今朝の散歩で、草むらでコウロギの鳴き声を聞いた。きのうまで、木の茂みから蝉の声を聞いていたので、その変化のあまりの突然さに驚かされる。あれほど鳴き続けた蝉が、ぴったりと鳴くことを止めた。ものの本に、ある年の虫の初鳴きが記載されていた。スズムシ(7月25日)、キリギリス(7月27日)、コオロギ(8月20日)、カネタタキ(8月23日)、ウマオイ(8月28日)、クツワムシ(8月28日)。この著者によると、スズムシとキリギリスは飼育していたもので野外のものではないと注釈がある。飼育すると、虫の成長も早く野外のものより早く鳴くらしい。室生犀星の『全王朝物語』に「虫の章」という掌篇がある。この物語に登場する姫は、虫を好み、家の裏庭でコウロギを飼っていた。コウロギは用心深くなかな懐かない。だが、小鳥が好むハコベの葉を巣...虫の音