0013「死出の旅」
どこだかわからない何もない空間。ひとりの男が歩いてくる。中年男「ここは、どこだ?俺は何でこんなところに…」暗闇から、老人がぬっと現れる。老人「あなたは死んだんですよ。交通事故でした。あっけなかったですね」中年男「死んだ…。俺は、死んだのか?」老人「そうですよ。これからあなたは、長い旅に出ることになります。出発の前に、ひとつだけ願いをかなえることができますが、何かありますか?」中年男「願い?じゃあ、生き返らせてくれ。俺は、あんたよりも若い。まだ、やりたいことがいっぱいあるんだ!」老人「それは、無理です。では、他になければ…」中年男「だったら、妻に会わせてくれ!せめて、女房には別れを言っておきたい」老人はにっこり笑ってうなずくと、あたりはまばゆい光に包まれた。光が消えると、男の目の前に中年の女が立っていた。中...0013「死出の旅」
2024/11/27 16:38