オリジナル学園伝奇小説連載中
高校生の少女那須野結繪と化野音音(あだしのねね)。狐の化精・葛葉と静葉の力を借りた少女ふたりと、唯一の神を信奉する第2契約者たちとの戦いをえがいた伝奇小説。
第11話 結局バナナスィーツ勝負の行方は、 接戦ではあったものの、 バナナの芳醇な香りと濃厚な甘さで勝る雨林23号を手に入れた 音音たちの勝ちに終わった。 「コングラッチュレーション音音。 今日は素晴らしいスィーツを食べさせていただき感謝する。 これが、凍結に伴う細胞破砕を防ぎ、 食品の長期保存と食味の低下を大幅に低減することを可能にした スーパセルライブ製法の詳細だ」 クラークから差し出された書類を素早くめくり、 内容に目を走らせた音音は、 「確かに…」 と言うと笑いながら右手を差し出した。 ウィルス等を仕掛けられるデータではなく、 書類をくれた段階で音音はクラークに対してある種の信頼を覚えていた。 「いつまた、戦場でまみえるかもしれないが、 それまでは、よきライバルでありたい。 できれば若者が傷つき命を落とす戦争は避けたいものだ。 存外、ロ..
第10話 「いやー、 連絡できず申し訳ございませんでした…」 スタジアムではスィーツ勝負が白熱するなか、 オオゼキから音音へ状況報告がなされていた。 「敖環姫(ごうかんひめ)に助けて貰ったまでは良かったんですが、 襲ってきた連中は、 なんかすごい数の船を動員してて海上封鎖されちまって…。 仕方ないんで海中をずっと送って貰ったんですが、 海中だとスマホのタッチパネルがきかない上に、 途中で深く潜りすぎたみたいで陸(おか)に上がっても連絡できなくて…」 「仕方ないのですわ」 オオゼキは、 以前音音がしでかした、 タコ入道騒動の時に懇意になった、 南海竜王の娘・敖環姫とときどき会う中になっていて、 万が一のことを考えて熱海沖合で待機してもらっていた彼女と その郎党の人魚たちに救われたいきさつと、 予定していた小田原に姿を見せなかった理由を音音に報告した。 ..
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