岩木山
岩木山神社の鳥居の真後ろに聳えるのは、岩木山である。津軽の人々は、旧暦の8月1日、お山参詣を行った。3日間をかけて、麓の神社から山頂の奥宮で朔日の日の出を拝んだ。太宰治は、『津軽』でこの日の様子を書いている。「毎年陰暦7月28日から8月1日に到る三日間、津軽の霊峰岩木山の山頂奥宮におけるお祭りに参詣する人、数万、参詣の行き帰り踊りながらこの町を通過し、まちは殷賑を極める」白装束に身を包んだ参拝者たちが、登山囃しの響くなか、「サイギ、サイギ、ドッコイサイギ、オヤマニハッダイ、コンゴウドウサ」と大合唱しながら、山道の参道を登った。この合唱の意味は、深田久弥によると「懺悔、懺悔、六根清浄、金剛童子」が訛ったものと解説している。ここで日の出を仰ぎ、山を降りてから麓の街では大酒盛りとなり、町をあげての五穀豊穣を祈る...岩木山
2023/09/30 19:44