セイネンキレジェンド16話
リングの上に立つ直也は何かを祈るかのように深呼吸をしている。プロテスト前の康志は直也に言葉を掛けずに直也の姿を見つめるだけだ。リングサイドについたコーチと康志に直也は首を縦に振り笑顔を見せる。「え?直也が笑った?どうして」優子は直也は誰にも心を開く事がなかったのにと胸の内で思った。一時的なものだがルールのある戦いの中からから直也の成長が始まったのだ。「カーン!」とゴングが鳴ると直也の眼つきは変わった。眼(ガンツケ)を飛ばす眼ではなく冷静な覚めた目つきでリングの中央に向かう。ジム関係者によって勝利への策は作られる。あと直也がどう動いていくか試合をどう進めていくかである。さすがに2年目の選手がフットワークで直也の動きを崩そうとする。しかし直也は何かに取りつかれたように相手の動きに冷静についていく。相手の選手は...セイネンキレジェンド16話
2024/06/29 06:58