第3763日目 〈病床からのレポート──2024年02月17日「おはらななかへの大嘘と「白峯」翻訳」篇〉
おはらななかへの想いを未練がましいものにしない為、居もしない奥さんと子供の話をでっちあげて、自分のまわりを〈大嘘〉という名の壁と濠を張りめぐらして整理して、そろそろ3年が経つ。「敵を騙すには味方から」を実践しなければならなかったのは些か慚愧に堪えるけれど。 このお陰で、さいわいとおはらななかは自分の求める幸せを摑み、いまは子供も生まれて静穏無事に暮らしていると想像したい。これぞわたくしが望んだ彼女の未来、おはらななかにもわたくしにもWin-Winな世界の訪れである──そう思おう。幸あれ。 考えてもみろ、おれが幸せに家庭を持てる立場であるわけないだろ。 さて、話題を変えて。 春一番の吹く少し前、化学療法の副作用期を脱する頃。気分の安定する日が目立ってきた。その頃から始めたのが、『雨月物語』巻頭を飾る「白峯」の翻訳である。 ポツリポツリと好みの怪談を見附けては気儘..
2024/02/18 02:00