薬丸岳「蒼色の大地」
中央公論新社2019年5月初版発行395頁文芸誌「小説BOC」の創刊にあたり、8組の作家によって紡がれた「螺旋プロジェクト」の一作ある“ルール”のもと、古代から未来までの日本を舞台に、ふたつの一族が対立する歴史を描きます時代は19世紀後半から20世紀初頭、明治時代ですかつて幼馴染だった黒い瞳の新太郎、青い瞳の灯、新太郎の妹で耳が大きい鈴成長した三人は、それぞれの道を歩んでいました新太郎は呉鎮守府の軍人に、灯は瀬戸内海を根城にする海賊に、そして鈴は思いを寄せる灯を探し、謎の孤島・鬼仙島に辿り着きます海族と山族、決して交わることのない二つの血に翻弄され、やがてこの国を揺るがす争いに巻き込まれていきます戦争を描いたものとしては物足りなかったですが、差別と偏見を乗り越えようとする登場人物たちの姿にはそれなり訴える...薬丸岳「蒼色の大地」
2024/02/28 08:09