久しぶりに読む『無言館を訪ねて』
先日、ある局の24時間テレビ番組の中で「無言館」をテーマにしたドラマがあった。長野県上田市郊外の丘にひっそりたたずむこの建て物は、戦没画学生の絵を展示している美術館である。2・3度目の数年前に訪れた際に入館者の減少を聞いていた。コロナ禍でさらに心配していただけに、存在が知られることは大変良いことだ。お盆帰省の際に立ち寄るので、いつも夏。小さな駐車場に車を停め、坂道を登っていくときに迎えられる蝉の大合唱。たどる道の正面、「無言館」のドアを開けて中に入った途端、静寂の世界に変わる。照明を殆ど落としたコンクリートの壁に浮かび上がる多数の絵。そのひとつひとが無言のまま、並ぶ。添えられている説明に綴られているのは、どのような思いでこの絵を描いたのか、遺された家族・恋人らの思い。涙が滲んで、とても最後まで字を追うこと...久しぶりに読む『無言館を訪ねて』
2022/08/30 10:58