「世の中に不満があるなら自分を変えろ」を実践していたら何も出来なくなった
アニメの台詞の中でも最高峰に有名な『攻殻機動隊』草薙素子の台詞、「世の中に不満があるなら自分を変えろ。それが嫌なら耳と目を閉じ、口をつぐんで孤独に暮らせ」。 どっかでは社畜洗脳ワードだなんて言われていたけど、とても良い言葉だと思う。問題があるときは必ず自分かそれ以外に問題がある。どちらが悪いかは様々だが(大抵は両方)、自分の手で変えられるのは、基本的に自分だけだからだ。 というか、外部を変えるためにもまずは自分に何らかの働きかけをしなければならない。究極的には、自分を変えること意外に何かを能動的に動かすことは出来ないのだ。 だから、この言葉はある種自分のポリシーでもあった。ところが、最近はこの…
求めずにはいられないから傷つくが、それでも求めずにはいられない。だから他人について知りたければ、その人が求めるものが何かを知ればいい。ジャック・ラカン『精神分析の四基本概念』には欲動についてこう書いてある。 欲動の2つの目標について検討しましょう。2つを区別するために、私はそれらを英語で書きつけます。 1つは「aim 狙い」、これはその人が何をもたらすかではなくて、どんな道を通過しなければいけないか、ということです。 もう1つの「goal 到達点」もまた、弓術における的ではありません。それは射程とした鳥そのものではなくて、矢を放ち的を射るということです。(一部改編) 欲動とは、欲望よりさらに根…
生き方の一つのモデルについて雑記。僕にはこれが一つの理想に思える。 村上春樹の処女作『風の歌を聴け』は十二月の湖畔を吹く風のようにドライで、束の間であるのに永遠のような停滞を感じさせる小説だ。この小説で村上は、良い文章についてデレク・ハートフィールドの言葉を引いている。 文章を書くという作業は、とりもなおさず自分と自分を取り巻く事物との距離を確認することである。必要なものは感性ではなく、ものさしだ。」 おそらくハートフィールドは、純粋に文章の書き方を述べるために上の文を残したのだろう。しかしこのころの村上は、この理念を人間の生きざまにまで適用させているように見える。それは人間の生き様となった途…
急遽渋谷で6時間の暇ができてしまったので映画でも見ようと思った。以前から興味があった『思い出のマーニー』(ジブリが百合!?素晴らしい!)ならいつでも見れるだろうとタカを括ってたんだけど、なんと昼の時間でもほぼ満席。そこで突発的に選んだのが、何の前情報も持ってない『マレフィセント』だ。 『マーニー』も見ようと思えば見れたんだけど、おっさんの汗のにおいを受けながら百合百合に萌えるのもどうなのかって気がした(本当にそんな映画なのか?)。それに、直前に 東浩紀『弱いつながり』〜環境管理型権力を出し抜く「観光客」としての生き方 - 太陽がまぶしかったから を読んだのもあって、折角だから規定路線から外れた…
一年のうち5か月は夏バテをしている僕が考える「夏バテってなんだ?」
今日は夏バテで一日中ぐったりしていた。暑さが辛いだけじゃなく、重力が3Gになったのか?ってくらいに体が重くなるのが僕の夏バテだ。変に生ぬるく、体に不釣り合いな重さになった自分の体は、お風呂の生ぬるいお湯をめいいっぱい吸い込んだタオルのように思える。気持ち悪い温度で、容積に不釣り合いなくらいに重いのだ。ただひたすらに暑い、ダルいだけを繰り返す暮らし。そんなわけで、一日中寝たり起きたり(割合は7:3くらい)をループしているうちに、僕にとって夏バテとはなんだ?と考えていた。 僕はとにかく夏に弱い。GWが明ける頃から夏バテになるし、そのまま10月初旬まで気怠さが残る。体質的な原因を上げるとすれば、まず…
「耳掃除をしたくなくなる」を読んでも僕の決意は揺るがなかった話
読んだ。 これを読めば、あなたはもう耳掃除をしたいとは思わないはずだ 一言で言っちゃえば、耳かきをする必要なんてないし、そもそも耳に異物を突っ込んでも何もいいことはないとのこと。耳垢(「じこう」と読むらしい!)には耳を保護する役割があるし、顎を動かすことで不要な耳垢は勝手に体外に排出されるらしい。はへ~、人体ってすごいですね。要はタイトル通り、耳かきには何の意味もないということだ。 しかし、例えこれが正しくても耳かき過激団体(綿棒派)の僕から耳かきを取り上げることはできない!なぜなら耳かきは掃除ではなく、心の平穏のためにあるからだ。 耳かきの気持ちよさは筆舌に尽くすことができない。風呂上がりの…
「頭の良さ」を勘違いすると結構イタいやつになるかもよ?という話
僕の周り、そして僕自身がよく言ってしまう悪口に、 「あいつって、言うほど頭良くないよな」 というものがある。 皆さんも使ったことはないだろうか? この言葉はたいてい自分より高い評価を得ているものに向けられるものであり、まあどう考えても嫉妬の言葉だ。僕や僕の周りが醜い嫉妬の言葉を吐いている事実はまあいい。しかしここで問題になるのは、なぜ評価されている人が「頭が悪そうに見えるか」だ。 ポイントは「頭が良さそう/悪そう」という尺度だろう。義務教育時代のようなペーパーテストがない今、頭の良さの多くは会話内容で判断される。これを少し詳しく書くと、 ① 頭の中にあるアイデア → ② 実際に発話された内容 …
生きるというのはただリソースの割き方を覚えることだ -『羊をめぐる冒険』 村上春樹著 感想
馴れとはリソースの割き方を覚えること 人は馴れることで、適切なリソースの割き方を覚える。英語の期末テストだって、パワーポイントの作り方だって、洗濯物の干し方だって、みんなそうだ。物事が上達するというのは、すなわちリソースの割き方に無駄がなくなることに他ならない。 メモリーが増設されるわけでも、最大出力が増えるわけでも、剣さばきが早くなるわけでもない。ただ脳の指揮系統が、作業プロセスだったり指先の動きだったり、あるいは夕飯前の透き通ったビールだったりをちょうど良い塩梅で考えられるようになっただけだ。 生活に染み込んだ行動のリソース配分と、「弱さ」 ニートでも運動音痴でも精神障碍者でも何でもよいけ…
僕は昨年から学生の身分で一人暮らしをしている。実家でも通学上は何の不都合もなかったため、多くの人になぜ一人暮らしを始めたのか尋ねられるが、大体の場合は「自立する力、社会経験を身に着けるため」と答えている。これも嘘ではないのだけれど、一番の理由は実家にいると気が詰まるからだ。しかしこんなことはなかなか言えないし、言ったとしても受け入れてもらえることは少ないだろう。精神的な苦痛は多くの人の中で優先順位が高くないからだ。
世の中には二種類の人間がいる。 スケジュール帳を埋めるのが大好きな人間と、真っ白なスケジュール帳が大好きな人間だ。もちろん僕は後者の人間だ。仕事などの強制的な予定はもちろん、遊びの予定だとしても先の予定がぎっしり詰まっている手帳を見るとげんなりする。 両者の違いはなんだろう。端的に言えば、おそらくそれは未定の時間を楽しめるかどうかだろう。 予定のない日曜の朝、僕は爽快な気持ちで掛布団を払いのけることができる(そして9割の確率でまた布団をかぶる)。しかしそうじゃない人も多いらしい。やらないといけないこと、することがない一日を憂鬱に感じる人は少なくない。こういう人はまあ大雑把に言ってしまえば計画的…
前回にも書いた決断の仕方について。何かを決めるというのは探究すること、考えることとは真逆の難しさがある。定められた正解、客観的な目標値がある場合とは違って自分の内面の正しさは自分にしかわからない。というか自分にも分からない。 悩めば悩むほど思考は深化し、意識は拡散してやがて普段は当たり前だと思っていた前提すら不確かになり自分が見えなくなる。今までの人生、これからの生き方と無限にある視点のすべてを捉えようとすると巨大な時間という存在に押しつぶされそうになり、底知れぬ恐怖に包まれる。 多くの観点を考慮に入れるのは必要だが、決断するというのはそれとは対照的な行為だ。風呂敷をどこまでも広げるのではなく…
初めての面接を受けてきた。結果はまだわからないけど、とりあえず感触としては上々。こちらの人となりを知るのが目的の面接だったおかげもあって、とりあえず会話自体はスムーズにできたと思う。 結局、この2週間は前回に書いた「自分の仕事の軸」を考えることに費やした。面接対策としてこの方法はかなり有効だとは思う。主張の根幹をあらかじめ決めておけば、突飛な質問をされても答える内容の着地点をある程度きめやすいし、話がぶれることも少なくなる。 ただ、この3つの軸を決めるのは本当に難しかった。というか今でもきちんと定められた気はしていない。絶対の自信を持って「好きだ」「譲れない」と言えるものなんてそうそうない。あ…
1月、2月の就活について振り返ってみる。とりあえず一週間前に書いて保存した文章から。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 1月は流されるように説明会に行って、流されるようにエントリーを繰り返した。そして1月末から2月前半にかけて怒涛のESラッシュが相次ぐ。もともとエントリー数もそこまで多くなかったから、ESを書ききることも少し頑張ればできたはずだ。 しかし、まったく筆が進まなかった。締め切り直前までやる気が出ないのは昔からだからしょうがないにしても、ギリギリになってもやる気が出ない、書くことが思いつかない。都市圏だから一日前でも大丈夫、速達だから大丈夫…
伝えるということの意味についてふと考えてみる。嬉しいこと、悲しいこと、怒ったこと、僕たちは他人に自分の体験を伝えたくて仕方ない時がある。 それはいったい何のためなのだろう。起こったことを克明に話したところで事実が覆ることはない。失敗は失敗のままだし、悲しいことは悲しいままだ。過去を変えたいわけでもないし、おそらくそこから教訓を得ようというわけでもない。そんな打算的に話をすることはほとんどない。 なら、事実を知ってもらうためだろうか。相手に自分の置かれた状況を知ってもらって、自分と同じ気持ちになってもらうためなのだろうか。 話したって理解されない 私はなぜか加藤さんに山本さんの話をした。加藤さん…
普通の中に埋没したかった。どこにでもいるような、何の変哲もない人間として生きたかった。そしてそのまま誰にも気づかれないで消え去りたかった。「世界ににいくらでもある花」願望だ。 特別な人、代替不可能な人になりたいという希望はそこらで語られる。他の人とは違う自分、世界で一つだけの花になれないことに絶望し、なるべきだと叱咤される。しかしその逆、普通になりたいという希望はあまりおおっぴらにされない。集団に溶け込むことだけを渇望する若者はそれに近いが、少しずれがある。彼らはキャラ化してグループの中で固有性を持つことで承認を得ようとするのだから。 完全な没個性。さしたる欠点もなくしかし長所もない、そんな平…
モテる男に共通するたった一つの条件 - 飲み会はなぜ存在するのか
僕自信がモテるわけではないんだけど、何故か僕の周りにはモテる人が多い。そしてその人たちには絶対的な共通点がある。今回はそれについて書いてみたい。 まず断っておくと、「ただしイケメンに限る」ってわけでもない。カッコいい方がいいのは確かだけど、必須条件ではない。むしろイケメンであってもその条件を満たしていない人には彼女がいないことの方が多い。 では、モテる男の共通点とはなんだろう。答えは単純、自分から声をかけられることだ。こう書くと、ナンパでもしろってことか?と思われるかもしれないがそうではない。 今仲がいい人でも昔の同級生でもなんでもいい。とにかくある程度関わったことがある人にれんらくするのだ。…
読んだ。 働くことは、どういうことか。 - 犬だって言いたいことがあるのだ。 この記事で言われていることは人生全体についてもあてはまるのではと思った。「成長」をよりどころにできなくなった後にどう生きればいいのか?という問題だ。 働くといってもまだアルバイトやインターンしか経験のない僕には、ここで引用されているような「企業から選別される(=弾かれる)」経験をしたことはない。けれど皆がいつまでも出世コースに入れるはずがないことは分かるし、どこかの時点で自分の落ち着きどころがはっきりするというのも容易に想像できる。 社会に出るまでの人生には必ず節目ごとのステップアップがあった。小学校に6年通ったら中…
良くも悪くもシンプルでした-『劇場版まどマギ [新編]反逆の物語』感想1
少し今更感もあるけどまどマギ劇場版の感想。結局見たのは2回で、最後に見たのは3週間前だけど、BDとかで見返すときのために現在の感想をば。まずは構成について。 一言で言っちゃうと、とってもシンプル!いい意味でも悪い意味でも枝葉が少ない。それぞれのキャラクターの立ち位置が把握しづらいけど、全体の流れはいたって単純。 すごくしっくりきたので、ゲンロンカフェの村上×坂上×さわやか座談会の書き起こしを引用。 前はアルティメットまどかのことを「概念」って言ったんですよね。でも今回はっきりとまどかは「神」として登場していて、ほむらは「悪魔」。「概念」っていう抽象性の高いものから、ベタな「神vs悪魔」って構図…
定期的になるかわからないけど12月の就活振り返り -やる気のアピール・ゲーム
就活も解禁してしばらくたったわけですが、就活でスケジュールが埋まっていくにつれて他のことやりたい欲求が高まってます。ここ1か月は読書もほとんどしてなかったのにいきなり本を買ったり、積みゲーをやり始めたり。テスト直前に限って部屋の掃除が捗る、みたいなものなんでしょうか。 就活でスケジュールが埋まって、とか書いたけど実際はほとんど何もしてないです。一応就活サイト登録して、一応エントリーして、一応説明会に行って。とりあえず「この時期にやるべきだとされている」ことの最低量を消化しているって感じです。 というわけで、12月の就活の振り返りと、そこで感じたことを少しまとめてみます。 この時期にするのは合説…
例によって一日中何をするわけでもなく突っ伏してた。 アニメもネットも何にも見ないで、ただずっと死んだように寝っころがってた(ちなみに僕はそういう時は同じ曲を無限ループさせてます)。 それで何をやってるかというと、ずっと色んなことを考えてる。最近のこととか、未来のこととか、周りのこととか、昔のこととか。 ひどい時には飯も食わずに数日間ほとんどそのままなこともある。たぶん、そういうのが許される環境なら幾らでも突っ伏していられる。 昔からこれはしょっちゅうなんだけど、じゃあ何でこんなことになるのかを考えてみたい。 たぶんそれは、自分には「物事を深く考えすぎない技術」が足りない体と思う。一度悩みだすと…
ブログ開設記念ということで、自分がブログを書き始めた理由なんかを振り替えってみようかと。 まずあるのは、ブログを書くなんてバカだよねーという思いです。 というか、文章を書くという行為はものすごくリスキーだと思う。 なぜかというと、文章は目よりも口よりも多くを語ってしまうから。 正直言うと、会話なんて言うのは嘘がつき放題なわけです。 あらかじめ自分のキャラを定めておけばそこから外れることはあまりないし、空気とかいうやつを読んでおけば角が立つこともない。 そもそも、ほとんどの会話には目的なんかないのだから、とりあえず相手の話を聞いてウンウン言っておけばいいし、こっちから話すにしてもどーでもいいよう…
というわけでブログ始めました。 アニメ、ゲーム、本とかの感想とか、毎日のイライラをぶつけるとかをする予定です。 就活と終活に興味があるぴちぴちの大学生です。よろしくお願いします。
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