官能的な悦びが、脚の付け根の秘された箇所を核にしてじわりじわりと広がっていき、手足の先を甘くしびれさせる。 口を覆う手に力が入らなくなった。サディアスは容赦なく胸飾りを指でこね、もう片方の尖りを舌でなぶる。 ふとアリアは太ももになにかが押し当てられていることに気がついた。 「あ……サディアス、様……? なにか、当たって——」 口に手を添えたままモゴモゴと問いかけたものの、すぐにある…
(私ったら……サディアス様に全身を見られたいの?) そうだとしたら、なんてはしたないのだろう。 「アリア」 名を呼ばれるたびに理性が揺らぐ。彼の望むまま、手をどけてもよいのではないかと思えてくる。 アリアの両手から力が抜けたのをいいことに、サディアスはネグリジェとシュミーズを首の下まで一気にめくり上げた。 「……っ、ぁ」 ふたつのふくらみが彼の目に留まる。 見られていると…
アリアは意を決し、アイスブルーの瞳を見据える。 「私っ……、この先ずっと……サディアス様のおそばにいたいです。サディアス様のことが、大好きだから……!」 心臓がドクドクと鳴り、胸の前で作ったこぶしのなかには汗をかいた。呼吸がままならない。緊張と不安で胸が押しつぶされそうだった。 ——サディアス様は私の告白をどうお考えになっただろう? わがままを言っている、と迷惑がられるだろうか。 …
「コホン」 パトリックがわざとらしく咳払いをした。 アリアとサディアスはギクリとして顔を見合わせたあと、そっと離れる。 「あ——お兄様、申し訳ございません……。レヴィン伯爵から何らかの抗議があるかもしれません」 「いい、気にするな。そのときは僕が何とかする。そもそも、おまえがレヴィン伯爵に嫁ぐなどだれも認めていない。ねえ、殿下」 「まったくだ。よりによってレヴィン伯爵とは——悪質にも…
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