あれから
矢口敦子/幻冬舎文庫2011年10月15日初版。この作品は「償い」と「赦し」の間に書かれたもので、登場人物の関連性は無い。お題(あれから)が何となく気に入って、つい手に取ってしまった。「痴漢」の問題は、非常に微妙な問題だ。被害者と加害者がはっきりしていたら何も問題はない。法に定めた通りの処理を進めるだけだ。しかし、被害者と加害者の関係がはっきりしない場合、とんでもないことになってしまう。「あれから」は、その現実を背景にしたミステリアスな作品だった。父、周一を信じ、冤罪を証明しようと姉妹が立ち上がり、捜査を開始。しかし本のPageはまだ中程である。冤罪を証明してHappyEndではあまりにも単純すぎる。案の定、話は被害者の野中瑞江の方へシフトしていった。本人の軽率さもあるのだが、それを中学生に求めるのは難しい。や...あれから
2019/10/30 13:48