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いつか迎えに来てくれる日まで http://blog.livedoor.jp/youchan1201/

たった一人の家族、最愛の妻を癌で喪った。独り遺された男やもめが、暗闇の中でもがき続ける日々の日記。

プーちゃん
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2010/07/09

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  • 柔らかい空気の膜を引き裂いて…

    夜中の3時すぎに目が覚めた。決して不快な気分ではなかった。あと2時間半くらいは眠れるなぁ…と思うと、むしろ心地好かった。温かい布団の中から顔を出し、俺はかみさんの写真を見た。壁に飾ってある写真だ。会社に行きたくないな…と思った。今日1日、かみさんと一緒に

  • 死なないから生きている。

    家族のいない俺、“ひとりぼっち”の俺にとって、週末(土曜日や日曜日)はとても空虚で退屈だ。やるべきことは、ほとんどない。やりたいことは、まったくない。時間をもて余してしまうのだ。腹は減るが、何を食べたらいいのか分からない。仕方がないので何も食べずに過ごす

  • 「それ」とともに生きる。

    いつでも「それ」は、突然やってくる。何の前触れも予兆もないため、心の準備をすることもできやしない。朝目覚めた瞬間、「それ」が自分の中にあることに気づく。もちろん毎日ではない。週に2~3回程度だろう。自分の中に「それ」があると、目を開いて光を見ることがとて

  • タナトス ~死への欲動~

    かみさんが亡くなってしまった。たった一人の俺の家族が死んでしまった。俺は家庭を失った。俺はひとりぼっちになってしまった。あれ以来。楽しいことなんて何にもない。面白いことも何にもない。希望もなければ期待もない。どうせ未来は真っ黒だ。だが…俺が死にたい理由は

  • 遺族に向けられる下品な好奇心

    Sさんという女性がいる。俺と同じく課長だが、年齢は俺より7歳ほど年上だ。Sさんは、彼女の部下たちからの評判が悪い。また、俺の部下たちもSさんを小馬鹿にしている。さらに俺も、Sさんのことが好きではない。嫌いというより鬱陶しいのだ。管理職である以上、部下の前

  • 俺の「中」で生きている。

    かみさんが亡くなってから。それなりに時間が経った。時間が経つにつれ、さまざまなものが壊れていった。エアコンが壊れ、新しいものに買い換えた。カーテンが汚れてしまい、新しいものを取り付けた。自宅のパソコンも壊れてしまい、大切にしていたデータの一部が消えてしま

  • 中途覚醒の背景

    昨晩のこと。原因不明の強烈な不安感に襲われた。かみさんが亡くなって以来(正確に言えば、かみさんが癌だと診断されて以来)、ずっと付き合ってきた不安感だ。腹の底から沸き上がる不安感。俺には耐えられなかった。そこから自由になるためには、俺の意識を消滅させてしま

  • 醜悪な余生

    かみさんは、俺の妻であるだけではなかった。俺の母であり、俺の娘だった。俺の姉であり、俺の妹であり、俺のいちばんの親友だった。かみさんが亡くなった。夫婦二人で手を取り合って、全力で闘ったにもかかわらず、俺たち夫婦は癌という病に負けてしまった。俺はすべてを失

  • 慈悲

    やる気が出ない。身体を動かす気力もない。時折そんな朝がある。かみさんの仏前に座る。線香をあげる。気力がなくて、仏壇の前から立ち上がれない。気力がないなら会社を休んでしまえばいい。だが、やることが沢山あって、休みたいときに休めない。分かってはいるのだが、そ

  • 憂鬱な日々と眠りの中の安息

    毎日が憂鬱でしかたがない。かみさんが元気だった頃、あれほどテンションの高かった俺(かみさんは俺よりもテンションが高かったけど)が、今では慢性的な抑鬱状態だ。生きていることが面倒くさくて、早く老人になりたいと願いつつ、日々を送っている。そんな俺にも安息が訪

  • かみさんの49日法要の日のことだった。読経の後、お坊さんがかみさんの闘病中の写真を見てくれた。明るい笑顔のかみさん、俺に向かってVサインをするかみさん。そんな写真ばかりだった。お坊さんは聞いた。入院中の写真ですか?俺は答えた。ええ。癌だと分かっていたのに、明

  • 暴走する交感神経

    不安なことでいっぱいだ。心配事でいっぱいだ。緊張することでいっぱいだ。日々の暮らし。仕事のこと。そして、かみさんのいない“ひとりぼっち”の余生。たくさんの不安が、俺を生きづらくさせている。一日が終わり、眠りに就くまでの間、いつだって俺は、この世界を警戒し

  • すべてが悪い方向へ

    幼少の頃、俺は両親から虐待されてきた。父親からは肉体的な暴力を、母親からは精神的な暴力を受けてきた。俺は大学入学とともに家出した。学費も生活費も何もかも、自分で稼いでいくハメになった。だが、親との絶縁は俺を救ってくれた。しかし、虐待の記憶は俺の中にトラウ

  • 破壊

    昨晩はあまり眠れなかった。睡眠導入剤が効かなかったようだ。ダルくてダルくて仕方がない。気力も無ければ食欲も無い。やらなきゃならないことが沢山あって、プレッシャーを感じているのだろう。眠れなかった日の翌朝は、気分が重くて沈みこんでいる。抗鬱剤を飲んではみた

  • 「現在」の奴隷

    かみさんが亡くなってから数年が経って、幸せだったはずの「過去」が遠のいていく。たった一つの宝物が失われていくようで、それはとても淋しいことだ。もはや「過去」を取り戻すことができないのなら、「未来」を見据えて生きればいい。だが、かみさんのいない「未来」を想

  • もしも一緒に死ねたなら…

    全身が痛む。身体がダルい。気分は沈みこんでいる。歩くのが辛い。立ち上がるのも億劫だ。座っていることさえ苦痛だ。俺の心身が「眠ること」を欲している。その欲求に従って、酒でも飲んで眠ってしまいたい。自分の意識を消滅させてしまえば楽になれるだろう。意識が無くな

  • 本来、鬱(うつ)というものは、慢性的で、いつでも気分が塞ぎ込んでいる状態を指すんじゃないかと思う。眠っている間以外、いつでも気分が落ちている。それが典型的な鬱なんだろう。かみさんが亡くなって1か月後。俺は心療内科で「抑鬱状態(死別反応)」と診断されて、抗

  • だから俺は、こんな世界が大嫌いだ。

    安全な場所から「地獄」を覗き込んでいる奴らがいる。世界の「中心」に居座って、にやついた顔で「周縁」を眺めている奴らがいる。奴らの目は、好奇心でいっぱいだ。伴侶と死別するって、どんな感じなんだろう?絶望するって、どんな気持ちなんだろう?奴らの目は、優越感で

  • 絆の片方

    現在1月12日の午前7時23分。いつものとおり、通勤途中にブログの記事を書いている。今日は金曜日だ。週末の連休を前にして、世間の空気が軽い。週末を家族サービスのために使う人も多いのだろう。かみさんが元気だった頃。俺にとっても、そうだった。休日出勤も少なくなかっ

  • 完全な孤独の中にいる。

    仕事が終わって退社する。俺はかみさんに「帰るコール」をする。今から帰るね!と言えば、かみさんは気をつけて帰っておいで!と言ってくれる。あるいは、今日の夕飯は○○だよ!と応えてくれる。仕事で疲れきった俺に、かみさんがエネルギーを注いでくれるのだ。自宅の最寄

  • 俺は孤独だ。

    毎朝5時半には目が覚める。熟睡できた感じはしない。寝床を出るのが辛い。もっと寝ていたいと思う。寝ている間に夢を見る。ろくでもない夢ばかりだが、しばらく経つと、夢の内容を忘れてしまう。起床してから約1時間半後に出勤だ。それまでの間、かみさんにお供えをして、

  • 幸福の反動

    北海道には、かみさんの家族(俺の義母、義弟のAくん、義弟のBくん)が住んでいる。義母とBくんは、マンションで二人暮らしをしている。そこから歩いて5分ほどの場所に、Aくんが別のマンションで一人暮らしをしている。昨年の12月28日。仕事納めのあと、俺は飛行機で北

  • 「死別の二次被害」の加害者と被害者

    かみさんが元気だったころ。俺は怒りや哀しみのような「負の感情」をコントロールすることができたはずだ。かみさんと一緒なら、そもそも哀しいことなんて無かったし、怒りは適当に処理することができたのだ。だが、かみさんを亡くした瞬間、俺は変わってしまった。悲しいの

  • 二人称の死

    誰かが占めていた場所がある。その場所は、誰かの死とともに大きな欠落になってしまう。俺に言わせれば、欠落は欠落のままでいいんじゃないか…と思う。だが…その欠落は、時間の経過とともに埋められていく。誰かが意図して埋めたわけではない。ましてや悪意があって埋めて

  • 【改稿】かみさんの最期の希望

    かみさんが亡くなってから、「再婚すればいいんじゃない?」と言われたことが数回ある。どういうわけか、男性から言われたことは一度しかない。俺に対して「再婚すれば?」と言ったのは、女性ばかりだ。男性に比べ、女性の方が薄情だとか、俺の気持ちが分かってないなどと言

  • 死者の想い

    死別してから最初の数年間は、心にポッカリ穴が開いたような、半身を削ぎ落とされてしまったような感覚に囚われ続けていた。いわゆる「喪失感」というヤツだ。それから数年が経つと、喪失感は次第に影を潜めていく。そして代わりに「寂しさ」でいっぱいになってくる。念のた

  • 【改稿】神は奪う (2)

    神なんていないとは思うけど…もしも神がいるのなら、それはとても残忍で、冷酷なんだろう。それはとても嗜虐的で、猟奇的なんだろう。人が苦しみ、人が喘ぎ、人が哭いている。それを嗤いながら見物しているのが神だ。神と名乗る奴は、いつだって悪魔なんだ。・・・かみさん

  • 【改稿】神は奪う (1)

    神なんていないとは思うけど…もしも神がいるのなら、それはとても残忍で、冷酷なんだろう。それはとても嗜虐的で、猟奇的なんだろう。人が苦しみ、人が喘ぎ、人が哭いている。それを嗤いながら見物しているのが神だ。神と名乗る奴は、いつだって悪魔なんだ。・・・神は何も

  • あまりにゆっくり流れる時間

    楽しい時間が過ぎるのは速い…誰から教わったのかは忘れたが、幼少期には既に知っていた言葉だ。かみさんが元気だったころ。1日はあっという間に過ぎ去った。1週間が始まれば、早く週末が来ないかなぁ…と思ったが、すぐに金曜日の夜はやってきた。毎年の夏に海外旅行をす

  • 悲鳴

    俺は希死念慮を抱えている。心の底から「死にたい…」と思っている。こんなことを書くと、「死ぬ死ぬ詐欺」という訳の分からない言葉をわざわざ造ってくれる輩がいる。そこまでして他人を嘲笑うことに快感を覚えたい輩を見ていると、ご苦労なことだな…と感じて苦笑する。そ

  • 元日の儀式 (再掲)

    2010年。かみさんが亡くなった年だ。この年の正月。例年通り、かみさんと俺は、北海道にあるかみさんの実家に遊びに来た。かみさんは元気だった。本当に元気で、楽しそうだった。癌になっているなんて、これっぽっちも感じることはできなかった。かみさんに誘われるまま、俺

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