中島要「しのぶ梅 着物始末暦(一)」
時代小説文庫(ハルキ文庫)2012年11月第1刷発行2013年10月第5刷発行259頁着物の染み抜き、洗いや染めと何でもこなす着物の始末屋・余一は職人としても腕は良いし、若くて男前なのですが不愛想で人と深く関わろうとしません難ありの客ばかり連れてくる余一の古い馴染で柳原土手の古着屋・六助余一の腕を認めながら敵対心を燃やす呉服太物問屋の若旦那・綾太郎余一に片想いをしている一膳飯屋の看板娘・お糸など市井の人々が抱える悩みを着物にまつわる思いと共に余一が綺麗に始末します「めぐり咲き」「散り松葉」「しのぶ梅」「誰が袖」各編で語り手が変わり、少しずつ余一と語り手たちの相関関係がわかってきます若く一途すぎて危うい綾太郎やお糸胡散臭い老人かと思いきや案外情に篤く思いやりのある六助これから余一の周辺では何が起こるのでしょ...中島要「しのぶ梅着物始末暦(一)」
2024/01/31 07:10