ大福(粒あん):190円 谷中の『空薫』で売られる「まめ大福」は、 薄いビニールで包まれ店先に並ぶ。 光の反射をぬって伺える姿からは、 表に浮き出た黒い豆の姿が良く見える。先ずはその薄衣を剥ごうと、 そっと「まめ大福」を摘まみ上げる。 小ぶりな割に意外と重たい。 ズシリと確かな荷重が指に掛かり、 中で「まめ大福」がソワソワ動き、 薄いビニールをパリパリと鳴らす。 そっと裏返してビニールを取り払い、 ゴロンと転がり出た所を受け止める。半球体に近い姿の「まめ大福」は、 大きさが約50㎜と小ぶりな出来上がりだ。 しかしそこに込められた全ての素材が、 躍動感に溢れ「まめ大福」を形成する。 餅の上に…
豆大福(つぶあん):216円 浅草の甘味専門店『梅園』にも、 もちろん「豆大福」は売られている。 パリパリのビニールで包まれたソレは、 厳重に閉じた中に悠々と納まっている。表面は意外にデコボコしているが、 それが全て豆の仕業では無さそうである。 何せ全体を真っ白な片栗粉を纏って、 豆から餅まで容赦なく覆い隠している。 多少片栗粉が剥がれた所があって、 黒い影が浮かんでいるのが見えても、 それが豆なのか餡子なのか判断しかねる。ビニールを剥がすために手に取り、 持ち上げてみると意外に重たい。 ズシリと密度のある重みが指に掛かり、 ビニールが尖り指の腹に食い込む。 そっと裏返して慎重に剥がすと、 片…
豆大福(つぶあん):150円 穴守稲荷『磯崎家』の「豆大福」は、 ビニール袋に大きく“福”と記された、 自他ともに認める“福菓”である。 その“福”の合間からチラチラと、 「豆大福」の白と黒が見え隠れしている。先ずは全体を見る為に、 袋から取り出す事を始める。 そっと手に取った「豆大福」は、 ビニール越しでも大変柔らかい。 十分な重さが指先にのしかかり、 餅がビニールごと包み込んでくる。 とはいえ袋に餅が貼り付く事も無く、 サワサワ滑らかに納まっている。 なので袋の口を下に向けてしまえば、 スルスル滑り降りて外に出てくる。それを受け止め改めて観察すると、 大きさ約58㎜のほぼ半球体である。 繭…
和菓子の店 ながしま【押上@京成押上線 東武スカイツリーライン 都営地下鉄浅草線 東京メトロ半蔵門線】
豆大福(つぶあん):110円 直径約70㎜と大きな押上「ながしま」の「豆大福」は、 ほぼ丸に近く平べったい形をしている。 造形は表面が全体的にデコボコと波打っていて少しばかりイビツであり、 一見すると一級河川の河原にある丸く平たい石の様である。 とはいえその「豆大福」にしては“剛”の印象が強くなるのは、 表面に貼り付いている片栗粉の姿にも大きく影響されているだろう。 「ながしま」の「豆大福」全体を覆う片栗粉は全体に厚く塗されているが、 所々で剥落が生じていてそこから餅や赤エンドウ豆が顔を覘かせている。 一方の厚く塗された部分は片栗粉が塊のまま、 至る所で浮き上がったり反り返ったりして幾つも毛羽…
塩豆大福(こしあん):180円 幡ヶ谷『ふるや古賀音庵 幡ヶ谷本店』に並ぶ「塩豆大福」は、 約50㎜の大きさで透明の四角い菓子ケースに入れら売られている。半球体に形作られた表面にビッシリ分厚く片栗粉が貼り付く様は、 剥きかけのゆで卵か白銀のスケイルアーマーを連想させる。 なのでその下にある餅は無数の白い小片に阻まれて、 隙間から僅かに覘く程度にしか確認する事ができない。 その僅かな隙間から伺える餅は少し濃い藍白色を発し、 染み出て来そうな水気を湛えた透明感を保持しているのが確認できる。 その餅と片栗粉の間には丸々とした風貌の赤エンドウ豆が、 餅の上に腰掛けているかの様に其処彼処で外に姿を晒して…
豆大福(つぶあん こしあん):220円 神楽坂『梅花亭』の「豆大福」は“つぶあん”と“こしあん”の2種類が、 約58㎜の大きさで柔らかいビニールにしっかり包まれ売られている。 それは腸詰の皮的な役割を担って店頭に積んで置ける位の強度を生み、 開け放った後の「豆大福」を少しばかり四角に成形する。 全体的にふっくら柔らかく膨らんだ角の取れたドーム型は、 野球のベースが二枚積み重なった姿を想像してもらえば近い筈である。そして「豆大福」の表面に塗された片栗粉もまたシッカリしていて、 全体を見れば疎らなのだが塗り残しは無く餅を覆っている。 特に分厚く塗された箇所は結霜ガラスを彷彿させ、 そこがキラキラ反…
豆大福(つぶあん):130円 新宿『栄光堂』で売られている「豆大福」は、 大きさ約54㎜でビニールに包まれている。 塗された片栗粉は餅の表面で小さな星屑の様な斑点となり、 「豆大福」を取り巻く小さな天の川を作り上げる。 その後ろでは雲海が詰め込まれた様な色合いの餅が覆い、 さながら白夜の星空の様な光景を描き出す。 その中に沢山沈み込んだ黒い影を浮かべる赤エンドウ豆が、 天空に佇む浮遊大陸の様なファンタジックな世界を醸し出す。 所々で餅から顔を覗かせた赤エンドウ豆は種皮に光沢を湛え、 中には潰れたり砕けたりしてクリーム色の子葉が見える場合もある。 全体的には小さな白いお手玉みたいな佇まいだが、 …
豆大福(つぶあん):130円 上井草『御菓子司 青柳 下石神井店』の「豆大福」は約58㎜の大きさで、 少しばかり平たくなったイグルーといった風情を湛えている。表面に塗された片栗粉は上部はうっすらと覆い、 キラキラ小さくて細かな光沢を放っている。 一方で側面にはシッカリと厚めに貼り付いて、 漆喰を盛った様な軌跡を残して「豆大福」を取り巻いている。 その光景は赤道付近から北上してきた熱帯低気圧が、 次第に台風へ変化して行く様を映した衛星画像を思わせる。餅は透明感のある乳白色でキメは細かく、 「豆大福」のなだらかな弧を描いて覆っている。 その餅には沢山の赤エンドウ豆が埋もれている。 比較的「豆大福」…
豆大福(つぶあん):110円 椎名町『おむすびのなみき』の「豆大福」は大きさが約72㎜で、 中央部をペコリと窪ませてながら平たく成形されている。 全体的にはイビツでかなり個性的な姿ではあるが、 普通の「豆大福」でよく見られる豆が突出した小さな突起は少なく、 一見すると普通の大福かと思える位に稜線自体はなだらかである。 加えて豆が餅の中にスッポリ埋もれているので、 際立つ黒さが無く薄ら影を浮かべるだけに留まっている。なので外見上は大変に白い。 餅自体は薄らと黄味掛かっていて総じて象牙色で、 キメが細かくツルリとした質感を全体に湛えている。 その透き通る質感が放つ色合いも要因である事は間違いないが…
豆大福(つぶあん):144円 雑司ヶ谷『御菓子司 紅谷』の「豆大福」は大きさ約60㎜で、 透明のビニール袋に入れられて菓子棚の上に並んでいた。 そのビニール袋から出してみると結構イビツな姿で、 表面の至る所にデコボコと窪みをこしらえている。 大きく窪んだ個所などは職人が手を加えた行程が感じられ、 本阿弥光悦の茶碗を連想させる手作りの温かみを湛える。 表面に塗された片栗粉はそれこそ釉薬の様に貼り付き、 斑点の様なムラは「豆大福」全体を覆い白い模様を描いている。 月白の餅は所々に内部に潜めた餡子が浮かべる影を映し、 ひたむきに起伏に富んだ姿の維持を続けている。 その餅にふんだんに埋もれる赤エンドウ…
豆大福(つぶあん):90円 阿佐ヶ谷『ありん堂』で売られている「豆大福」は、 大きさが約48㎜と小ぢんまりした姿をしている。 とはいえ小さいながらも姿形は立派なもので、 その佇まいは綺麗な“かまくら”型の美人さんである。当然小ぶりな「豆大福」の表面にはシッカリ片栗粉が塗されている。 白い小さな斑点が程よく模様になる一歩手前位の風合で散らばり、 氷餅を彷彿とさせる光沢をキラキラ反射させている。 その下に潜む餅は乳白色の肌で覆いながらも所々で、 「豆大福」の中心部に納まった餡子がボンヤリ透けて見える。 そしてその餡子の陰より遥かに濃くて丸い黒を湛えた赤エンドウ豆が、 餅の其処彼処から顔を覗かせ潤い…
川忠本店【京成高砂@京成本線 京成金町線 京成成田空港線 北総鉄道北総線】
豆大福(つぶあん):120円 京成高砂『川忠本店』の「豆大福」は大きさは約54㎜で、 こんもり盛り上がった標準体型をしている。 全体を覆う片栗粉はしっかり塗されていて、 その表面には其処彼処に細かい凹凸が出来ている。 複雑な地形は白い大地に影を生み出し、 更なる立体感を造り上げている。その白にスッポリ覆われた赤エンドウ豆は、 僅かに黒い地肌を浮かび上がらせるのが精一杯の様子である。 その代わりすっかり白く染まった丸い姿を、 「豆大福」の表面に点々と突出させ自己の存在を誇示している。 そしてその全てを支える餅は白と月白の入り混じる中に、 霞を含んだような模様を羽織ってシンと佇む。 それは餅の厚み…
豆大福(つぶあん):110円 中野『庄瀬』の「豆大福」は大きさ約52㎜で、 かなり半球体に近しい姿で菓子棚に並んでいる。 表面を覆う片栗粉はほぼムラ無く均一に塗され、 表面に顔を出した赤エンドウ豆もろとも真っ白に染め上げる。 その赤エンドウ豆は餅の表面に幾つも飛び出てはいるが、 それらは皆一様に押し戻されて餅に埋め込まれ、 まるで押しボタンの様な姿になって餅に埋もれている。 そしてそれ以外の赤エンドウ豆は餅の中にしっかり隠れて、 薄らと淡い影とほんの小さな出っ張りをこしらえてている。 なので「豆大福」全体を覆う餅は比較的ツルリとしていて、 角度によってはきれいな弧を描きながら澄んだ透明感を湛え…
豆大福(つぶあん):130円 府中『石ざか』の「豆大福」は約60㎜のドーム型をしている。 その表面には小さなスパンコールが貼り付いた様な、 キラキラ光を反射する片栗粉が塗されている。 その下ではほんのり黄色味を帯びた餅の醸し出す透明感は、 まるで霜が張った窓ガラスの姿に見える程に澄んでいる。 しかし、この『石ざか』の「豆大福」に対する、 個人的印象は“黒い”である。 白く輝く片栗粉や透明感を湛えた餅であっても、 拭い去れないこの“黒い”印象はと考えたなら、 それは「豆大福」の表面全方向に確認できる、 赤エンドウ豆の仕業であると断言できる。ある豆は埋もれ影となり、 またある豆は半分だけ外へ飛び出…
もち吉 東京銀座本店【東銀座@東京メトロ日比谷線 都営地下鉄浅草線】
黒豆大福(こしあん):129円 銀座『もち吉 東京銀座本店』の「黒豆大福」は、 ひとつずつ丈夫でシッカリした袋に入れら店頭に並んでいる。 外見的には圧倒的に観光地で売られている日持ちするお土産菓子である。 加えて袋の模様で中の様子が見えにくいので、 現在袋の中がどういった状態なのか判断が付かないという状況である。 なので先ずは袋を慎重にバリッと開け放って、 滑りの良い袋の中に納まった「黒豆大福」を取り出してみる。大きさは約58㎜の円形で気持ち平べったい姿は蜜柑を連想させる。 指先にザラリとした感触を生むかなり粒感が高い片栗粉が、 指と「黒豆大福」の間でコロコロ転がる。 片栗粉は吹き付けた様に全…
豆大福(つぶあん・こしあん):140円 代田橋『立花家』には、“つぶあん”と“こしあん”の「豆大福」が売られている。“つぶあん”の「豆大福」は半球形で大きさは約52㎜。 起伏の激しい餅がうねり、「豆大福」の表面に雄大な地形を作り出す。 細かいまだら模様を描きながら所々で反り返り、 毛羽立ちながら隆起し銀鱗を想像させるタップリの片栗粉が塗されている。その一面白で覆い隠された隙間からはチラリと紫水晶色の餅が見える。 デコボコした表面は手作り感が溢れ出し、 ひんやりした色合いでありながらジンワリと温かみが感じられる。餅の中には赤エンドウ豆がこれでもかとタップリ入っている。 餅の中で押し合い圧し合いし…
榮太樓總本鋪 日本橋本店【三越前@東京メトロ半蔵門線 銀座線】
黒豆大福(つぶあん):210円 日本橋「榮太樓總本鋪 日本橋本店」では「黒豆大福」が売られている。大きさは約58㎜だが平べったく比較的円筒形に近い姿をしていて、 看板商品である“きん鍔”とよく似た雰囲気を醸し出している。 薄くて丸い紙の台座の上に乗せられてビニールで包まれ店頭に並んでいる時から、 この「黒豆大福」の側面部分には細かい泡の様な片栗粉が沢山纏わりついている。 その一方で天頂部には目立った片栗粉のカタマリは無く、 スッキリ晴れ渡った空の様に澄み渡っている。白い斑点模様の腰巻を纏った餅自体は薄い灰色をして仄かに透明度があって、 ひんやりした質感で丸い紙の上にうずくまる。 餅の中に静かに…
豆大福(つぶあん):113円 小川「旬彩游菓 立花家」の「豆大福」は約52㎜のドーム型をしていて、 パリパリのビニールに包まれ店頭に並んでいる。 表面にはキラキラ細かい輝きを放つ片栗粉が薄く塗され、 外観に描き出された濃淡は白い霜が貼り付いて造り上げる、 幾何学模様の結晶を連想させる様に餅の表面を覆う。 片栗粉の下に潜んだ乳白色の餅は細かく泡立った様な小さな凹凸が集まり、 ソレがなだらかな稜線を形成してドーム型の「豆大福」としての姿を成している。 餅の表面に出っ張った赤エンドウ豆は置き石の様に点々と佇む。 埋もれた赤エンドウ豆は滲み出た水気で餅と片栗粉を融かし、 雪化粧の小山に一瞬の雪解けをも…
豆大福(つぶあん):120円 直径約60㎜のまあるい座布団みたいな、 平べったい姿をしているのが、 練馬「御菓子司 利久」の「豆大福」である。 「豆大福」の表面にはスジ雲みたいに片栗粉が貼り付いて、 底面から頂点へかけて何本もの細い縞模様が見て取れる。 その片栗粉の雲間から見える白菫色の餅には所々で、 微かに餡子の姿を偲ばせる様にボンヤリと影が浮かんでいる。 「豆大福」の表面には深い赤茶色を誇示して、 しっかりと存在感を示す赤エンドウ豆が点々と配されている。 餅の中にシッカリと身を埋めているモノもいれば、 所々で餅と片栗粉を溶かしてテカテカ輝きながら顔を見せるモノもいる。 ソイツに触れぬ様に慎…
豆大福(つぶあん):145円 武蔵関「武州庵いぐち」の「豆大福」は、 約58㎜の大きさで少し平たいドーム型をしている。 表面に薄く塗された片栗粉は所々でコロニーを形成して、 斑に貼り付きソコから一層の白さを放っている。 片栗粉に覆われた餅は少しざら付いた見た目で、 毛足の短いベルベットが起毛した微細な凹凸に見える。 赤エンドウ豆は餅の中で磨りガラスの向こうに置かれたみたいな、 ボンヤリしたシルエットを浮かべて中程に点々と散ればっている。 「豆大福」を包むビニール袋から取り出そうと手に取ると、 パリッとしたビニール越しから硬さの無いフワッとした感触が伝わる。 意表を突いた柔らかさに気を引き締め慎…
大福(こしあん):260円 赤坂「塩野」の菓子棚の上で蓋付のプラスチック容器の中に入れられ、 約56㎜の身体を埋めて店頭に並んでいるのは「大福」である。 とはいえいくら店頭表示が「大福」であっても、 遠目から見る白く丸い姿に浮かんだ黒い豆の姿は、 容器の裏に貼られた原材料からしてまぎれも無く「豆大福」である。その容器の蓋を開けて底に敷かれたビニールの両端を摘まんで持ち上げると、 重みと共にスッと持ち上がる「大福」から片栗粉の剥落は少ない。 表面で渦巻く片栗粉はシッカリと盛られてあり、 真っ白な漆喰壁を思わせる風合いを醸し出す。 餅の姿はその片栗粉の合間に空いた隙間から僅かに窺える程度で、 中で…
豆大福(こしあん):270円 貞和5年(1349年)創業の東京が誇る老舗和菓子店、 “志ほせ饅頭”でお馴染みの「塩瀬総本家」の「豆大福」である。 既にビニール袋の中で白い霞を生み出していて大きさは約58㎜で、 「豆大福」の表面を覆う片栗粉は専有面積自体それほど多い訳では無い。 しかしそのシッカリと盛られた箇所にある片栗粉は多く、 そこに小さな丘陵地を造り出しなだらかな複雑な稜線を描いている。 一方で真っ白な台地の下にある餅は全体的に黄色味を帯びていて、 片栗粉との淡く柔らかなコントラストを造り上げる。 餅に沈み込んでいる赤エンドウ豆は思いのほか多く、 分厚い片栗粉と餅の下にボンヤリとくすんだ影…
豆大福(つぶあん):130円 中野「和菓子舗 壷屋」の「豆大福」は、 一見すると野球のベースに似ている。 角が丸い座布団型で対角線上の長さは約56㎜あり、 薄いビニールで包まれている。 外観は薄灰色で濡れた様な艶があり、 全体に蝋細工みたいな透明感を湛えている。 餅の表面に島の様に浮かんでいる豆もまた瑞々しく、 零れ落ちそうな潤いと水気を含んでいる。 ビニールに手を掛けると僅かに抵抗があり、 ペリペリと音を発てて少しずつ剥がれていく。 露わになった「豆大福」を指で摘まみ、 改めてジックリ観察して改めて確証を得る。やはり溶けた訳では無い。 始めから存在していないのだ。 こちら「和菓子舗 壷屋」の…
大福(つぶあん):130円 浜田山「菊水」の菓子棚に並んでいるのは「大福」である。 だがその「大福」を名乗る商品の表面に見えるのは、 シッカリと黒々輝く“豆”が餅の中に埋もれている姿である。 それはもはや堂々たる「豆大福」であるが、 あくまで店頭表示に従って「大福」なのである。 大きさは約50㎜と小振りながらもこんもりとした高さがあり、 全体にふっくらと丸みを帯びているキュートな姿をしている。 その「豆大福」的な「大福」を取り巻く餅にはハリがあり、 餅の上に小振りな割に堅牢な雰囲気を醸し出している。 その印象の源は恐らく「大福」の表層に現れた、 ほんの少しばかりデコボコして見える質感の為であろ…
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