〇補欠選挙自民全敗茂木とぼける〈長崎・島根・東京〉〇植田〈日銀総裁〉岸田〈総理大臣〉の泥田コンビに穂波ナシ〈理想とする経済成長は無理〉〇無理やりの指数かさ上げ国ガタピシ〈消費者物価指数の伸び続かずデフレ回帰〉〇5月から電気・ガス補助消え大幅値上げ〈おまけに暑い夏予報=気象庁〉〇解散の芽を摘み取られ打つ手なし〈内閣総辞職もの〉俳句川柳5『自民にお灸』
斬新な切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設17年目に入りました。
自然と共生しながら、生きてきました。 ここでは4,000字(原稿用紙10枚)程度の短い作品を発表します。 <超短編シリーズ>として、発表中のものもありますが、むかし詩を書いていたこともあり、コトバに対する思い入れは人一倍つよいとおもいます。
それぞれの退場休暇が終われば出勤してくる人間に、課長はなぜ電話をかけてきたのだろう。吉村は、熊本から帰ってきたばかりの疲れた頭で考えていた。(契約のことで、また不備でも探し出したのか)それとも、辞めさせることができなかったので他局へ放り出す算段でもしているのか。蒲団にくるまっても真意が分からないために苛立ちを感じていた。となりの部屋では、久美と乳児が休んでいる。何時間置きかに授乳させる久美とは、寝床を別にすることで互いの睡眠を確保する方法をとった。眠れないまま転々としていると、苛立ちの原因がもう一つあることに気付いた。どんな用件があったにせよ、家庭にまで電話をしてきたことへの不満だった。久美から報告を受けたとき、ほんとうは家の中まで押し入られたような嫌悪を覚えたことを、いまになってはっきりと思い出していた...思い出の連載小説『吉村くんの出来事』(21)最終回
密息その日仕事から戻ると、課長から局長室へ出頭するよう申し渡された。「すぐにですか」と問い返すと、事務処理を済ませてからでいいと歯切れの悪い言葉が付け加えられた。何事だろう。頭が高速回転をしている。集金カードの集計が覚束なくなるほど気になった。(こんなときこそ密息だ・・・・)いつか雑誌で読んだ気功の記事が頭に浮かんだ。もともとは高僧が修行のなかで会得した呼吸法らしいのだが、武術や芸術の世界でも、奥義を極めたような人はこの息遣いの秘密に気付いていたようなのだ。吉村などにできるワザではないが、たまたま試みた手かざしで熱とも圧力とも解らない<気>を掌が感知したことがあるので、密息なるものも習得できそうな気持ちになっていたのだった。金銭授受が終了すると、待ち構えていたように課長が近付いてきた。「あとは、後でいい」...思い出の連載小説『吉村くんの出来事』(20)次が最終回
〇世耕さんそれはセコイよしっぽ切り(会計責任者に罪を押し付けて恥じない人=橋下徹が怒っていました)〇平然と萩生田もシラなすりつけ(安倍派幹部はドイツもバウムクーヘン=生地のグルグル巻き}〇翔平は犬(デコピン)まで稼ぐポチ見習え(広告業界あたふた)〇ウクライナ主役奪われ資金切れ(ハマス・イスラエル紛争の勘にアメリカの支援細る)〇伊藤美誠代表漏れかつるべ落とし(パリ五輪卓球女子シングルス代表枠2名に入れず)川柳復活12『じじいの時事ばなし』
流砂のごとく急いで事務室に戻ると、内務の総務主任が慌てたように立ち上がった。返還しておいた集金カードをめぐって何かの動きがあったらしい。「吉村さん、遅いですよ」「おお、こっちだって気になってるさ。だけど課長が放してくれないんで仕方がないんスよ」言いながら壁の掛時計に目をやると、二時五十五分を指していた。吉村は思わずヒェ―ッと奇声を上げた。いままさに客の要請してきたタイムリミットを目前にしているではないか。「少し前にポケベルで代理を呼んで持っていってもらいましたけど、すごい剣幕で怒ってましたよ」「えっ、どっちが?」「外務代理ですよ」「へえ、仕事だからね・・・・」契約募集の途中で急遽呼び戻された課長代理の仏頂面が目に浮かんだ。いくら文句をいっても、緊急事態が起これば遊軍としてなんでも処理しなければならないのが...思い出の連載小説『吉村くんの出来事』(19〉
視線のゆくえ夏の日差しが顕著となった休みの一日、吉村は久美と連れ立って近くの水天宮にお参りにいった。ふたりの住むマンションからはゆっくり歩いても二十分ほどの距離だから、その程度の運動はむしろ久美にとって望ましいものだった。梅雨明け宣言のあと、ぐずついた天候が戻ってきて気象庁が慌てる一幕もあったが、この日は朝から夏到来に太鼓判を押してもいい気温の上昇が見られて、部屋の中にはいられない気分になっていたのだ。「暑いけど大丈夫かな」「わたしのこと?」「そうだよ」「日傘を差しているんだし、むしろ気持ちがいいわよ。ねえ・・・・」そろそろ目立つようになった腹部に手を置いて、育ち始めた命に語りかけるような仕種をした。水天宮はいかにも都会の神社というたたずまいで、コンクリートで固めた竜宮城のようにせり上がった場所にある。目...思い出の連載小説『吉村くんの出来事』(18〉
新世界より腰を痛めて集配課から貯金課に移った間宮が、久しぶりに演奏会のチケットを送ってきた。今回のプログラムには、ドボルザークの『新世界より』が入っていた。他の楽曲も含めて三つのパートで構成されていた。アマチュア・バイオリニストの彼は、休日や勤務終了後の時間を使って練習に励んでいるらしく、郵便局の同僚とはあまり交流する時間がないようであった。酒は嫌いではないので、仕事帰りに気の合った仲間と居酒屋に寄ったりすることもあるらしいが、趣味の違いが大きすぎてとことん付き合うところまではいかないようであった。むかし一緒に草津へ旅行したときは、年上の八田とウマの合うところを見せていたが、今はどうしているのだろう。同じ局舎の中とはいえ間宮が貯金課へ転属してしまってからは、以前のような付き合いはできないだろうとおもった。...思い出の連載小説『吉村くんの出来事』(17〉
天草薫風吉村と久美の新家庭がスタートして半年、こんどは八代の兄が嫁取りを考え出したとの連絡が母からの手紙に記されていた。相手は地元のスナックで働く二十八歳の女性とのことだった。兄が米屋の会合の流れで立ち寄った際、カウンターの奥でママを手伝う控え目な女の様子に心を引かれたらしい。「本人がいうには天草生まれの家庭的なオナゴで、浮いた話など何もないんじゃと。ばってん、よかオナゴがこれまで嫁の話がなかちゅうんはどうしたわけじゃろと、かえって身分ば心配しとんのよ」その相談のためによこした手紙のようであった。しかし吉村にも相手のことはわからないし、かといって母の危惧も理解できないではなかったので、ありきたりのことを書き送るしかなかった。兄は、弟の洋三が完全に実家を離れ東京に所帯を持ったことで、長年わだかまっていた心が...思い出の連載小説『吉村くんの出来事』(16)
カウベルの響く町唐崎の後について会社訪問を繰り返す中で、中堅の旅行代理店との商談が有望になりつつあった。そうした進行の途中、経理畑の役員との懇談の際、近ごろの若者の旅行事情が話題になったことがあった。「まあ、短期のレジャーではハワイ、グアム、韓国、台湾といった近場が主流ですが、このごろは新婚旅行も含めてタヒチ、モルディブ、バリ島あたりが人気になってますねえ」「いやいや、豪勢ですなあ」唐崎がうなずいてみせた。「・・・・それじゃあ、御社はますます儲かる一方ですな。うらやましい限りですわ」「まあ、しかし経費のほうもかさみますから・・・・」会社契約の有利さに興味を示しながらも、あと一歩の踏み出しができないでいた。そんな役員に、何か決断させる決め手はないかと策を練る唐崎の表情を見ながら、吉村は自分の新婚旅行のことを...思い出の連載小説『吉村くんの出来事』(15)
〇「おい、近ごろ空耳を聞くことが多くなってな」「ご隠居、空耳って空が何か言うんですか」〇「ゴリアルタイケンとかいうんだが何のことかわかるか」「わかりませんよ、ひょっとしてラーメンでも食べたくなったんですか」〇「能登はいらんかね・・はどうだ?」「それは多分、坂本冬美の『能登はいらかいね』の覚え違いじゃないですか」〇「気になってしょうがないんだが意味わかるか」「さあ、あとで歌詞を調べてみますよ」〇「このままじゃ夜も眠れない、早く調べて教えてくれ」「ハイ、ハイ、のと、のと、のと・・」紙上『大喜利』(44)
かわたれどき十二月半ばに転勤の辞令が出た。翌日から皇居をはさんで反対側の郵便局へ出勤することになった。通勤時間は以前より短くなった。職種が変わった際の規定に従い、二週間ほど局内での職場研修が行なわれることになった。課長が講師になって、保険業務の基礎的な知識を教えられた。その間に、送別会と歓迎会が相次いで催された。片や居酒屋チェーン店、他方も寿司屋の二階と似たり寄ったりの会場だったが、拍手で迎えられた保険課の二次会で、初めてクラブというものに付き合わされた。その日がちょうどクリスマスイブに当たっていたからだろうか、店内は混みあっていた。吉村は経験したことのない嬌声を聞いて、落ち着かない表情であたりを見回した。職場環境が変わったことを、実感した瞬間だった。そうした喧騒のなか奥まったテーブル席の一郭で、保険課の...思い出の連載小説『吉村くんの出来事』(14)
瓢箪から駒秋の将棋大会で保険課の蜂谷を破ったことが、吉村の予想もしない評判を呼んでいた。同じ屋根の下に居ながら、自分の所属する課以外の職員に妙な対抗意識を持っている者が少なくないことを、つくづく感じさせられる顛末でもあった。「あいつ今年も優勝できると思ってそっくり返っていたけど、おまえに負けてへこんでたぞ」吉村を讃えるというより、蜂谷をくさすことに熱中しているのだ。蜂谷が背を反らすのは、単なる癖かもしれないし、もしかしたら腰が悪いための姿勢ではないかと考えられる。どちらにしても人を見下すような仕種には見えないと、吉村は仲間の言に戸惑いを覚えていた。そして、一部の人間とはいえ集配課に漂う卑屈な空気を、あらためて思い知らされるのだった。「将棋が強いからって威張る人は、あんまり居ないっスよ。大体勝負なんて、どっ...思い出の連載小説『吉村くんの出来事』(13)
指運郵便局の公社化を睨んで、集配課への締め付けも更に厳しくなってきていた。民間企業を見学した足での業務研修や、デパート地下売り場での体験実習など、組織の活性化とサービス向上を念頭においてのスケジュールが頻繁に組まれるようになってきた。流行の自己啓発セミナーにも中堅の職員を参加させ、さらには郵政局のホールに講師を招いて主任クラスの意識改革を図ったりした。局内では班の編成を再構築する試みも勧められていた。人員削減が現実のものとなって、班員一人ひとりの受け持つ作業量を増やすことで定数減に対応する方針が示された。吉村はいままでの伸びやかな環境が、しだいに失われていく状況を肌で感じ取っていた。九州の地から東京へ、下へも置かぬ扱いで迎えられた日のことが懐かしく思い出される。わずか十年で、磐石に見えた組織がほころび始め...思い出の連載小説『吉村くんの出来事』(12)
不知火の町一度はお母さまに会っておきたいという久美の希望で、五月の連休を利用して八代に帰郷することになった。東京駅を朝の九時前に出て、八代に着いたのは午後五時近かった。新幹線と特急で熊本へ。在来線に乗り換えて八代まで、ほぼ八時間をかけての長旅は、慣れているはずの吉村の方が音を上げそうになった。「久美さん、疲れなかった?」「岡山から先は来たことがないから、楽しかったわよ」新大阪を出てから買った車内販売の弁当を、二人であれこれ批評しながら食べたのも楽しかったと吉村を見上げた。この日の久美は、萌黄色のワンピースに白いリングのベルトでアクセントをつけていた。オレンジ系のニットのボレロが若々しい印象を与えている。この日のために新調した気配が、足先まで漲っていた。「おふくろは迎えに来たいと言ったんだけど、到着時刻がは...思い出の連載小説『吉村くんの出来事』(11〉
年賀状狂想曲富士山に初冠雪があったとのニュースが、朝のテレビ画面に流れていた。平年より一週間ほど早かったとのことで、吉村の住む高円寺のアパートでも、明け方の寒さは冬近しを思わせるものだった。一昨年までなら、ウールのシャツ一枚でせんべい布団に横たわり、冬山に備える訓練を課していた時期だが、去年は久美の祖母の他界、自分のバイク事故と続き、今年は早川の滑落死が追い討ちをかけるなど、身辺に暗雲が漂った感じであまり前向きの気持ちになれないでいた。振り返れば、早川が笑顔を残して逝ってから四ヶ月が経つ。岳沢へ下る途中で見た焼岳が、なぜか早川の笑顔と重なって想い出されるのだった。遭難現場から戻ったあと、結局早川の遺体を確認することなく東京に戻った。あのとき松本から松代病院に向かうには、時間も気力も残っていなかった。奥穂高...思い出の連載小説『吉村くんの出来事』(10)
滑落七月の第二月曜日、早川が無断欠勤したというので、集配課はみな大慌てしていた。班長は欠員となった配達区の穴埋めに、自ら郵便物の区分を始めていた。その間、課長は早川の自宅に電話を入れて状況把握に努めていた。しばらく呼び出し音が続いた後、やっと電話口に出たのは早川の母親らしかった。それは課長席から聞こえてくる会話のやり取りから推察できた。「えっ、息子さん家に居ないんですか」課長の不満そうな声があたりに響く。「・・・・ええ、金曜日の夜に自宅を出て行ったきり、まだ帰っていないんですか」今度は不安げなトーンに変わっていた。一体どう解釈したらいいのか、課長が思いあぐねて助けを求めるように周囲の者を見回した。「はい、はい、愛用のオートバイで出かけたのですか。お母さんにも行き先を言ってなかったんですね。・・・・そうです...思い出の連載小説『吉村くんの出来事』(9)
(ウェブ提供画像)より〇「おい、今年は甲辰(キノエタツ)だそうだが東京地検特捜部のように見えてこないか」「ご隠居、たしかに雲中に炎を吐く勢いはいかにも今年もやるぞと宣言してるみたいですね〇「むかしリクルート事件というのがあって自民党の派閥領袖クラスが軒並み摘発されたんだがその中に安倍慎太郎の名前も登場しているんだ」「へえ、そのころからですか」〇「江副浩正という人物からリクルートの未公開株が渡されていたんだがこの時の大騒動で政治家は襟を正したはずなんだが・・」「今度はパーテイ券売り上げのキックバックですか」〇「あの時は野党や有力省庁のトップまで摘発されたから政治とカネの問題は繰り返して起こっている」「ご隠居、リクルート事件は1998年のできごとですね、干支で言えばほぼ二巡りですね」〇「安倍派6人衆をはじめ全...紙上『大喜利』(12〉
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〇補欠選挙自民全敗茂木とぼける〈長崎・島根・東京〉〇植田〈日銀総裁〉岸田〈総理大臣〉の泥田コンビに穂波ナシ〈理想とする経済成長は無理〉〇無理やりの指数かさ上げ国ガタピシ〈消費者物価指数の伸び続かずデフレ回帰〉〇5月から電気・ガス補助消え大幅値上げ〈おまけに暑い夏予報=気象庁〉〇解散の芽を摘み取られ打つ手なし〈内閣総辞職もの〉俳句川柳5『自民にお灸』
〇「おばあちゃんの飴玉」とかけて「後半に強いマラソンランナー」とときますそのこころは「どちらも老い〈追い〉あげます」〇「ゴールデンウィークの年金生活者」とかけて「立ちしょん」とときますそのこころは「チン上げがないので〈世間から〉漏れます」〇「もて男のデート」とかけて「無能な芸能マネージャー」とときますそのこころは「どちらもダブルブッキングの恐れ」があります〇「大谷7号」とかけて「アイスキャンデー」とときますそのこころは「夏場にかけて量産する」でしょう〇「山本由伸2勝」とかけて「ダルマさん」とときますそのこころは高速スプリットに「手も足も出ない」でしょう新企画『ととのいました』〈25〉
〇「最近、麻生元総理の動きが目立つな」「皇位継承会議の自民党側重鎮としても目立ちますね」〇「しかも訪米してトランプとヒソヒソ会談だ」「11月のアメリカ大統領選を睨んでの行動でしょう」〇「トランプが勝つと見込んだのか」「岸田総理がバイデン大統領とフィリピン含めての三者会談をやってますからバランスがとれてます」〇「どっちが勝っても米国とつながっていたいのか」「もしかしたら外務省の戦略かもしれませんね」〇「森元総理が安部派の政治資金問題でポシャッタから新フィクサーだな」「まともな政治ができるわけありませんね。紙上大喜利56『じじいの時事ばなし』
長いこと中断されていた川辺川ダム計画が動き出そうとしている。村の一部が水没するため住民が反対していたが、先ごろ貯水ダムとしての受け入れを半世紀ぶりに表明した。関係する五木村長や県・国が地域振興策の一環として合意したことがニュースで報じられたから、実現性はかなり高くなった。五木村といえばほとんどの人が「五木の子守歌」を思い出すのではないだろうか。物悲しい旋律と方言主体の歌詞が響きあって一種重苦しい日常を想起させる。子守歌の安らぎどころか鬼気迫る怖ささえ感じさせる。<おどまぼんぎりぼんぎり盆からさきゃおらんど盆が早よ来りゃはよ戻る<おどまうっ死んちゅうて誰が泣いて呉りょか裏の松山蝉が鳴く・・だが五木村の歴史をさかのぼるともう一つよく知られた民謡がある。それは「ひえつき節」である。歌詞を見てみると椎葉村の平家落...新作KAIDANその5『五木村の歴史ロマン』
島原の乱を起こした天草四郎は、幕府軍に取り囲まれて討ち取られえたといわれているが、一方で城の井戸を抜け穴に外部に逃げ延びたとする説が残っている。当時交流のあったインドネシアの日本人街にひそかに船で運ばれたという話は、まったく信ぴょう性がないわけではない。天草四郎時貞はそもそも誕生の時から数奇な運命を背負っていた。紅蓮の炎に包まれて海上に現れたと信じる者もいる。イエス様の生まれ変わりと信じる信奉者は天草四郎にすべての望みを託した。当時から過酷な年貢取り立てに不満を募らせていたキリシタンたちは一揆軍として立ちあがった。その先頭に立って戦ったのが天草四郎時貞であり島原の乱であった。幕府軍に取り囲まれ廃城に立てこもって戦ったが、天草四郎はうまうまと脱出したと信じられている。根拠として、天草四郎の首級が見つからなか...新作KAIDANその4『四郎の末裔』
岩手県のある地方で、学校帰りの小学生が男女合わせて6名ほどでかくれんぼをして遊んでいた。その日は昼過ぎから風が強くなり、先生が早く家に帰るようよう言い渡しておいたのに気象の変化が逆に生徒たちを興奮させてしまったようだジャンケンで鬼になった三郎くんは、ほかの5人から離れて近くの芦原の中に駆け込んだ。「もう、いいかい」「まあだだよ」「もう、いいかい?」「もういいよ」と、三郎くんの声が聞こえたとき、突然芦原の中でつむじ風が渦を巻いた。5人の小学生はその場でひっくり返り、つむじ風に巻きもまれずに済んだが、芦原の中にいたはずの三郎くんの姿はなかった。話を聞いた先生方がまず駆け付け、連絡を受けた父兄や駐在のおまわりさんが次々に集まった。つむじ風に吹き飛ばされたのならその辺に倒れているのではないかと手分けして探したがど...新作KAIDANその3『帰ってきた三郎くん』
修二さんは秋になると零余子〈むかご〉の収穫をしながら自然薯の蔓の位置に目印の竹竿を刺ししっかりと記憶しておく。晩秋から冬にかけて本命の自然薯を掘るために欠かせない作業である。修二さんの家の裏山は大昔、合戦に敗れた坂東武者が逃げ込んだ場所と言い伝えられていて、武具が持ち去られた後には亡骸が放置されていたとも言われている。時代を経て亡骸は海に近い湿地に集められ、その場所はしばらく白骨が砕けて夜目にも白く光って見えたという。修二さんはこれまでに草の下から何かが出てきたといったことがなかったもので、気にすることもなく自然薯掘りに熱中した。この日も印をつけておいた蔓を探し出し、長柄のスチール製自然薯掘り器で周囲を掘りはじめた。やがて蔓の先に細い自然薯が現れた。修二さんは鎌で穴の一方を切り崩し、自然薯の全容が見えるよ...新作KAIDANその2『自然薯の涙』
喜一さんはヘラブナ釣りの名人である。ふだんは僅かな田畑を耕して生計を立てているが、冬場は釣ったフナの甘露煮を作って貝の佃煮とともに引き売りしていた。喜一さんが活動する場所は茨城県の牛久沼、流れ込む大きな川がないことから湖ではなく沼と呼ばれている。フナは溜まり水のような環境のほうが生息しやすい。県外からもヘラブナ釣りに訪れる客がいるぐらい有名な場所であった。最近では釣った魚をリリースして帰るのがマナーになっているが、喜一さんが活動した昭和の中頃には捕った魚は当然食用にされていた。ついでながら入漁料などを払う習慣もなかった。制度はあったのかもしれないが地元の人間は払わなくてよかったのだろう。ともあれ喜一さんは週に何回かはヘラブナ釣りに出掛けた。午前中から夕方まで田舟を操ってヘラブナとの駆け引きを楽しんだ。春と...新作KAIDAN①『忘れ物』
〇「おい、シーチキンて海の鶏肉という意味にとれるがおかしくないか」「マグロなど魚肉のオイル漬けなのにね」〇「知ってるな、それなら海ブドウはどうだ」「プチプチした食感の海藻ですよね、グリーン・キャビアという別名でも呼ばれています」〇「知っているのか、じゃあ何食わぬ顔ってどんな顔だ」「来た来た、大谷翔平に寄り添ってたあの人のことでしょう?」〇「信頼するのもいい加減にしないとな」「その点ご隠居は心配いりませんね」〇「トンコロとかトンずらとか、豚を馬鹿にしてないか」「知りませんよ、それよりトン死〈頓死〉しないように気を付けてくださいね」紙上大喜利55『じじいの時事ばなし』
〇歯医者で治療が終わったのでカッターやドリルの音がすごくて道路工事みたいだったと言ったらフフフと笑った。〇大谷翔平の主張が捜査当局によって裏付けられたとか。〈水原一平氏が罪を認め起訴される見通し・よかったけど一抹の疑念〉〇二階さんの後釜候補は世耕さんの鞍替え出馬のうわさに戦々恐々らしい。〈血で血を洗う抗争とか〉〇岸田総理が国賓待遇で訪米だと。〈そりゃ大変だ。マイクロソフトなど巨大企業の日本招へいは実質占領だ〉〇自衛隊と米軍の連携強化もヤバいぞ。〈指揮系統を握られ先兵として出撃だ〉〇自民党のゴタゴタ騒ぎの隙にゴールド球をにぎられたか。〈国が敗れても権力維持にいそしむ人〉〇憲法審査会が開催されたらしい。〈誰の思惑か岸田総理のうちに改正=改悪?を目論む〉ありえへん話1『国破れて山河ナシ』
堤防沿いの桜並木が満開になったばかりの今日冷たい風雨にさらされたたくさんの花びらが散歩道を覆い水面に飛んだ花が川岸に吹き寄せられる花筏になって川岸にまつわりつく乗ってみたいなあ花筏幾重にも重なり分厚い布団のよう花筏の上で眠ったらいい夢見るだろうなポエム378『花筏』
先にポムに登場したアライグマの画像です。スマホの写真ではわかりづらいでしょうが、とりあえず見てください。捕まって観念したのかおとなしくしていました。そろそろ畑に出たくなってきました。時期遅れのフキノトウの画像を載せておきます。どうぶつ番外物語トピックス1『アライグマ』
〇「とうとう出たな」「大谷翔平のホームラン第1号ですね」〇「高めが打てたから今度は膝つきスウィングだな」「昨年の活躍を思い出しますね」〇「世耕さんにも処分が出たな」「離党勧告でしょう?自民党を追い出されたら困るでしょうね」〇「萩生田殿下と松野アルマジロは御咎めなしか」「組織がしっかりしているので切るに切れないんでしょう」〇「岸田総理も処分対象のはずだがほっかむりか」「職にとどまって改革するという決まり文句で逃げましたが国民は納得していませんよ」紙上大喜利54『じじいの時事ばなし』
仕掛けた罠にアライグマがかかった覗きに行くと織の奥で蹲っている夜行性だから昨夜のうちの出来事だろう観念したのか暴れることもないおいラスカルこっちを見ろよ案外可愛い顔をしているじゃないかお前がやった所業は人間の仕業なみだゴミを収納する戸棚の戸を引き開け袋を外へ出してひっかき食い破る最初は悪意のある人間がやったと疑った市役所の開庁を待って電話をした環境保全課に回されて10時には係が来た書類を何枚も書かされ張本人は業者の手にそうかお前は特定外来生物か在来種じゃないから立場悪いなハクビシンや台湾リスと同じ扱いだ確認書を渡されてお前とはバイバイだラスカルみたいな顔で訴えたってどうにもならんわしゃ知らんそれが法治国家の定めだ許せよ人間だって入管法で隔離されるんだ日本にやってきたのが運の尽きだ・・ポエム377『アライグマ御用!』
〇元気くん〈健大高崎のピッチャー〉が今朝丸〈報徳学園ピッチャー〉破って初優勝〇健大高崎ツワモノの名が並びおり〈石垣元気のほか佐藤龍月、箱山遥人など〉〇佐藤龍月上州気質の不敵な笑み〈決勝戦でリリーフに回った〉〇国定の忠治魂直球ズバ〈決め球で見逃し三振〉〇優勝校と準優勝校は紙一重〈報徳学園も強かった〉俳句川柳5『センバツ春は健大高崎』
母は鬼無里から逃げ帰るとき幾つか渡った川の土手で幽霊草を見た旦那様に離縁されたとも知らず盆休みを口実に生家へ戻された父には後添いがいて手紙を見ると烈火のごとく怒りだしたおまえ誰と乳繰り合ったんだ旦那には子種がないはずだと書いてある母は身ごもった腹を抱え善光寺裏の口入れ屋に泣きついた後継者を欲しがる銀座の国旗屋に雇われ僕が生まれて老夫婦に可愛がられた母さんその後どうしていますか養子になった僕と以後一切の縁を絶たれた母いつか探し出して銀座で余生を送ってもらいます満月に照らされて揺れていた幽霊草の話も恐ろしかった気持ちとともにもう一度僕に聞かせてください*幽霊草という学名はありませんポエム376『幽霊草』
〇報徳〈学園〉と大阪桐蔭死闘終わる〈4対1で報徳の勝ち〉〇報徳の今朝丸〈ピッチャー〉午後の試合も丸〈正確なコントロール〉〇トケマッチ時計〈ロレックス〉預かり溶けマッチ〈消えちまった代表らを国際手配〉〇東京はあと一輪で二日待ち〈標本木に4輪のままで開花宣言なし〉〇宝ジェンヌの後輩いじめで火傷する〈阪急宝塚側が被害者へのいじめ認め謝罪〉俳句川柳4『センバツ高校野球ほか』
リビングルームのsファーの陰から『獺祭』の2お22年物が出てきたすわッ、プレミアム価格はいくらぐらい?調べてみたら大したことはない我が家ののん兵衛がいつか飲もうと大事にしすぎて家族が偶然見つけてしまったようだ我が家に『獺祭」ねえ似合わない似合わないそう思いつつまんざらでもない気持ち日本酒は若いうちに消費するもの洋酒のように古さが価値を上げるものではないスコッチでいえばシーバースリーガル12年物これなら秘蔵の価値もあるともあれそうした趣向は我が家にはないお祝いの時に多少グレードの高いサジェをグラスに分けてまずk時パイ獺祭の発見などまれなハプニングなのだポエム375『獺祭』
〇「おい、尊富士が優勝したぞ」「新入幕力士が優勝するのは110年ぶりの快挙だそうですね」〇「前日の相撲で足を怪我してたのに気力で勝ち取った優勝だ」「見上げたものです、尊富士もご隠居も」〇「大の里も石川県を代表して健闘したな」「ご隠居が10日目に予想した尊富士と大の里の直接対決が事実上の優勝戦でした」〇「錦木も最後2連勝して3勝12敗だった」「そうそう錦木は足とか腰とかどこかケガしていませんか」〇「大関陣のもろさも目立ったな」「霧島が崩れて貴景勝もバタバタ琴ノ若も伸び悩み強さを見せたのは豊昇龍だけでした」紙上大喜利53『じじいの時事ばなし』
〇大谷の飛球ショックで塀越せず〈水原イッペイ違法賭博・解雇〉〇世耕さんついに証人喚問か〈政倫審では安部派5人衆は誰も責任をとらず〉〇尊富士上位者〈大の里・琴ノ若・若元春〉破って2差を維持〈きょう勝てば新入幕優勝〉〇ロレックス預かりトンズラあれッ?クス〈客の気持ち〉〇口封じ圧政強める習・プーチン〈権力維持のため悪法連発〉俳句川柳3『ショック』
〇「おい、大谷翔平が猛打賞&2盗塁、トラウトが2発も…“なおエ”だってよ」「ご隠居、これからは救援というのをよしましょう。休演にしちゃうんだから・・・・」〇「AI論議が盛んにおこなわれているが、この先どうなると思う?」「あっしにはわかりません。藤井聡太6冠を諮問会議に呼んだらどうでしょう」〇「フィリピンから強制送還された強盗指示の容疑者4人はどうなった?」「さあ、ルフィに聞かないと何もわかりません」紙上『大喜利』(20)
ミライへ育む予算ある広報に載っていた言葉だ子供たちの未来へ予算を増やしていくという意味だろうがミライへ育む予算・・・・といわれると自信無げに聞こえる目の前に組まれた予算ではなくこれから育む予算のようだ意気込みはいいが当てにできるのだろうか市の行政にまやかしはないだろうが岸田総理の「異次元の少子化対策」には期待より疑念ミライと片仮名で表記される違和感はキツネとタヌキの親分子分に見えるからここで本気にならないと子どもの数はどんどん減っていくミライがミイラにならないように総理も市長さんも頼みますよポエム353『未来という危うきもの』
〇「おい、屋根裏の散歩者が捕まったらしいな」「ご隠居、まさかの江戸川乱歩ですね。アパートの仕切り板を壊して隣の女子大生の部屋を盗撮してたんですから」〇「それだけじゃないだろ?」「知ってますけど、それ以上はネ」〇「ところで、月面着陸は失敗したようだな?」「惜しかったですね、寸前で燃料が切れたらしいですよ」〇「民間企業で初めての月面着陸は来年きっと成功するよ」「月周回軌道から着陸予定地点まで近づけたデータは貴重ですよね」紙上『大喜利』(19)
銀座にある東方画廊での従業員同士の会話。「ちょっとさん、さっき外国人のお客様が入ってきたんだけど、あなたが爆睡していたので帰っちゃいましたよ」「あら、やだ。起こしてくれればいいのに」「それがさ、ぼくが起こそうとしたら唇に指をあてて制止するんだ。寝かせておけと言われちゃどうしようもない」「へえ、いくつぐらいの人?」「40歳ちょっとぐらいかな。ブラビに似た人だった」「わオ、起こしてよ。ほんものだったらどうするのよ」「ぼくだって、蹴り飛ばしてやりたかったさ。客逃したかもしれないぜ」7月の昼下がりの事である。ちょっとさんと呼ばれた従業員は、何か用事を言いつけられると必ず「ちょっと待って」というのでつけられたあだ名である。画廊主の友人の娘で、最初はアルバイトで入ってきたのだが、ちょっとさんの知人がボチボチやって来て...新作短編小説『指』
おいしい味を消したくないからぼくはお茶を飲まない初めて就職した会社の社員食堂で同期入社のその男はそう言った意想外の独白を聞いて頭の中が混乱したえ?そんなこと考える人いるの?緑茶の旨味に慣れ親しんできた身にはとても耐えられない発言だったその人のせいとは言わないが入社して一か月で退職した紆余曲折のあった人生だが昨夜ふとあの時の感覚を思い出した半世紀ごしの感覚がまだ納得のいかないまま残っていた人間っておかしな生き物だねこんな些細なことを引きずってきてあと何年あるかわからない余生をかさぶたを抱えたまま生きるのだろうかポエム352『半世紀ごしの思い』
〇「大谷翔平の5号ホームランは幻に終わったな」「ヤンキースのジャッジがジャンプして捕ったんですよね」〇「それだけじゃないぞ、グラブで弾き落として素手でキャッチしたんだ」「一瞬落としたかと思ったのにしっかり掴んでましたね」〇「おまけにジャッジは6号ホームランだ、すごいね」「ご隠居、ジャッジにほれ込んでますね、だけど大谷は2本差ならまだいけますよ」紙上『大喜利』(18)
別部刑事は容疑者のアパートに踏み込んだ際、包囲網をすり抜けられるという失態を演じた当事者である。容疑者のヤマワキは同棲していた女性の首を絞めて殺し、深夜JRの線路に死体を横たえて轢死に見せかけた知能犯でもある。遺体の検証は困難を極めたが、司法解剖によって轢死する前に遺体の一部に皮下出血の痕跡があることがわかった。所轄署の刑事4名は逮捕状を取るなど準備を整えて翌々朝容疑者のアパートを急襲したのだが、すばしっこいヤマワキの動きに幻惑されて取り逃がしたのは前述したとおりである。すぐに非常線を張ったもののヤマワキは網にかからず、行方知らずの状態が幾日も続いた。警察への批判が相次ぎ、まもなく公開捜査に踏み切った。モンタージュ写真を載せたビラを大量に刷って主要駅やバスターミナルで配布する一方、テレビや新聞で公開手配し...新作短編小説『耳』
トケイソウ画像は(季節の花300)より時計草は大地の腕に巻いた腕時計めしべにはお洒落な長針と短針スイス製の奇抜な職人の最高傑作どうやって時間を見るの?現代人はいつも「時」に縛られているこれは時を忘れるために創った時計だ大地の腕に巻いた腕時計には聖なる愛の花言葉が送られた八月の太陽にも平然と咲く大地の花大地はなんて素敵な存在なんだこんな腕時計を贈られて時を忘れられたらあなたにも贈呈します、とスイスの奇抜な時計職人の元にはまだ9個の腕時計が残っていて遺言と共に保管されているそうだポエム351『時計草』
〇「腹立つなあ」「わかった、原辰徳監督にハラ立っているんでしょう」〇「あれだけの戦力を持っているのに中日にも負けて最下位だぞ」「どうしてクビにならないのか不思議ですね」〇「佐々木朗希は山本由伸に投げ勝ったな」「長いイニング163キロのストレートを投げさせて労基法違反じゃないですか」紙上『大喜利』(17)
菜の花畑(季節の花300)一面にひろがる菜の花畑きれいに咲いた菜の花を見ているうちにやがて実になって油を出すんだよなどこに油が潜んでいるのだろうと疑問を持ったそういえば胡麻でも大豆でもエゴマでも植物の種はみな油分を含んでいるんだ子孫のために必要な油なんだろうな将来子孫が生きるために歯車をまわすんだこうした植物の栄養をいただきながら人間はその生態を真似するだけ脂汗をかく油を搾られるすみません何一つ実態の伴わない空虚なことばプラファスナーでも飛行機でも先生は自然界人間は飛びぬけた真似し小僧のほっかむり発明だ特許だと我が物のように主張して自然界から搾取するだけまあいいさ花や実に畏敬を抱き称え続ける謙虚さがあるうちは菜の花の黄色は幸運のシンボル菜の花畑を眺めて今日も幸せポエム350『菜の花』
〇「おい、サクラも終わったな」「ご隠居、連日花見に行ってましたがどこが良かったですか」〇「どこの桜を見てもクラサを感じてな・・・・」「やだやだ、ご隠居もっと陽気にいきましょうよ」〇「千鳥ヶ淵を見てみろよ、戦没者を慰霊する場所だぞ」「そりゃそうですけど、楽しむだけのために植えたサクラの名所がたくさんありますよ」紙上『大喜利』(16)
シャガ画像は(ウィキペデイア)よりシャガの咲く季節になってこの花は幾多のイクサを鎮撫して長い歴史を見守ってきた花だと実感するなにかの縁でこの地に移り住んで山襞に群生するシャガを愛でてきたが天然の要塞を彩るにふさわしい慰撫の花だとも戦にスポットを当てれば歴史はイクサ少ない耕作地を耕して実りを得た人びとは歴史からは記録をたどれない山では狩猟海では魚や貝や海藻をもくもくと採る生活を営んできた関東武士が開府した六百年前の記憶の裏でなんと哀れなイクサ人よ墓もつくれずに野ざらしとなるしゃれこうべいつの世にも繰り返される闘争の成れの果て安らかに眠れ鎮撫の花シャガが休みなく咲く小止みなく降り雪ぐ梅雨前(さき)の雨ああ忍耐の花シャガに雨が降るポエム349『シャガに雨』
裏山に目を転じるとシャガの花がポツポツと咲き出した。これがあっという間に群生になるのだから、うかうかしていられない。追いかけるように山吹の花が光を集めている。山吹色には縁がないが、なんとなく安心な古風植物。ちなみに上記画像は2020年5月初めにアップしたものです。今年は20日ばかり早い感じです。(春・2)裏山にシャガの花
冬の間ごぶさたしていた庭畑は、ほぼ野生化していた。クワを入れていないので、去年の野草や花たちが好き放題に咲いている。スイセンは西洋スイセン、スズランスイセンが花を競っていたが、あまり注目されないうちに季節が過ぎた。ふと目の高さに新芽をつけたキウイの枝が・・・・。冬の間に追肥をあげなくちゃと思いつつ、何倍にも薄めた液体肥料で事を済ます横着者。それでも自然な落葉をたい肥にして新芽をつけてくれた。葉っぱの下にはもう花の蕾もビッシリと。これが実になるのだからけなげなもんだ。蔓は上へ下へと勢いのまま伸びるから、地面を這う枝は支柱を入れて持ち上げなければなるまい。いやでも元気を見せなければならない季節の到来だ。(春・1)キウイがくれる元気の素
撫子の花画像は(季節の花300)よりなでしこは撫子色に咲くむかしから変わらない優しい色しとやかで慎ましくお嫁さんに最も望まれた女性の象徴ひとの通る散歩道の傍らでくさに紛れてひっそりとうえを見る者には気づかれないしたを見る者には嬉しい足もとの花おもいでは数知れずいまさら披露するのは恥ずかしいあなたに学んだ生き方だからあなたにだけは耳打ちするねなでしこさん撫子さんまた会えるといいねさようならポエム348『撫子の歌』
〇大リーグ開幕大谷(翔平)零封も逆転負け〇いつか来た道天使はいるのかエンゼルス〇弱すぎるリリーフ陣に特大ため息〇9回まで投げなきゃ勝てない?嘆き節(大谷ファン)〇エンゼルスはジャパン(WBC)のストッパー誰か買え〇大谷の降板待ってひと仕事(相手チーム)〇吉田正尚(レッドソックス)マルチヒットで好調維持〇三振をしない男の異名も冴え(吉田正尚)〇ヌートバー(カージナルス)もヒットを打ってクールな顔(ペッパーミル卒業)〇千賀(メッツ)に期待ケガ完治して4番手先発?川柳復活5『大リーグ開幕』
東の空が明るみはじめると田舎の集落は賑やかになるコケコッコーウウウー雄鶏が首を伸ばして声を振り絞るオンドリャー早く鳴かんかいボスが若いオスをひと睨みするとどの家の鳥小屋からも騒がしい足踏みが始まり時告げ鳥の声で夜の幕を巻き揚げられるつられて若い女房たちが夜具を抜け出し竈に松葉を突っ込んでマッチで火をつける細く割った薪をくべ火吹き竹で風を送るいっせいに立ち昇る白い煙の揺らぎ何百年続いてきた万葉の風景めんどりは卵をポトンと生み落とし腹が減ったと地面をつつきまわるああ夢の中のことではなくそのままでいい目覚まし時計など必要ないよ時告げ鳥がいるじゃないか少々眠い目をこすりながら火加減を見るやがて重い蓋を突き上げる湯気の匂い米が飯になる甘いかおり腹がグーッと鳴りこちらも時を告げるああなんという健康な集落よ忙しい世の中...ポエム347『時告げ鳥』
〇「ロシアがベラルーシに戦術核を供与したな」「戦況が行き詰ると核をちらつかせる、プーチンの常套手段でしょ?」〇「心配しなくていいのか?」「ご隠居、ものごとはどこでどう変化するかわかりませんからね」〇「英国がウクライナに劣化ウラン弾を供与したのも問題だろ?」「ロシアに口実を与えましたからね。紙上『大喜利』(15)
絶望の海に青い月が昇る海霧が後退し混沌の海が明らかになる人間は何万年もかけて蠢いてきたが遂にまた絶望の海を目前にしているもっと賢く進化すると夢見て来たのに手にしたのは究極の鉄器だった火と石斧に歓喜の涙を浮かべ踊り狂った記憶はまだ能皮質にあるのに月は嵐の予感に震えている海霧は跡形もなく消え去ったというのにますます濃くなる原始の海波もなく絶望の気配だけが満ちている青い月よ三日月のまま照らす月よ人間はまた原始の海に舞い戻ってきたふたたび箱舟を造る気力などあるわけはなくただただ究極の鉄器の感触を撫でさする絶望の海に青い月が昇る何万年も蠢いてきた記憶も今夜雲散する希望の欠片が残るかどうかなどもはや意中にない月夜が青く広がるポエム346『絶望の海』
〇「WBCは世界一を勝ち取って国中大フィーバーだけど、その後いく日焼き直し画像を見させるんだ?」「そういうご隠居も朝から晩まで見ていたじゃないですか」〇「翠富士は連日がんばっているけど2連敗しちゃったな」「大相撲ですか、ドングリを並べたようなものですから誰が転がっても不思議はありませんよ」〇『この次はサッカーで盛り上がるか」「そうですね。ウルグァイ戦に三苫が先発するそうですし」紙上『大喜利』(14)