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【作詩】心の時間――Kairos
寄木細工の浮き雲が 夕陽を浴びて 小恋路(オレンジ)に煌々と輝いた 白銀の印画紙に 浮かんだ若き日の母 節くれ雲に父の手の甲 愛し愛されし人らの 穏やかな笑顔が浮かんでは 銀幕に彩り灯らせる 夕暮れのひとときに見し
2025/04/30 05:34
夏目漱石『こゝろ』について
色々考え急遽再読することにした。というのは、本作が近代以降の個人主義を考えるうえで、決して避けて通れない問題を描いていると気づいたからだ。とはいえ、本作のテーマを読み解こうと思うなら、『門』『行人』『こゝろ』の流れを見渡す必要がある。テーマはズバリ、個
2025/04/30 04:38
【作詩】涙の川
子ども心の夜を明らめた燈火(ランプ)で 幼馴染の三人はたがいを照らしあった 一輪の花、一茎の草、榲桲(マルメロ)の木、床の染み、壁の剥がれ 目に、耳に、指に触れるのはみな聖堂だった 時は巡り聖女は習俗に嫁いだ 僕たちは天に憧れたまま空
2025/04/16 16:34
『星の王子さま』にある「飼いならす(apprivoiser)」の意味
「apprivoiser(アプリヴォワゼ)」の訳が難しいって話、確かに多くの訳者が苦労したところだよね。辞書的には「飼いならす」って出てくるけど、それだけだと結局、支配とかコントロールみたいなニュアンスが強すぎる。でも、実際にはその言葉には、もっと深い人間的な関わ
2025/04/16 05:40
【作詩】北へ、南へ、そして……
愛を探して歩いたが 都会の迷宮は方角すら掴めない あの人の宮殿は遠かった 緑の丘に白い高殿はあった あの人は北を見つめていた 死神に誘惑されるまま 水晶は砕け、ガラス玉へと 二人は塩辛い飴玉を嘗める 逃げゆく愛を追いかけて
2025/04/16 04:04
【作詩】イプシロン
世に呼ばれし名は完全なる兵士(パーフェクト・ソルジャー) 遺伝子操作が生んだ悲劇の虜 戦うことを宿命づけられ 勝つことを目的とする悲しみ 神に決して触れられぬ者 "Y(イプシロン)" 勝利なき戦いと知らずに銃をとり 金髪は血に塗(まみ
2025/04/13 03:05
【作詩】終わりなき戦い
この戦いは三十万年も続いている この先にまだ百年は続くのだろう 蠅は木の実を食べ草べを喰(は)う 満たされずに肉に喰(く)らいつく 燕は空と海を駆け地に降りる 切れた尾羽根は迷いを消す旗 蝿は群れをなして正しいと喚く 小さな声
2025/04/12 03:13
【作詩】瑞希―― Home sweet home
瑞希よ、わが眼前を歩みゆく乙女よ 幾度も通りすぎては振り返りもせず 思い出の貴女(あなた)とは違う誘惑顔をして 黒い綾編み(レース)の礼服(スーツ)に黒い網タイツを履き 剥き出しの素肌、その両腕は寒々しい 頑なで、鋼のようで柔らかげな
2025/04/11 18:10
サン=テグジュペリ『夜間飛行』
『夜間飛行』を読み終えた。現実に手が震えるほど感動した。本作は、一言で言えば「理想の上司」「使命感を背負った理想の人間」の物語である。もちろんそれは主人公リヴィエールを指す(この名前は、他の川に流れ込む川という意味であり、海に注ぐ川ではない)。 彼を
2025/04/11 15:53
【作詩】黒い鳥
暗黒のなかを黒い鳥が走って翔ぶ 姿も見えず、有り様もわからず あたかも沈黙に潜む沈黙にも似て 現(うつつ)と想(おもい)を見つめる両目に啓示の兆し 人類は科学とともに著しく進歩した 粗黒(マット)に塗られた黒い怪鳥は姿を見せた 音
2025/04/10 21:02
【作詩】上弦の月
星ひとつ見えない夜空に 上弦の月が浮かんでいる ぽっかり何も囁きもせず 夜の帳に包まれた道々に 光の彩が花と咲いている 通り過ぎる前照灯(ヘッドライト)、尾灯(テールライト) 花壇を照らす電灯は温かく 頬を撫でる一陣の風を感じ
2025/04/09 19:31
【作詩】神
汝(なれ)が神だというのか? この草も木も、やがて散る この雫を友とする紫苑(シオン)の花も ――それすら神だというのか? 殴られし、沈黙の痛み 滴り落つ、血の苦しみ 笑いと涙、歓喜の川 愉楽の饗宴――それすらも、汝か? 汝
2025/04/05 15:38
私的詩論#2『歩格とはなにか?』
【歩格とはなにか?】 これを単純化して語るのは難しい。 まず大別すると、二種類に分けられる。長短(短長)と強弱(弱強)である。 長短とは、長い音と短い音を組み合わせてリズムを作る格である。 強弱とは、強い音と弱い音を組み合わせてリズムを作る格である。
2025/04/02 05:37
【作詩】紅茶からの便り
英国風の庭園で過ごした 懐かしき思い出が蘇る 君は金髪を風にまかせる 稀有な親しき友だった 古びたテーブルに二杯の紅茶 黄赤紅(きあかべに)から盛んに、澄んだ 湯気の精が立ち香っていた 彼女は伏し目がちに口にした 「私たち、
2025/04/02 01:53
2025年4月 (1件〜100件)
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