昨日今日明日あさって。(大乱)265
敵の領都と神社は外壁一枚で隣り合わせ、完全に一体化していた。共用の、外周の水堀は幅5メートル、水深5メートル。外壁の高さも5メートル。思いも寄らぬ堅固な鎧を纏っていた。アレックス斎藤伯爵は忸怩たる思いであった。国軍駐屯地を落して、幸先良し。それが躓いてしまった。原因は分っていた。水堀の完成を事前に知らなかった、それに尽きた。分っていれば攻城戦用の兵器を牽いて来たものを・・・。主因は別にして、もう一つも彼を苛立たせた。使番が次々に戻ってきて報告をした。どの使番もが同様の言葉。「拒否されました。正面よりの攻撃に尽力するの一点張りです」領都も神社も、街道に面する西側に表門がある。それを破るには橋を渡るしかない。簡単だが、それが難しい。敵が殆どの兵力を集め、的確に交替しながら、外壁の上から強烈な反撃をして来るからだ。そ...昨日今日明日あさって。(大乱)265
2022/04/24 10:38