智笑ポエム

★智笑ポエム「DEBATE PRESIDENTIAL」

DEBATE PRESIDENTIAL───/2㍍は超えていつしか毛蕊花/余りある野菜は函に娘に送る/清々と空に零れて雄蕊かな髭出す雌蕊玉蜀黍の/デッキブラシ…

2024/06/30 15:00

★智笑ポエム「緑雨降る」

緑雨降る、おまへに緑雨は葡萄の蔓伝いに手と腕を棚下に上げるたびに袖口に滴り、腕を伝い皮膚に生温かく眼の網膜に雨滴が滴り膜を結び雨の日は心底仕方がない執拗な雨音…

2024/06/29 09:30

★智笑ポエム「花殻摘み/紫陽花の葬送」

花殻摘み/紫陽花の葬送怱々と送らねばならないだらうもう息絶え絶えのものたちに生命の瀬戸際にあって正直最後の静かな音なひに瞑目する鉱物と生物の交じり具合とか星空…

2024/06/28 10:39

★智笑ポエム「梅雨の間や」

カネチョロ(蜥蜴)。植田整ひし。有線───尋ね人(90歳)保護されて。南瓜にうどん粉病。/ドクダミに腹あたゝめる蜥蜴かな/警策を打ったる人に青葉木菟/紫陽花は…

2024/06/27 13:11

★智笑ポエム「素数蝉の年なんだって」

構成主義の時代───1915ピカソ「Hombre con una pipa. 」1915ナジェージダ・ウダリツォーワ「青い水差し」ロシアの画家ウダリツォーワ（…

2024/06/26 09:59

★智笑ポエム「山への憶ひ出」

ものの世にはたいてい父と母がゐて山のあなたに山のあなたにいったいどんなお姿なのだらう 遠い山の際に村落が在って陽に当たって明るんでいるどんなところにもとーさん…

2024/06/25 10:45

★智笑ポエム「ダンゴムシは平和主義者なんだ」

ダンゴムシは微妙だと思ふダンゴムシは嘘をつかないばかりか丸まる数へ切れない脚をお腹に抱えて毎朝ここの水場にやって来る 掌に転がすたちまち丸まる呼びかけてもずっ…

2024/06/24 09:14

★智笑ポエム「急ぎ帰れ湯沢から南アルプス市へ」

急ぎ帰れ。湯沢からば様待つ山梨南アルプス市へ。/アイドル(神、仏)がゐるわけでなし麦の秋/夏蕨妻にはそこが解放区/夏蕨妻呼ぶ方に行きしかど/蕗っ葉採り指黝(く…

2024/06/22 11:17

★智笑ポエム「父の日」

全国的に「父の日」でして───/濃(こ)紫陽花真直ぐ前を向く男/おはやうと鳥語を解す人ならむ/片陰や訪問入浴八軒目/不思議風藤棚の下莢緑/土饅頭小鳥の冢(つか…

2024/06/18 06:41

★智笑ポエム「同調」

花が咲いて議会制民主主義への反発だったんだほんたうに知らない多くの花が咲いて同じくらい道の反対側を歩く人が大勢いた1999「LITANY」インディペンデントな…

2024/06/16 09:16

★智笑ポエム「TVで『ルート66』ことなどを」

TVで『ルート66』ことなどを。/枇杷熟るゝ隣りの人も齢をとる/太ももに熱き疲れやカミキリムシ/ヨシキリの鳴き已むことも新興地/卵獲られるギョギョシギョギョシ…

2024/06/15 11:00

★智笑ポエム「一ト日昔の風が吹いて」

一ト日昔の風が吹いて───花のお便り、雲のお便りさうかうしているうちに世の中はいつもの通り始まって仕舞ふとっても従いていけやしないそれどころかややもすればおい…

2024/06/14 10:29

★智笑ポエム「畑の祝祭ジャガイモ掘り」

畑の祝祭じゃがいも掘り。GAZA…200対4の非対称。娘は入笠山へ。/新じゃが掘り畑は二人の祝祭日/地の林檎ジャガイモのこと云ひ置きて/飽きもせで新じゃが喰ひ…

2024/06/12 09:19

★智笑ポエム「木の実を齧る」

このまま昼間がすっ飛ばされて夜になったら困るな眠りに就けば昼間がいろんな事情で忘れられる昼間は朝や夜と同じやうに大事だと云ふのにジャンケンポンをしてゐる隙間に…

2024/06/12 09:05

★智笑ポエム「村では賢治さんのことなんかも」

風がひゅうと鳴って可笑しいななにか知らせかな畑の土の上になにか絵文字を描いてゆく 郵便配達夫だったらいいのに今朝は新聞配達夫だ広告収入だね風がひゅつと哭いてや…

2024/06/11 10:27

★智笑ポエム「麦の秋」

管理機掛けまわし。さつま芋の畝に追肥と畝寄せ。さすがとーちゃんも午後の爆睡です。/火鋏で里芋の葉大毛虫大発生。やれやれ。/なにやらに兆し菖蒲のむらさきに/サザ…

2024/06/09 17:11

★智笑ポエム「かってプールサイドで」

パステルが顔の裡に漂い泛ぶ翠の女そうそう、風の類だヴェランダから不意に入って来て後ろに抜けるなんと云ふここちよさだらう朝から、だなんて1985Victoria…

2024/06/06 09:24

★智笑ポエム「分け入っても、分け入っても」

学生(がくしょう)のころは将に青々し師父は野に在って山に、畑になおいそがしい山に在れば木の幹の色合いに畑に在れば土塊を手に山に向き合ふ木の幹の間を奔るものがゐ…

2024/06/04 08:31

★智笑ポエム「庭のデッサン」

思索する時、と云ふものがある時が思索するたとへば思索する蜘蛛の絲風が織り上げるあぢさゐについて云へば色変化が天から降りて来るしずしずとずいぶん細やかなとてもし…

2024/06/02 09:00