[ブルーの住人]第四章:蒼い友情 ~ブルー・まーだらー~
(三)コメンテーターきのうの早朝、窓の中にどことなく白々としている街並びがあった。無機な世界がそこに存在している。がらにもなく早起きをしたわたしは、テレビにかじりついていた。現在をにぎわしているヒッピー族と称する若者のインタビューに耳をかたむけた。コメンテーター――文化人と称する、評論家に大学教授に医者――三人が、卑怯にもひとりのヒッピーに対して、矢つぎばやに質問をしている。平然とそして冷然と受け答えをしていた若者だが、ものの五分と経たないうちに態度が粗雑になりはじめた。若者のことばが荒くなり、刺とげしくなる。コメンテーターたちの質問も辛らつさを増していく。次第にいらだちはじめた若者。その光景は、見るも無残なものだった。一匹の子羊を、血に飢えた狼と腹を空かせた熊と猛り狂う猪とがいたぶっている。結局のところ...[ブルーの住人]第四章:蒼い友情~ブルー・まーだらー~
2023/09/30 08:00