他者という天国と地獄
人間は徹頭徹尾、社会的存在である。そうでなければ、そもそも論として言語というものが生まれない。生存戦略として群れを作る動物はいるが、社会は作らない。そして進化心理学の知見から、人の社会性は150人程度のコミュニティに最適化して発達してきたとされている。血族以外の他者とも関係を築かなければ生命を保てない。特に近代以前はそうだ。実は現代だって孤立して生きていけるような気がしても、実は他者が社会を支え合っていなければ、一日だって生きていくのは困難だ。社会がある以上、ヒエラルキーが必然的に生まれてしまい、あらゆる面で差異化は避けられない。ヒエラルキー上部の人間は良いけれども、下部の人間だって生きていか…
2022/10/31 12:14