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  • 居住者証明

    シンガポールの代理人が、インドから報酬を源泉なしで送金するためには書類が必要だというメールが届いた. 海外送金はどこも厳しくなりつつあるのは知っているけど、あの中国でさえ、そんな書類を要求していない. しかも法律サービスは適用対象外の国がほとんど. てっきり代理人のミスかと思って問い詰めてみるも埒が明かない. 中国の知人にそんな書類を提出したことがあるかと質問したところYes. ようやくことの面倒さを理解した. 中国代理人からインドに送った書類もみせてもらった. 現地でPEがないことを証明するのは、上海にいた頃に嫌というほど経験した. 日本でそんな書類を用意してくれるのだろうかと思って税務署に…

  • 発明者の公開は個人情報保護の時代に反する

    発明者を記載したくないという外国代理人からの出願指示がきた. 実務のプロだから発明者を願書に記載しなければいけないことは知っているはず. そんなプロから、そのような指示がきたということは、発明者情報を開示しなくても出願できる国があるのかもしれない. かくいう自分も発明者を願書に記載することについては懐疑的な立場である. 発明者の名前を書くことに違和感を覚えるのは外国人の名前を書くときである. 日本の実務では、発明者の情報を原文で記載することはできないから、カタカナに変換して書くのであるが、これが一義的に決められない. アルファベットを単に英語読みしてカタカナに変換する人もいれば、現地の発音をカ…

  • 分かりやすい明細書に覚える危機感

    最近の明細書はいい意味で玄人色がなくなったと思う この仕事を始めたころ明細書を読んでも全く理解できなかった思い出がある 日本語を読んでいるにも関わらずまるで読経しているような感覚で読んでも全く頭に入ってこない ただ当時の特許明細書は解りにくいことはデメリットではなかった むしろ解りにくい明細書が受け入れられていたような時代でもある いまの明細書はとても分かりやすい 最も難解だった外内の明細書もとても読みやすい それはそれでいいことなのだけど 読みやすい明細書、分かりやすい明細書が万能かというとそれは違う 読みやすい明細書・分かりやすい明細書が重宝されるのは特許審査があるから 読みにくい明細書・…

  • 会計ソフトに反映されるのが遅いクレカを断捨離

    特許庁への支払い用に使っているクレカのスペックが悪いのが気になる 弁理士DCカード、JCBビジネスカード、三井住友VISAをメインに使っているのだけど いずれも会計ソフトへ反映されるまでの時間が長すぎる 事業用カードに求められるのは限度額が高いのはもちろんだけど 会計ソフトとの同期も大切 どのカードも同じかと思っていたのだけど どうもそうではないらしいことを確認した スカイマイルJCBを作ったので それを会計ソフトに同期させたら何と中1日で会計ソフトに利用明細が反映されているではないか 同じJCBにもかかわらずなぜ差がついているのだろうか JCBの法人カードは、事務所を立ち上げたときに最初に作…

  • 再び陸マイラー

    弁理士会から東京相談員の委嘱があり定期的に東京へ行くことになった これを機会にマイルを貯めることにした マイルを意識したのは上海にいた頃 最初はデルタAMEXのスカイマイル これは持っているだけでゴールドメダリオンが付与されるというスグレモノだった デルタが上海成田便から撤退したあとはANAJCBのワイドゴールド JALではなくANAを選んだのは 当時の上海成田のJALは中国東方とのコードシェアだったから 日本に戻るときにANAがブリッジに接続しているのを見るとなんとも言えないセンチメンタルな気持ちになったものだった ANAはいい時間に虹橋羽田があったのも良かった さて今回は国際便ではなく国内…

  • 私的使用のために複製する場合を複製権の侵害から除外しています スポーツ中継を昔の街頭テレビのように視聴させた場合と、大画面の映像装置を使用した最近のパブリックビューイングで視聴させた場合とでは、著作権法上、「街頭テレビ」は合法で、「パブリックビューイング」は違法 違いは画面の大きさ スポーツ中継する放送事業者には伝達権(著作権法100条)が認めれています 放送事業者の伝達権とは、放送を受信して、超大型テレビやビル壁面のディスプレイ装置などで、公に伝達する権利のこと 大画面テレビを使用してスポーツ中継を鑑賞させると、放送事業者の伝達権を侵害します 大画面テレビが今ほど一般的でなかった昔であれば、…

  • さくらのメールボックスでマルチドメインのメールアドレスの設定に戸惑う

    メール専用のサーバとしてさくらのメールボックスを数年前から利用している 20Gを使えると謳ってあったのでGoogleより多いと喜んで契約したものの 蓋を開けると1メールアドレスあたり2Gが上限とのこと この程度の容量だと1年でほぼ一杯になる では20Gをどうやって消費するのかといえば 複数メールアドレスで使うのである ただし、このメールサーバの仕様が独特で 普通のメールサーバのようなアドレスの設定ができない abc@ドメイン1 abc@ドメイン2 と設定しても 2つのメールアドレスとは認識されず 1つのメールボックスで受信するという仕様である 2つのメールボックスにわけて管理したければ ユーザ…

  • 特許とパチンコ

    大手パチンコメーカが廃業というニュースで思い出したことがある news.yahoo.co.jp 20年ほど前のこと中京地区の特許事務所のクライアントを調べて驚いたのが パチンコがやたらと多いことだった しかも年間出願件数がやたらと多い 特許といえば半導体や通信という当時の日本が得意としていたものばかりを扱っていたこともあり、パチンコと特許がどうやって結びつくのかとても不思議だった パチンコ特許はさらに1件あたりの手数料が高いということもあとから知った 名古屋の弁理士がいうには名古屋の特許事務所はパチンコで成り立っているのだそうだ パチンコ特許が多い理由もあとから分かったのだけど パテントプール…

  • 使用注意、これを使ったら他は使えなくなるキーボード

    HHKBを使いはじめて8年 これを超えるキーボードを探してはいるのだけど結局これに戻ってしまうという危ないキーボードなのである 15年前くらいに同業者に勧められた東プレは当時の自分には合わずだっだけど なぜかHHKBは最初から肌にあったから不思議 どちらも方式は同じだからキー荷重があわなかったのだろう ①打鍵感、②耐久性、③見た目、④省スペースなどいいところを上げたらきりがないけど このすべてを兼ね備えたライバルが存在しない 唯一、最近流行りのキークローンがライバルなのだが 実際に使ってみると指先の打感がまるで駄目だった 調べてみるとHHKBが昇華印刷でPBT素材 対するキークローンが2色成形…

  • 偽物を掴みたくないから公式サイトで買う、という人が増える気がする

    日本で買い物をしている限り偽物を掴む可能性はとても低い. というのは過去のことになっている気がする. Amazonで買うつもりでコメントをみたところ、偽物が届いたようなレビューが目についた. Amazonというシステムがサードパーティを入れたときから、Amazonは安心という信頼性が低下している気がしてならない. Amazonで買ったモノが中国から届くというのはあまり気分のいいことではない. 公式サイトを見てみると値段はほぼ同じだったが、Amazonで買えば送料無料でポイントもつく. それでも今回はなぜか公式サイトで買ってしまった. 私個人の消費行動なんぞ全く役に立たないだろうが、これからは公…

  • 弁理士手帳カバーの残念なエイジング

    弁理士手帳なるものが発売されていて、2015年に本革の手帳カバーを買ってみた. 通常のビニルカバーはいかにも安物だったので重厚感を期待しての購入. 革製品のエイジングが好きで、この本革カバーもエイジングを期待したものの予想に反して期待どおりのエイジングが進まない. 多少のエイジングはあるものの、それよりもカバー表紙に刷られている菊花・桐マークと、「弁理士手帳」という金色文字の剥げ落ちだけが目立つ始末. 打ち合わせのときには手帳を机に並べていたものの、エイジングではなく単なる劣化が目立つようになった3年ほど前からは机の上に並べるのもみっともないので、かばんの奥底が定位置になっていた. 発売元の協…

  • 非居住者が出願人の場合の消費税

    外国出願人が日本に出願する場合の消費税の扱いという質問があって答えに困ってしまった. 外内出願といえば、外国事務所から依頼を受けるものが典型的. 免税扱い. 根拠は? 困ってしまうのが、非居住者の外国事務所から依頼されてはいても、請求書の名宛が事務所ではなく非居住者の場合など. 非居住者であっても免税取引と課税取引が存在することになる. 輸出取引の範囲を定めている消費税法施工令第17条2項7号は 七 法第七条第一項第三号、前項第三号及び第一号から第五号までに掲げるもののほか、非居住者に対して行われる役務の提供で次に掲げるもの以外のものイ 国内に所在する資産に係る運送又は保管ロ 国内における飲食…

  • 裁判所は真実を発見するところではない

    トラブルは当事者が話し合って解決する. 解決できなかったときは裁判所で解決する. だいたいの契約書に登場する常套句. 最後の砦となる司法解決に期待し過ぎていないだろうか. 裁判を経験したことがある人なら思い当たるところがあるだろう. それは原告の負担が大きすぎること. 相手に何かをして欲しいという訴えを起こす場合、訴えを起こした側に課せられる手続きが多すぎるのである. 例えば、未払い債権. 債務者に支払いをして欲しいと訴える原告の手続きは、主張だけではなく、それを証明する証拠を用意しなければならない. 請求書があっても架空請求かもしれないから、何の対価としての請求なのかを証明しなければならない…

  • トラブルに昇華させてしまうのが弁護士

    えっ、こんなことで弁護士をつけるの? ということがあった. それこそ電話の一本で解決するのに、なぜわざわざ複雑な解決方法を選ぶのだろうか. 弁護士が身近になったとはいえ弁護士をつけるべきではない. 裁判にもならないような日常の揉め事. 菓子折りで解決できることをトラブルに昇華させてしまうのが弁護士. 弁護士がついたから上手く収めてくれるだろうと期待するのは危険. 弁護士という職業柄、100%依頼者の利益のために行動しなければならない. 代理人であって仲裁者ではないのである. 商標や特許の侵害を解決したいときでも、相手に出す書面の最初は社内の担当者名で出すのがいい. その段階で解決するのが賢い方…

  • 訴訟は避けるが勝ち

    付記弁理士という制度が始まったとき、弁理士も訴訟代理人になれるということで話題になった. 付記がなければ弁理士に非ずという空気が醸成され、調べたことはないが付記弁理士の方が平弁理士より多いかもしれない. 侵害訴訟に興味がないわけではなかったが、訴訟代理人でなくても従前どおり保佐人として訴訟に参加できるので、それで十分. 弁理士に限らず弁護士以外に訴訟代理権を付与する仕組みができあがっている. しかしどれだけの人が付記士業に訴訟を依頼するだろうか. 弁護士は弁理士その他の士業とは求められるものが違う. 弁理士に求められるものは技術的な専門性、知財制度に対する専門性. それらはないよりマシという程…

  • 知識を語るより経験を語れる弁理士でありたい

    MBAに通っていたとき教授には2つのタイプがあった. 一つは大学内部の教授であり、もう一つは実務経験者. 自分が通っていたMBAの生徒は100%実務経験者. 弁理士、弁護士、公認会計士の他、法務部、知財部、経理部で現場を経験した生徒たち. そのようなバックグランドを持った生徒を相手にする講義では、実務に裏付けされた理論が求められるはず. 案の定、実務経験者が語る講義は興味深く、教授の語る講義は学部の講義のようだった. 実務で生じた疑問というのは、それを経験した人でないと共感できないもの. 当然ではあるが実務経験がない教授に共感してもらうことはできなかった. 知的財産の世界は学問ではなく実学. …

  • 弁理士、弁護士、学者が書く鑑定書の違い

    機会があって侵害鑑定書を読む役職にいたことがある. 侵害鑑定書をこれほど大量に読む機会は後にも先にもこのときだけだろう. 同じイ号に対して、なぜこうも内容がばらばらなのだろう、と思いながら、弁理士、弁護士、学者の書く鑑定書の違いというようなものを理解することができたので紹介してみようと思う. 弁理士の鑑定書は常識の範囲内 弁理士はいうまでもなく知的財産実務の専門家である. 自分が最初に鑑定書を書くときに指導弁理士から言われたことは、誰が読んでも納得する鑑定書を書け、というものだった. その教えを守って書く鑑定書は、主張よりも事実にウェイトを置いた内容になる. 判断が分かれるイ号だからこそ鑑定書…

  • 実務研修で実務は身につかない

    コロナ渦のおかげで東京まで行かなくてもオンラインで研修を受けることができるようになったのはいいのだが、研修を受けたことによりクオリティが上がっているのだろうか. 研修があることはいいことだし、リアルではなくオンラインで受講できることも悪くない. しかし何かが違う. 思うに研修を受ける目的がボヤケているからではないだろうか. オンラインで受講できる環境というのはとても素晴らしく、弁理士受験のときも講義をオンラインで受講したことがある. 予備校の一室に設置されたモニタと対面して受講する方法であるが、リアル講義と比べて効果が低いということは決してなかった. このときの目標は言うまでもなく試験合格. …

  • 起承転結で説明する特許明細書

    優れた発明も文章が稚拙であれば特許にならず. 稚拙な発明でも文章が巧妙であれば特許になる. 発明を文章で表現するときに、どのように頭を悩ませているのかを紹介してみようと思う. 発明を文章化するときの枠組みが存在しており、枠組みに従って発明を説明していけば、わかりやすく発明を説明することができるようになっている. 枠組みと言われても想像がつかないと思うので、起承転結をイメージしてほしい. 発明が起承転結の流れで説明されている. 起承転結がどのように機能しているかというと、 「起」で従来技術を特定して、「承」で従来技術を説明する. 「転」で発明に至らしめる理由を解析して、「結」で実施形態を説明する…

  • 短文投稿のトレーニングを始める

    目的もなく適当なつぶやきではフォロワーもつかず、かと言って気の利いたつぶやきもできず鳴かず飛ばずのTwitter. せっかくつぶやくなら、ということで短文トレーニングを始めることにした. 140字で起承転結は無理としても、言葉を選んで言いたいことを伝えるためのトレーニングである. 文字制限がないブログと違って、言葉を選び、何を書いて何を書かないかを吟味しなければならないTwitterは文章にキレ味をもたせるためのトレーニングとしては最高のツール. これまで文章術という本はいくつか読んではいるが、いずれも学術論文など長文を書くことを想定したもの. そんなときにTwitterで紹介されていたのがコ…

  • 創業融資を完済して反省と希望

    1000万円弱の創業融資がようやく完済した. なぜ創業融資を実行したのか、理由は3つ. 創業融資のチャンスは創業時しかない. 融資制度を身を以て体験したかった. 本当に融資が必要なときの信用を得るため. 創業融資のチャンスは創業しかない 創業融資という名のとおり、創業融資は創業時しか受けることができない. 通常融資と何が違うのかと言えば、事業実体がなくても申請書のみで融資が実行されること. 通常融資で必要な財務諸表も不要、個人保証も不要という最初で最後の融資を体験しないこということは、事業者としては勿体ないと考えたからである. 融資制度を身を以て体験したかった 融資を受ければ利子が発生する. …

  • 発明は個性的なのに特許明細書は没個性的

    先日、稚拙な特許翻訳が送られてきた. 日本特許庁に国内移行したあとに提出する翻訳文である. 最近は現地代理人が日本語の翻訳文を用意することが多く、今回も送られてきた翻訳文を提出すれば足りるはずだった. 提出するだけとは言え翻訳の抜けがないかくらいはチェックする. そこで目に止まったのが「稚拙」な翻訳文である. なぜ稚拙だと思ったのか. 特許翻訳のプロトコルに従っていないからである. 特許明細書は独特の表現方法があり、特許翻訳をする場合は、このプロトコルに従うことが暗黙の了解である. 特許翻訳者を名乗る以上は、当然に、プロトコルに従って翻訳をする. 今回の翻訳者は、特許翻訳者ではなく、日本語ネイ…

  • 信用取引が崩壊しつつある特許業界

    売掛という日本では当たり前の商習慣 信用取引は日本以外では通用しないことはわかっているのに 外国出願人の手続きを売掛で行っている 特許業界では日本を含め世界中で信用取引が成立している珍しい世界 世界中の弁理士たちが長い時間をかけて築き上げてきた商習慣である 外国出願の件数が少ない時代、外国出願を扱う事務所も少なく その閉じた狭い世界のなかではプロトコルを守ることが最低限のマナーであった 外国出願が特別なことではなくコモディティ化するにつれて 外国出願市場に参加するプレーヤも増えてきている 自分のような新興事務所が外国出願市場に参加できるのも 市場が大きくなったことによるところが多い 外国出願マ…

  • 柳川どじょうはどこへ行った

    むかし行ったことがある柳川へどじょうを食べに行った. 記憶が曖昧で柳川風情がどこか忘れてしまい、ナビを頼りに市内を適当に走りようやく目的の場所にたどり着いた. よく見かける地方都市の荒廃感は柳川市も例外ではなかった. 週末にも関わらず人影はほとんどなく、目的の柳川どじょうを食べさせてくれそうな店も早々と店を閉めしてしまう始末. 居酒屋風の店を見つけた入ってみたものの、どじょうはなく鰻だった. 外国人観光客が増えればこの街も活気を取り戻すのかもしれない. ただ古き良き柳川のイメージはなく、もう柳川を訪れることもないかもしれない.

  • 熊本の路面電車

    どこへ行っても似たようなところが多い日本のなかで路面電車がある都市はそれだけで魅力的. 熊本市を走る路面電車は前回行った広島の充実した路線とは違うが、レトロ風な車両が城下町には合っている. 熊本市とここ静岡市を比較すると、政令都市、人口70万人、城下町と共通するところが多い. ただ路面電車がある熊本市が魅力的に映るのは無い物ねだりなのだろうか. コロナ禍で外国人観光客がいないにもかかわらず熊本城が混雑していたのが意外. 天守閣も賑わいを保っている理由なのだろう. 富士山という世界遺産に支えられている静岡市は、もし富士山がなければアピールできるものは何か. 工業都市の浜松市、東京通勤圏の三島市、…

  • 静岡と福岡の弁理士数が同じというのは本当か

    都道府県別の弁理士数が対比された結果を見ると、弁理士数や一人当たりの便利指数は静岡と福岡でほぼ同じらしい。 todo-ran.com 静岡県民からみて福岡が競合するとというのが正直信じられなかった。 福岡は20数年前に暮らしたことがある街で、当時の記憶に基づくなら静岡は全く歯が立たないはず. 静岡は、浜松、静岡、沼津・三島と都市が分散しているのに対して、福岡は福岡市に都市機能が集中していることも、都市効率という点では分が悪い. 上海にいたころ、日本を俯瞰すると福岡は東京よりも魅力的に映っていたこともあり、福岡は気になる街でもあった. そんな福岡に出張に行ってきたのだが、予想通りというか、予想以…

  • 英和翻訳を中国人が行っている

    インドの代理人から日本語の翻訳文が送られてきた. 海外在中の日本人留学生が翻訳をやるという話しは聞いたことがあるし、ある程度、翻訳の経験がある日本人が特許翻訳しているのだろうと思っていたものの、中身をみると中国人が翻訳したことは一目瞭然だった. それでも特許翻訳になっていれば良いのだが、特許翻訳をしたことがないこともすぐにわかるほどのひどい翻訳だった. インド人から見れば、同じ漢字を使う国という程度で翻訳費用が安い中国企業に頼んだことは想像に難くない. こちらが翻訳にタッチしないとはいえ、OAで苦労するのはこちらなので、翻訳の問題を正直にぶつけてみた. その後、改めて翻訳費用の交渉を行ったもの…

  • Faxからメールその次はチャットが主流になる

    Googleのメールサーバを利用しているが、最近、セキュリティレベルを上げたらしく、メールが送れないという連絡がきている. Googleサービスは便利なのだが、無料で使える分、仕様が変わったも文句をいう立場にはない. 電話やFAXの時代を知っている身としてはメールはとても便利. とはいえ、そのメールもそろそろ次のツールに代わるときかもしれない. 最近は行政サービスもLINEを使っているそうだが、自分は全く無縁. コミュニケーションツールとしてLINEがデファクトになるなら、そのときは仕方なく使うことになるだろう. internet.watch.impress.co.jp さて、数年前から海外と…

  • 博多にオフィスを作ってみようか

    上海から日本に戻るときにどこを拠点にするかかなり悩んだ. 普通に考えれば東京なのだが、また東京に戻るのか、と思うとどうも気が重かった. 上海から日本を俯瞰すると、東京にこだわる必要はないと思ったことも東京に関心が向かなかった理由の一つ. ではどこにするか. 大阪で1年、名古屋で1年、仕事をしたことがあるが、ここで仕事がしたい、という感じではなかった. 上海の人混みに疲れたこともあり、札幌も考えたが、北海道にすら行ったことがなく、寒さにめっぽう弱いので、これも却下. 実は30歳くらいのときにしばらく福岡で暮らしたことがあった. 初めて関門海峡を渡ったとき、交通標識のトップが英語ではなくハングルだ…

  • 特許業界は世界的にデフレ

    例のごとく昨晩チャットが入った. てっきり出願かと思っていたらOA対応だった. さて特許なら国内代理人のサポートがあるだろうと思い願書をみると、 代理人は弁理士ではなく、アルファベット名の外国人である. どうやら特許管理人のようだ. 外国人の特許管理人が、なぜオンライン出願ができるのだろう. 識別番号も付与されていて、継続的に管理行為をしている. これは非弁ではないのだろうか、と思いながら拒絶理由を俯瞰した. コストが知りたいというので、アワリーチャージで対応したい旨を伝えると、 フィックスで対応できないかという. すべてのクレームに拒絶理由があり明細書不備もあった. どのくらいの難易度かをす…

  • 「ゆっくり茶番劇」問題を外国人に説明できない

    商標問題として炎上している「ゆっくり茶番劇」 外国人に説明しようとしたのだが問題の本質がつかめずにいる. 商標問題と言うが、別に商標法に違反しているわけではない. 皆がいうように、なんとなくヤバいという感覚はあるが、その感覚を外国人が持ち合わせているとは限らない. 法律上の問題点や契約上の問題点があるのかについても検索してみたが、問題点を具体的に指摘しているものは見つからない. 契約上問題があるという指摘を見つけたが、具体的にどの条項に反するのかというレベルではなく、違反するとすればこの条項だろうというレベルである. 同じ時期に発生した誤送金問題は、逮捕されるに至っており、逮捕理由は、電子計算…

  • 弁理士に守秘義務が課されている理由を「ゆっくり茶番劇」事件から考えてみる

    「ゆっくり茶番劇」事件で、弁理士として気になるのは、出願代理人弁理士が出した声明の内容. news.yahoo.co.jp 世間を騒がせるような事件に対して弁護士が声明を出すことは珍しくない. 一方、トラブルの当事者代理人になることが少ないこともあって、弁理士が声明を出すというのは極めて珍しい. ちょうど同じ時期に給付金の不返還について弁護士が声明を出している. www.47news.jp 商標出願代理人弁理士の声明と比較して何が違うのかと言えば、弁護士の声明は依頼者側の代弁をしているのに対して、弁理士の声明は、果たして依頼者側に立っているのか?ということである. 今回の弁理士の声明に対して世…

  • 好きな仕事と食える仕事

    世の中には、自分の好きなもので食えてる人ばかりじゃない。むしろ、好きでもないし、向いているとも思えない仕事を長い間、愚直に続けた結果、プロフェッショナルになる人の方が多いんじゃないかな。 メディコ・ペンナ 万年筆よろず相談 作者:蓮見恭子 ポプラ社 Amazon 実は、この言葉に接するのは二度目. 弁理士になる前、好きなことを職にすることになんの疑いも持っていなかった自分を嗜めるために. 知財の世界は、この仕事を好きな人が多いと思う. 尤もいやいややっつけ仕事で務まるような仕事でもない. 多くの人が自分の意に反した職業に就いている、というのは自分では確かめようがない. あのときの説法に従って弁…

  • 中国人が和訳した翻訳が送られてきた

    特許明細書の翻訳の見積の依頼があった. この世界、事務所に翻訳を依頼したら、翻訳会社に比べて高いのは当たり前なので断られることは想定済み. 翻訳の怖さという感覚を持っているのは弁理士だけだろうから、翻訳ミスの責任から開放される方がありがたい. 断られたあとに一抹の不安がよぎったのは、どこに翻訳を依頼したのかということ. 日本語ができる、という程度で特許翻訳はできないのだが、そんな事情に精通しているとは思えないのが今回の現地エージェント. 出来上がった翻訳は特許翻訳とは言えないような代物だった. ただし、原文レベルでも特許明細書にしては雑な文章だし、フェイスフルの翻訳を作成するのだから、パリ優先…

  • インドからの依頼が中国を超えた

    昨晩、チャットでインド代理人からの依頼が入った. 移行期限間際で今朝手続きを完了させた. ここの代理人は去年から取引が始まり、今年になって立て続けに依頼を頂いている. ほとんどの案件は現地の法律事務所や特許事務所からの依頼になるのだが、これまでのコレポンからコンサルティング会社だろうということが想像できる. 法律事務所等からのコレポンと違ってメールの署名が不十分だったりと若干リーガルな部分が気になる. しかし、こここのエージェントは先払いなのが嬉しい. 未払い金の管理は精神的にも悪く、何度リマインダーを送っても返事がないところもあるエージェントに比べれば、多少のイレギュラーなコレポンは帳消しに…

  • 老洋机とお別れ

    上海から静岡に戻ってきたときに買った事務机. 和洋折衷の雰囲気が気に入って神戸から取り寄せたもの. なんでも神戸の洋館の蔵出しだとか. 上海フランス租界エリアには雰囲気のよい喫茶店があり、こんな感じのテーブルでノマドワークをするのが好きだった. この机、一度、設置したら微塵も動かないような重量と、かなりの床面積を専有してしまう. このまま使い続けたいのだが、ここは思い切って断捨離することにした. 机を搬出するときに転がり落ちたコイン. 見ると昭和42年製造の100円玉だった. 粗大ごみにならず、次の主が見つかってよかった.

  • インド代理人から深夜のチャット

    23時、そろそろ寝ようかと思ったときチャットにメッセージが入った. こんな時間にメールではなくチャットを送ってくるからには何かトラブルがあったのだろうか. 恐る恐るチャットを見てみると、明日中に出願して欲しいという内容が目に入った. WIPOで書誌情報を確認してみると、明日が移行期限の案件. 外内案件は至急がつきものだが、期限一日前の依頼というのはそうなにあるものではない. 今日は午後からのアポイントだけなのが幸い. 先程、書類のセットが終わった. 寝る前のビジネスチャットというのは今回に限らないのだが、これをやってしまうと頭が完全に仕事モードになってしまい、寝ることができなくなってしまう. …

  • Made in上海の万年筆

    中華製の万年筆の評判がいいので買ってみた. 有名ブランドから製造委託された中国の工場が、技術力を身につけて、自社ブランドとして、低価格高品質の製品を自社ブランドとして市場に出すという流れは万年筆の世界でも例外ではないらしい. 海外向けに製造していただけあって、日本メーカが作らないようなデザインが安く手に入るのはありがたい. 皆が口を揃えてすすめるFニブがどんな書き心地なのか知りたくて買ってはみたが、まずインクが出ない. 詰まっているというわけではないが、書き始めのインクフローが悪く掠れてしまう. ペン先のスリットが狭いから、インクが落ちてくるまでに時間がかかるというのは想像できるのだけど、ペリ…

  • 三度目の万年筆に挑戦

    三度目の万年筆に挑戦しているところである. 一度目は、弁理士論文試験で使うためのもの. 二度目は、外国代理人のレターにサインするときに使うもの. 当時、論文試験に万年筆を使う受験生が少なくなかった. 理由は、字が綺麗に見えることだったと思う. 使う万年筆も安物ではなく、ほぼペリカンのスーベレーン一択だった. ペリカンのスーベレーンは当時でも5万円程度はしており、万年筆の初心者が受験界の都市伝説を信じて、おいそれと買えるような代物ではなかった. それでも1万円程度の万年筆を買って試したみたものの、元来、字が汚い自分が使ったところで汚い字に濃淡が加わり余計にひどく見えたものだった. 結局、長時間書…

  • 事務所のカスペルスキー

    数日前から更新期限のポップアップが忙しなく表示されるカスペルスキー. 何事もなければ更新を躊躇う理由はないのだが、今回はカスペルスキーの出自を知ってしまった以上、更新するという選択肢は難しい. これまでウイルスソフトがどこの国のものかを調べたことはなく、カスペルスキーがロシア製ということも今回の事件で初めて知った. nordot.app いままで考えたことはないが、ウイルスソフトがどれほど効果があるのかという検証は難しい. バックグランドで情報を放出していてもわからないだろう. ウイルスソフトの必要性については、マシン自体がウイルス対策をするようになってから、低くなっている. 個人が反旗を翻す…

  • ラマダンは期限徒過の理由になるのだろうか

    昨日、インドの代理人に送ったリマインダに対する返事を読んで口元が緩んでしまった. 回答が遅れてしまい申し訳ない クライアントがラマダン中で連絡を取ることができない とりあえず手続きを進めてくれ というのがメールの内容だった. 遅れた理由をあえて書いてくるところに担当者の人柄のようなものを感じる. 他の代理人の前回の期限徒過に対する理由はコロナウイルスだったのだが、 これは特許庁も認めている正当な理由. コロナ、と書けば、特にそれを立証する証拠の提出までは求めていない. ラマダンはどう扱われるのか気になる. もし証拠を出すとすれば、 該当期間がラマダン中であることを示さなければならないだろう. …

  • 署名用のボールペンを新調

    特許庁へ提出する委任状は押印不要になり、押印文化がない外国企業からもらう委任状にも署名が不要になった. ところが日々の生活では至るところで署名を求められる. 署名を要求されれば従うしかないのだが、問題はそのときに使うペン. 消毒済みペンを用意しているところもあるのが、ほとんどが使いまわし. 平常時なら気にしないことでも、消毒の習慣が数年も続くと、使いまわしのペンを使うの躊躇う. 普段、外国代理人に送るレターの署名には万年筆を使うが、外出時の簡易な署名には少し大袈裟. オフィスを見回したが適当なボールペンがないことに気がつく. ペンで何かを書くという作業がないに等しく、アイデア出しに使う落書きレ…

  • デザイン買いしたペンケース

    ペンケースを買い替えてみた. いま使っているモノが壊れたわけではなく、ただ単にデザインに惚れたというのが理由. ペンケースという機能を満たすための形状はほぼ決め打ちされているから、結果としてどれも同じようなデザインにならざるを得ない. 開口部をファスナーで封じるボックス型が一般的. これはこれでいいのだが、ファスナーという道具を使わないロール型のペンケースが好きということもあり、今回買ったものもロール型. ロール型のペンケースと言えば、内部のポケットにペンを収容するタイプが典型的な構造. ボックス型のように収容部をきっちりと区画し難いでから、巻いたときにペンが落ちないようにポケットにペンを収容…

  • 真夜中のSOS

    インドの代理人からメッセージが入った. 出願却下の通知をしたあと、なぜか執拗に回復できないかという連絡が入るようになった案件. 審査官とも対応策を相談し、回復させる手段はないと伝えて納得したと思っていたが、昨日はついにhelp meというビジネスでは使わないような悲壮なメッセージが送られてきた. 出願却下はいくつもの段階を経た最終処分であって、却下の前にも弁明書提出の機会が与えられている. 通知が送られてくる度に現地に報告をしていたものの全く応答がなく、今回の最終処分に至ったというのが経緯である. アクションを起こすことができる時期はいくつもあったのに、それらの救済機会を全て無視し、最終処分が…

  • 売掛けが蓄積されていく

    外国案件を受けるのは嬉しいが、支払われるまでに費やす労力が大きい. いま抱えている最長の未払い金は4ヶ月. 支払いサイトを1ヶ月に指定していても、期限内に払ってくれる代理人は半分程度だろうか. リマインダーでしようやく対応してくれる代理人や、それでも無視し続ける代理人. 回収できなかったときのことを考えると胃が痛い. 特許事務所の場合、特許印紙の立替金があるので、回収できないと仕事をしたにもかかわらず損をすることになる. 今日、事業復活支援金が振り込まれていた. 申請してから一週間という早さは想像以上. 税務署の還付より早いとは思わなかった. 申請手続きは前回に比べて複雑になった気もするが、 …

  • 功名の木登り

    バイデン大統領が演説の終わりに口を滑らせたことが問題になっている. news.yahoo.co.jp こんな立派な人でも気が緩むことがあるのだから自分のような凡人が口を滑らせるのも当然なのだが... 失敗その1 上海で働き始めたばかりの頃、知り合いの中国人弁護士から講演の依頼があった. 一週間前というタイミングだったことからすると、誰かのキャンセルでその代役だったのだろう. 演目は任せると言われ、法務関係なら何でもいいということだった. 参加する人の素性を聞いてみると、上海で法務関係の仕事をしている日本人. それだけを聞いて当日の講演を行った. 専門家でなくても聞きやすい著作権について話すこと…

  • タイピングフィーを知らない世代

    取引先の中国代理人からチャットが入った. 日本のプラクティスで疑問があったときに質問をいただく. 今回の質問は「タイピングフィー」だ. 新規取引先の日本の事務所からタイピングフィーをチャージされたらしく、 「タイピングフィー」とは一体何か?という質問だった. チャットの相手は、タイプライターというツールを知らない世代だ. 自分がこの世界に入ったときは、日本語はワープロを使っていたが、英文はタイプライターを使った時代だった. 当時は英文を入力できるツールといえば、WordPerfectだったような気がする. 特許事務所で一番稼いでいた人と言えばタイプライター. その中でも英文タイプライターと言え…

  • 住所の表記違いで別出願人扱い

    同じ出願人が登録した商標が引用された. なんで出願人が同じなのに4条1項11号なのかと思いながら拒絶理由を見ると、住所表記が違うので同一出願人とは見做さない、となっていた 引用された商標は国際商標だったので、WIPOデータベースで確かめたところ、州の表記が国際商標にはあった. 現地からの指示書を確認したところ、指示書には州の表記がなかった. こちらのミスではないことがわかって一安心. 州の表記がないだけでも別出願人と扱われるのかどうを審査官に確かめてところ、審査便覧には州表記の有無で同一扱いにするとの記載がないと指摘された. なせ食い下がったのかというと、すでに同じ出願人の他の出願が登録査定に…

  • 銀行口座の断捨離

    事務所を立ち上げたタイミングで開設した口座の解約を済ませてきた. 口座開設のときはもちろんメイン口座だったのだが、ご縁がなかったようで、数年前から休眠口座になっていた. 解約手続きを待っている間に、行内の様子を眺めなら、当時のことを思い起こしてみたのだが、何もわからなかった当時の方が今より何倍も楽しかったような気がする. コロナで先行きに暗雲が立ち込めている今と比較しているのだから仕方がないのだが. ニュースによるとドル円レートが120円になって、当時のレートに戻っている. 事務所の運営も為替のように上がったり下がったりを繰り返しながら進んでいくのだろう.

  • コロナで銀行が営業停止の上海

    上海の代理人から送金の連絡があったがしばらくしても送金されない. メールを送ってみたところ、 銀行近くでコロナ感染者が出たから銀行が営業停止してしまい、 送金処理ができない という回答だった. 中国は本当に思い切ったことをする国というのは知っているが、コロナを理由に銀行を営業停止するというのは、日本の感覚ではなかなか理解しづらい. www.sohu.com 上海タワーも封鎖されているという噂を聞くが、銀行という国営企業を封鎖しているからにはかなり深刻な状況なのだろう. 銀行再開の時期は不明とのこと. ロシアといい、中国といい、海外送金を禁止している国がこの2つというのは偶然ではないような気もす…

  • 特許庁から発送した登録証が中国の出願人に届いていないという

    日本特許庁の暫定拒絶に応答してほしいという中国代理人からの依頼があったのが半年前. 費用をかけたくないということだったので、OAだけのワンタイム代理で引き受けることにした. この場合、登録料納付、商標登録証の受け取りは行わず、中国側で対応することになる. 昨日、その代理人から登録証が届いていないというクレームがあった. ステータスをみると一月半前に登録証が発送されていた. 現地代理人に伝えると、特許庁に確認して欲しいという. 特許庁いわく、中国の郵便事情で遅延しているのではないか、という回答. 登録証は普通郵便で出願人に直接発送したということだったが、コロナ禍とはいえ、中国なら一ヶ月もあれば届…

  • 中国の白酒と日本の白酒

    中国から商標出願の依頼をもらった. 簡体字の扱いに苦労はするものの、他の国に比べれば遥かにやりやすい. 指示書のなかに、「白酒」と書かれていたが、そのまま書いたら全く違う商品になってしまう. 日本にも白酒という商品があり、それは中国のそれとは違うこと、中国の白酒は蒸留酒の方がいいのではないかというコメントを返しておいたのだが、最終指示には、依然として白酒と書かれている. 単なるミスなのか、もしかしたらどうしても「白酒」を指定したいのかもしれない. 再びコメントを返したが、もし後者だと「中国の白酒」という記述がいいのかもしれない. 日本から中国へ出願するときも同じ問題が起こっていると思うのだが、…

  • 11年前、上海で日本の3.11を知った

    日本が地震だって. 阿姨から第一報を聞いたとき、珍しくない日本の地震を何でCCTVで大袈裟に放送しているのだろうと思いながら、テレビに目を向けると何かが爆発しているような映像が映っていた. 原発の映像というのはそのときはわからなかった. CCTVは日本が終わったかのような悲愴な映像ばかりを流していた. 2〜3日後に日本に戻る予定だったが、当日までフライトスケジュールははっきりしなかった.フライト当日はダメ元で虹橋空港へ行ってみたが、チェックイン待ち行列がターミナルの外まで続いたいた. ANAのプライオリティーチェックインで1時間ほどの待ちでチェックインできたけど、小さい虹橋の搭乗ゲートはやはり…

  • 日本語ドメインに再び挑戦してみた

    少し前、日本語ドメインが流行った時期があった. SEOに効果があるとかいう理由だったと思うが、実際に使おうとすると、日本語ドメインは使い勝手が悪く、いま使う人はほとんどいない. 実は日本語.comを4年ほど前に取ったことがあった. 田中特許事務所.comというドメインで名刺で使うためだった. 名刺に余計な情報を書きたくなかったので、屋号に.comを加えるだけでウェブサイトの情報を加えることができるこの方法は気に入っていていたものの、当時は、日本語と英語のウェブサイトを同じドメインで運用していたこともあり、ドメイン転送で誤魔化したりもしたが、結局、使わなくなった. いまになって再び日本語ドメイン…

  • ロシアからの特許料支払いがストップ

    ロシアから非友好国の特許権者への支払いをストップすることをロシア政府が決めました. ロシアからドル送金が出来ないのだから、この法令が出ても大勢に影響はありません. それにロシア企業との間のライセンス契約にも、不可抗力条項があるでしょう. www.euractiv.com 契約に政府が干渉してくる国があるのは珍しいことではないとはいえ、紛争中にやるようなことではないでしょう.

  • 知的財産侵害物品差止めの報道発表

    税関から差止め状況の報道発表がありました、という連絡をもらいました. www.mof.go.jp ここ数ヶ月、東京税関をはじめ、複数の税関から差止め申立てを代理した権利者の写真を使用したいという打診を受けていました. 差止めの申立て自体はすでに数年前から行っていたのに今年になってなぜ画像使用の打診が増えたのかというと、それなりの差止め実績と身の回り品でわかりやすいということなのでしょう. ただ各関から問合せがあり、その度に権利者にお伺いを立てることになるため、権利者からすれば毎回、どうして同じようなことを聞くのかと思っているかもしれません. 十数年前は報道発表を作る側にいたのですが、今回の報道…

  • ロシアの国際決済が止まると特許事務所も困る

    ロシアから海外への送金がストップされ、 ロシアへの送金もおそらく遮断されるだろうから、 特許事務所はロシア実務の対応を考えなければなりません. あのBaker Mckenzieもロシアのクライアントとの関係を終了させるようです. www.reuters.com 日本特許庁からロシア案件についてのアナウスはありませんが、 かりにOAが出ても現地からの海外送金が止まっている以上、代理手続きをすすめることには躊躇せざるを得ません. ロシア案件の代理人を辞任したい特許事務所もいると思うのですが、 代理人を辞任したら、その出願について特許庁はどうするのか. ロシアの代理人も大変です. 弊所と取引のあるロ…

  • 登録証は電子交付にして欲しい

    インドの代理人と登録証の扱いについて4週間もバトルが続きました. 事の発端は、インド宛EMSがストップしており、日本から登録証を手配する場合は、クーリエを利用するかパーセルを利用するかという選択になります. 昨今、クーリエの手数料も高騰しているため、パーセルを勧めているのですが、その手数料をどちらが持つのかということでひと悶着. パーセルの手数料は約25ドル. 最初の登録査定を皮切りに最大6件の関連する出願について査定待ちの状態. 最初の一件をこちらが負担したら、残りもこちら持ちになりそうなので、それを見越しての交渉. 紙の登録証を発行し続けていることに大きな問題があります. 電子交付をする国…

  • 特許原簿も万能ではない

    裁判所や税関、警告書を作成するときにも必要な大事な書類が特許原簿. 特許料を納付すれば、それが特許原簿にも反映されるはずなのですが、 特許原簿に反映されない状態が約一年続いています. 事情を知っている当事者はよいのですが、何も知らない第三者は困ります. 特許原簿を確認しても特許料の納付が記載されていないからです. 特許料が本当に納付されていないのかと言えば実は納付されている. ステータスを見ると年金納付書が2回提出されています. その後、却下理由が通知され、10ヶ月近く経って却下処分がされています. これだけを見ても一体何が起こっているのかさっぱりわかりません. 特許庁に確認してみたところ、最…

  • 凄い発明だから特許になるのではない

    特許になった発明に対してどのようなイメージを持っていますか? 凄いから 素晴らしいから 画期的だから 学術的技術的に価値があるから特許になると思いたいところです. 実際はどうかというと、 拒絶する理由がないから特許になる、 これが答えです. 審査官は拒絶理由があるかどうかという視点で出願された発明を眺めています. 面白いかどうか、凄いかどうか、素晴らしいかどうか、 普通の人が小説を読むような感覚で読んでいるわけではありません. 特許公報を眺めていると、なぜこんな発明が特許になるのか、 と思った人もいると思います. 「こんな発明」でも拒絶する理由がなければ特許になるのです. 拒絶理由の代表的はも…

  • 迷惑駐車と特許権侵害の違い

    横浜地裁の敷地内に放置されたクルマの処分が話題になっています。 kuruma-news.jp 私有地にクルマを放置することは他人の財産の侵害に過ぎないから警察は動けない. 特許権や商標権の侵害も他人の財産権の侵害に過ぎない、にも関わらず、こちらは警察が動いてくれます. 私有財産であるにも関わらず警察が動いてくれる知的財産は、権利侵害に対して刑事罰が規定されているからなのですが、これを知った駐車場の所有者は不公平感を抱くと思います. さて裁判所の敷地内に放置されたクルマをどのように処分したのかというと、庁舎管理権に基づいてクルマを撤去したというのが今回の顛末です. 庁舎管理権という聞き慣れない権…

  • 完成品と部品の価格逆転

    部品を積算して完成品の大凡の価格が決まるのだから、 完成品より部品の価格が高いということなどありえないはず. 先日、クルマの買取査定を頼んだら、 10万円という査定額を提示してきたところがありました. それが30年前のクルマと聞けば、そんなの当たり前というかもしれません. すでに純正部品の製造も終了しているこのクルマはマニアの間では人気があり、 故障した場合の部品の入手は容易ではありません. 部品確保のために部品取り用の車両を用意している猛者もいます. 10万円の価値しかない完成品であっても部品の価値はそれ以上. 特許権侵害における損害賠償額の算定基準の一つに侵害品の価格を考慮する方法がありま…

  • 古本の売買は中古車や中古不動産と何が違うのか

    「古本の売り時」という番組がNHKで放映されたらしく、それに対して様々な意見がSNS上に飛び交っているようです。 www.j-cast.com 書籍の中古品売買は著作権に関する問題としてもよく話題になります。 そして、他の中古品と何が違うのか、著作物は特別に守られるべきだ、などという意見が出ます。 結局のところは、古本の売買だからと言って特別に扱われるわけではなく、他の中古品と同じという結論に落ち着きます。 著作権と古本問題をリンクさせると、どうしても話が複雑になってしまうのですが、SNS上のコメントの一つに、すごく純粋な疑問が上がっていました。 気持ちはわかるし作家の応援で新品を買うというの…

  • 意匠の特定の仕方で権利行使のしやすさも変わります

    将来の権利行使を想定しながら、どのような意匠の特定が良いのかについて考えてみます. 意匠では、物品面から意匠を特定します. 物品が非類似なら意匠は非類似となり権利は及びません. 例外として、利用関係が認められれば、非類似物品であっても意匠の権利を及ぼすことができます. とはいえ、利用の立証は容易ではありません. 部品の意匠権で完成品に対して権利を及ぼす場合、部品を装着する場合、必ずといっていいほど、部品の一部が隠れることになります. 意匠は視覚性が求められるので、部品の一部が隠れ、外部から視認できない状態では、利用が認められることは難しい. 特に、意匠の要部に一部が隠れた完成品に対しては、もは…

  • 押印なしの委任状はやり過ぎ

    特許庁に提出する書類の押印廃止は歓迎したいのですが、これに委任状も含まれるとなるととても違和感があります。 出願時に委任状が要らなくなったときもとても驚いたことを覚えていますが、提出する委任状に押印が不要となると、そんなので委任状の機能があるの?と思ってしまいます。 そんないい加減?な委任状でも提出は原本が求められます。 スキャンコピーでは駄目なのですが、これは如何なる理由なのか? 委任状への押印を不要にした理由として、 Q2-4. 委任状の記載事項は、委任者の個人名・代表者名も含めて、全て印字(タイプ印字を含む)でよいことになったということか。 A2-4. 委任状は、委任者と受任者の間の合意…

  • 域外適用で模倣品を差止めるスゴ技

    模倣品の個人輸入を取り締まるための改正案の予想は完全に外れました。 まだ改正法が発表されていないので推測の限りだが、おそらく間接侵害規定を変えることになるだろう。 「〜その商標が商標権者の許諾を受けて付されたものでないことを知りながら輸入する行為」が商標権の侵害とみなす行為として追加されると思う。 この「〜知りながら〜」は、著作権法にも規定された経緯があるので、著作権法を見倣った形で特別に新しい立法方法ではない。 tanakaipr.com 間接侵害に目をつけるだろうから、だとすれば著作権法に倣って「知りながら」の輸入を侵害とみなすだろうというのが当時の目立てでした。 ただ著作権と違って商標法…

  • 模倣品の個人輸入はモノを憎んで人を憎まず

    これまで差止めの対象ではなかった個人輸入についても差止めの対象になってから、いままでは止まらなかった貨物が止まるようになってきています。 今回の法改正が施行されて、本当に「個人輸入」が止まるのかと懐疑的でしたが、実際に自分のところに届く認定手続開始通知書をみると、たしかに止まっています。 差止めの手続きは複雑で、業としての輸入、つまり商業輸入を止めることを前提としています。 商業輸入なので輸入される貨物の数も多かったり、課税価格も高くなるのが普通です。 いままでだったら個人輸入は差止めの対象外だったので、1000円程度の1個や2個の貨物の輸入は、外形上、個人輸入と扱って差止めの対象にならなかっ…

  • 45歳ではなくて50歳定年制にしておけば批判されなかったのかもしれません

    サントリー社長の「45歳定年制」発言が波紋を呼んでいます。 会社に依存しない、という趣旨を表現するために、数字が小さすぎただけでの話で、 ここまで批判されるような内容ではありません。 役職定年を迎えた大先輩が語った一言がありました。 「こんな歳で追い出すなら、もっと早いときに追い出して欲しかった」 当時、20代でしたが、未だに覚えています。 会社は若いときに経験を積むにはとてもよい場所です。 でもそれも30代までで、40を過ぎたら今度は会社に利益を還元する立場に変わらないといけません。 経験を積んで会社に利益を還元できるなら、組織に頼らない人材が作られているはず。 45歳で会社から放り出されて…

  • 地方出身者が地方移住に思うこと

    当時、上海の在外邦人はニューヨークを抜いて断トツの一位だった。駐在さんや企業家の他、さまざまな人たちが上海で暮らしていたのだが、その中でちょっと気になるのが感傷移住の人たち。 彼等彼女等は、日本での生活を断ち切り、上海に生活の拠点を移したのだが、かくいう自分も、当時は精神的に詰んでいたこともあって、仲間意識を感じていた。 英語圏以外の国で生活することのメリットは、言葉が全く耳に入ってこないこと、それによって完全に自分を外界から遮断させることができる。 もし、英語圏だったら、紛いなりにも最低限の英語教育を受けているので多少の英語耳ができあがっているから、完全に遮断されるという環境にはならない。中…

  • 脱Google脱WordPress

    数ヶ月前のGoogleアップデート以降、個人ブログが検索上位にヒットしなくなりました。 上位を占めるのは大手企業やアフェリエイトサイトばかり。 大手企業のコンテンツは間違いはないけど優等生的で無難なものばかり。 アフェリエイトはメリットばかりを全面に出したバイアスがかかったもの。 個人ブログで発信している素の情報がほしいので、最近はもっぱらnoteコミュニティで検索しています。 Google検索で上位表示されないならワードプレスは必要なし 個人レベルでブログを書いても上位表示され難いということもあってブログを更新する頻度が落ちました。 コンテンツをアップしないならワードプレスを使う意味はありま…

  • 実態を知っているのだろうか今回の法改正

    個人輸入の侵害擬制について、てっきり四法が対象になるのかとおもっていたのだが、なにやら商標のみが法改正の対象になるらしい。 個人輸入も侵害の対象に含めるということを知ったとき、一体、どのように法改正をするのかと期待を込めて帰趨を見守っていたのだが、商標のみが今回の法改正の対象になるらしいと知って改めて驚いた。 個人輸入という抜け穴を封じるということについて誰もが総論賛成だろうが、どのような法改正を実現するのかということについて非常に難しい問題である。 さて、今回、商標法のみが対象となるようだが、輸入実務からして、商標のみを対象にしても簡単に通関できてしまう。 商標侵害品の場合、現在でも、商標タ…

  • 米国ローファームの外注先インドの代理人

    マイナーなトラブルというものはつきものなのだが、今回のトラブルはちょっと経験したことがないので書き留めて置くことにする。 インドの代理人からの手続きの依頼があったのだが、必要な書類をリクエストしても全く的を得ない。 何度かコレポンをしているうちに、インドの代理人に依頼しているのが出願人ではなく、アメリカの弁護士であることがわかった。 こちらから情報をそのままアメリカの代理人に伝えているらしいことはわかったが、そこからの反応が全く的外れ。 トラブルの原因がインド側にあるのか、アメリカ側にあるのか、こちらでは分からないが、インドの代理人からの返信は、トラブル解消のための手続きを進めてくれという内容…

  • EMSラベルの電子化

    これまで手書きだったEMSラベルが電子化されている。 前回の台湾宛EMSはラベル作成ソフトがうまく機能せずに手書きだったが今回は成功。 EMSが嫌だった理由の一つがラベルの手書き。 クーリエだったら住職録から発送先を読み出して印刷するだけにも関わらず、 EMSは手書きだった。 米国以外は今のところ手書きでもOKだが、いずれすべての国で手書きラベルは受け付けなくなるだろう。 このEMSラベルのよいところは、予めラベルデータを作成しておき、郵便局でラベルを印刷できること。 これまでラベルを手書きしていたが、こんな汚い字で現地で読めるのかと不安だったが、これなら安心。

  • アマゾンマーケットプレイスの模倣品対策

    アマゾンのマーケットプレイスが始まってから、中国から商品が送られてくることが増えたなあと思う。 最近のEMSは、中国発送なら一週間もあれば日本に商品が到着することもあって、ますます中国発送に拍車をかけている。 そこで問題なのが、商標権侵害などの模倣品である。 アマゾンを利用する人は、模倣品を積極的に買うというより、知らない間に模倣品を買ってしまっていることが多い。 日本で商標権が登録されて中国では商標権が登録されていない場合を考えてみる。 この場合、日本で商標が付された商品を許諾なく販売すれば商標権侵害になる。 中国で商標を付された商品を販売しても中国国内では侵害にはならない。 同じ商品でも製…

  • 仮想通貨口座を開設してみた

    経済を勉強するには株を始めるのが一番だと、むかし言われたことがある。 バブルのその当時、経済は右肩上がりが常識で、しかも日本は経済優等生。 なので経済にそれほど興味があるというわけではなかった。 バブルが弾け経済問題が深刻になると同時に経済にも興味をもつようになった。 為替が経済に影響を与えるということで為替相場にも興味をもつようになった。 そしてそのとき証券口座とFX口座を開設して実際に運用してみた。 これと同じ感覚で今回は仮想通貨口座を開設してみた。 仮想通貨についてはブロックチェーン技術を使用しているということで技術的に興味はあったが、それだけでは昨今の仮想通貨の動きを理解することはでき…

  • 商標が機能しない日本酒

    日本酒選びが難しいのは同じブランドにも関われず、製造年によって、同じ製造年でも桶によって、同じ桶でも店によって、味が変わってしまうところ。 水、米、空気、そして杜氏によって味が変わるのが日本酒。 商標には品質保証機能というものがあるのだが、それはつまり、このブランドの日本酒を以前に買って美味しかったから、今回もこのブランドの日本酒を買えば、再び美味しい酒が飲めるという期待である。 しかし、この期待は日本酒については見事に裏切られるのである。 前回美味しかったから、今回も美味しいということは、日本酒の世界ではありえないと言ってもいい。 ただしこれには例外がある。 製造工程が管理されているところ、…

  • 技術的に優れているからと言って成功しないのは仮想通貨の世界も同じ

    リブラが頓挫している。 ビットコインのボラティリティリスクを研究してデザインされたリブラという通貨。 ちょっと気になるのが一民間企業であるFBが管理するという人為的な取り決めだが、それ以外は技術的にもビットコインをはるかに凌駕している。 世の中、数え切れないアルトコインが発行されているのに、なぜリブラが発行に至らないのかと言えば、あまりにもできすぎているから。 逆に言えば、現在、発行されている仮想通貨は致命的な欠点があり、既存政府の通貨主権を脅かす存在にはなりえないと見られている証左だろう。 リブラの教訓を生かすとすれば、次に発行される新規仮想通貨は、あえて欠点がある通貨ということになる。 爆…

  • 暗号資産は弁理士と親和性が高い

    ビットコインのバブルが再来している。 これだけ急騰すれば投資先として興味を持つ人が増えるのも当然なのだが、暗号資産と聞いて弁理士が想起するのは暗号資産を支えている技術だろう。 暗号化やブロックチェーンに分散台帳化にスタビリティにフォーク。 これらの要素技術は、暗号資産が登場する前からすでに何らかの形で接している弁理士は多い。 暗号資産で使われている技術も、通信やコンピュータの発明に接していれば、これまで書いてきた特許明細書を思い出しながら、なるほどと理解できるものが多い。 スタビリティやフォークなどはパケット通信や、バイパス演算を思い出す。 スマートコントラクト技術も、ちょうどビジネスモデル発…

  • 海外決済で暗号資産を使う日も近い

    海外送金が年々厳しくなってくる。 ここ一ヶ月ですでに2度も外国からの送金がストップしている。 1回の決済額も1000ドルや2000ドルにもかかわらず、マネーロンダリング対策と称してやたらと行内ルールを厳しくしているようだ。 一昨年だったか、UAEからの送金を受けるときには、なんと個人あての外国送金はできないとまで言われる始末。 法人口座があったから良かったものの、特許事務所のほとんどが個人事業であるのは日本だけではないはず。 銀行経由の海外決済が足かせになるならBTCという手もある。 日本以上に暗号資産決算が盛んな米国とかだったら始めやすいかもしれない。 SquareSpaceに続いて最近では…

  • 利益相反の不動産取引で仲介が成り立つ不思議

    われわれ弁理士のしごとでは当たり前の利益相反という考え。 侵害訴訟で代理するときはもちろん、出願代理するときも、すでに代理している手続きと利益が相反する手続きの受任を制限している。 利益が相反する当事者同士の間で仲介が存在せず、当事者がそれぞれ代理人を選任して手続きを行うのだが、そんな当たり前のことが不動産の取引には当てはまらないのはなぜか。 不動産を売買する場合も賃借する場合も一番の利益相反事項である価格の問題が必ずつきまとう。 家主が高く貸したい、高く売りたいと考えているのに対して、借り主・買い主は安く借りたい、安く買いたいと考えているという利益相反手続きが共通の仲介人により処理されている…

  • 秘密情報の持ち出しが可能な日本

    退職者が社内情報を持ち出す事件の報道をみると、外資企業の退職者に対する扱いを思い出す。 上海にいたときだったか、外資企業に務めていた社員の解雇事情を聞いたことがあるのだが、解雇を言い渡されたあとにできることは身の回りの整理だけになると言っていた。 PCを使うこともできず、もちろんデータベースにアクセスすることもできない。 解雇が当たり前の外資企業ならではの対応だが、この対応が社内情報の漏洩防止に役立っていることは間違えない。 日本企業の場合、即解雇ということは稀で退職を願い出て、その後、数ヶ月に渡って引き継ぎを行うのだが、これが情報漏えいにつながってしまう。 情報が電子化される前であれば、社内…

  • 富士宮白尾山から見る富士山

    見知らぬところへ足へ延ばす目的は、将来の働く場所の下見。 行ったからといって常にいい場所に巡り会えるわけではないが、それでもここはという候補地が何箇所か頭に入っている。 今回は富士宮へ足を延ばしてみた。 富士宮といえば富士山を目の当たりにできる観光地が豊富だが、それは観光地として良いのであって実際に生活するにはやはりそれなりに不便である。 白尾山は存在すら知らず、初めて訪れた場所だったが、ここからの眺望は素晴らしい。 白尾山を降りると新興住宅地が形成されているのだが、高台に位置しているこの付近は、前方に遮るものがない。 静岡は富士山を見ることができるポイントが多いとはいえ、生活地でこのような眺…

  • 優先権の回復という手続き

    優先権を徒過した案件を対応しているのだが、どうも現地の反応が遅いというか鈍い。 優先権回復期間満了まで三週間を残して、ようやく出願指示がきた。 ただ出願指示があっただけで出願書類は未だに用意されていない。 日本の特許事務所の感覚だと、このスローテンポは全く理解できない。 特許事務所にとって期限内に手続きできない、ということはあってはならないことで、いかなる理由であろうが、期限を1日でも過ぎたら救済はない、というのがこれまでのあり方だった。 今回の優先権回復という手続きも、最近になって認められるようになった救済制度のおかげだが、実はこれまで救済手続きを経験したことは一度もない。 そんな手続きを今…

  • 当事者が関与できない海外送金の中継手数料

    しばらく新生銀行を利用して外国送金をしていたのだが、インボイスの数字を必ず着金させることができないことに納得ができなかった。 インボイスの額が、100だったとして、現地に100を着金させるには、中継銀行の手数料を予め加えて送金する必要があるのだが、中継手数料がいい加減なため、実際には100+αを着金させるように融通していたのだった。 あるとき補助金を使った海外出願をしたとき、審査委員から、なぜインボイスの請求額よりも多く送金しているのか?という質問がきた。 このときの印象は、こちらがリベートを送ってキックバックをさせているのではないか、というニュアンスを匂わせるような質問であったため、疑いを払…

  • 紙の登録証は不要ではないか

    今年になってから通関書類の電子化が義務付けられ、手書きのEMS帳票を制限することになった。 手書きを完全に拒否する国はいまのところ米国だが、いずれ多くの国が手書きはNGということになるだろう。 今回、台湾へ発送する登録証があり、さっそく帳票の電子化を試したのだが、これがかなり使い勝手が悪い。 結局、いままで通り手書きで作成したのだが、そもそもなぜ登録証が必要なのかと考えた次第。 登録証の効果は、せいぜい発明者が記載されることによる名誉的な効果にすぎず、登録証の存在を以て権利者であることや、権利が存続していることを証明することはできない。 それらを証明するためには、別途、登録原簿の写しを取得しな…

  • ステーブルコインで決済できる日

    中国の代理人から海外送金が拒絶されたというメールが届いた。 拒絶の理由は、請求書に事務所名に(普通合伙)がない、とのこと。 ここの事務所宛ての請求書は、中国駐在時代からの付き合いということもあって、請求書の名宛を漢字で表記していたのだが、それが仇になった。 名宛を漢字で表記したのは今回が初めてではなく、日本に戻ってからもすでに5年間、同じスタイルの請求書で通用していたので、拒絶の理由も本質的なミスというより、単に海外送金が厳しくなったという国内事情だろう。 中国において、そういうことは日常茶飯事で、日本ならそのような対応があったら目くじらを立てるところだろうが、中国に関わる人は、みな慣れている…

  • どこで書こうか

    しばらくnoteで書いていた、というよりブログ記事をリライトしていただけだが、新鮮さを感じなくなってきた。 noteのコンテンツはかなりレベルが高いので、それなりの内容を書かないといけないという気持ちがある一方、コンテンツの評価が気になるようになってきて、気軽に書くという気分ではなくなってきた。 かと言って何も書かないわけにもいかないので、新しいプラットフォームを探していたところ、substackというサービスを見つけた。 アカウントを作ってみたところ、noteを始める前に使っていたmediumに似ている。 インポート機能があったので、noteの記事をsubstackに引っ越してsubstac…

  • iPhone4S

    ソフトウェアアップデートの対象外になりました。 iPadミニも同じく対象外。 前回のアップデートで4が対象外に陥落したので、4S以降のハードウェアは共通なのかと思っていたのですが。 iPhoneはすでにドライビングカメラとして余生を過ごしているのでいいのですが、iPadミニは現役です。 さすがにキビキビ動くというわけではありませんが、完成度が高いアップル製品はバージョンが旧くても問題なし。 iPadミニの場合、バッテリの容量が多いので経時劣化の影響を受け難いのが助かります。

  • 類似商標があった

    先日出願した商標を何気にチェックしていたら、出願時の調査では見つからなかった先行商標がヒットしました。 見てみると外観類似は確実、称呼も濁点の有無の違いで類似。 やばいと思いながら商品区分を見ると、これも同じ。 万事休すかと思いながら、類似群コードを見てみると不一致。 とても心臓に悪い今朝の一幕でした。

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