ある哲学系のSNSで「私たちは科学を(宗教を信じるように)信じている」と述べたら、ほとんどのメンバーから反発を食らってしまった。「信じる」と言う言葉には“根拠なしに゛とか“盲目的に゛というようなニュアンスを感じるのだろう。そういう意味で科学は「信じる」対象以上のものだと感じているのだと思う。しかし、現代哲学では「私たちのほとんどが科学を信じている」ということは常識と言ってもいいほどなのである。ここで私が「信じる」と言っているのは、「理性的にはそうではないと疑う余地があるにもかかわらず、感性的にはそうであると認めてしまっている」そういう状態を指します。分かりやすい例えで言うと、あなたが道を歩いている時、一歩一歩踏み進むその足をちゃんと地面が支えてくれると信じているはずです。もしかしたら、その歩道のブロックは...この世界は信じることによって成り立っている(その1)