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  • ドル安と「隣人を乞食にする」政策

    米国と中国が為替政策をめぐって、激しい攻防を続けている。ガイトナー財務長官などは表向き「強いドルを望む」という発言を繰り返しているが、米国は景気回復のために低金利、ドル安を維持している。一方、中国は昨年夏から人民元の対ドル相場を事実上固定(peg)しており、ドル安に連動して人民元安が進んでいる。これに対して米国内では、輸出を有利にするための為替操作であるとの批判が高まっている。これをbeggar-my-neigh…

  • ロケットをミサイルと言い換えて報じる日本のマスメディア

    米CNNは1日、米軍高官の話として、北朝鮮が長距離ロケット(rocket)への燃料注入を開始したと報じた。これを転電した日本の主要マスメディアはすべて、「ロケット」という表現をわざわざ「ミサイル」と言い換えて報じた。北朝鮮が人工衛星の打ち上げと主張しているものについて、CNNをはじめ主要英文メディアはrocketと表現しているものが多い。日本のマスメディアがミサイルであると断定的に報じているのは異様である。(…

  • レモン社会主義と国有化

    米銀大手のシティグループとバンク・オブ・アメリカが国有化(nationalization)されるのは避けられない見通しだ。nationalizationは、the dreaded n-word of Wall Street(「ウォールストリートにとってNで始まる恐ろしい言葉」USAToday 2月20日)である。それがsocialism(社会主義)を連想させるからだ。だが、ポール・クルーグマン教授によれば、米政府が計画している銀行救済策は、“lemon socialism”(レモン社会主義)…

  • 景気対策法案と豚肉

    景気対策法案が米国議会で可決された。同法案は議会では、歳出を拡大せずに減税に重点を置く共和党の強い抵抗にあった。共和党は同法案をpork-filled(豚肉でいっぱい)、earmark-laden(耳標だらけ)であると反対したのに対し、民主党はpork-free(豚肉なし)であると反論した。porkとearmarkは同じ意味で、earmarkも豚と関連している言葉。景気対策になぜ豚が関係するのか?(鳥居英晴) 英文メディアは同法案をstimulus pa…

  • 「鋳造された鉛作戦」と命名したイスラエルの意図

    イスラエル国防軍は、12月27日に始めたパレスチナ自治区ガザ地区への攻撃を“Operation Cast Lead”(キャスト・レッド作戦)と命名(code-name)した。直訳すると「鋳造された鉛作戦」となる。ユダヤの祭日ハヌカに関連した詩からとった。ハヌカは「神殿清めの祭り」とも呼ばれ、紀元前2世紀、異教徒によって汚された神殿を清めたことを記念して始まった。「鋳造された鉛」とは、ハヌカで子供たちが遊ぶドレイドル(こま)…

  • 今年の英語流行語大賞 bailout、change、hypermiling、 overshare

    今年の新語・流行語大賞が発表されたが、英語界でも毎年、the word of the year が選ばれる。the word of the yearを発表する出版社や団体などは主に5つあるが、このうち4つが出そろった。今年は大統領選挙、金融危機を反映しているが、それぞれ選考の個性が出ている。米大手出版社のメリアム・ウェブスター(Merriam-Webster)はbailout、Global Language Monitorはchange、新オクスフォード米語辞典(New Oxford American Dic…

  • プレーンバニラ金融とエキゾチック金融

    金融危機の要因になったのはexotic finance(エキゾチック金融)だとされる。金融市場は伝統的で単純な商品、plain vanilla(プレーンバニラ)の世界だったが、21世紀に入りleverage(レバレッジ、テコ)をかけた複雑なexotic financial instruments((エキゾチック金融商品)が市場を支配するようになった。plain vanillaは「簡潔な」という意味で、plain vanilla ice creamが語源である。それに対比されるのがexoticである…

  • 「黄金の落下傘」を禁止 高まる「デブ猫」への反感

    日本では”fat cat”(デブ猫)がテレビの動物番組で人気になっているが、金融危機が深刻化している欧米では怨嗟の的になっている。”fat cat”には“golden parachute”(ゴールデンパラシュート)も用意されている。米国で金融救済法が審議されていた最中に配信されたニューヨーク発のAFP通信の記事(9月26日)にはPopular anger puts fat cat CEOs on the run(国民の怒りでデブ猫CEOは逃亡中)という見出しが付いて…

  • 米国籍受賞者を日本人とする日本語メディア

    今年のノーベル物理学賞の受賞者に南部陽一郎、小林誠、益川敏英の3氏が決まった。南部氏は米国籍であるのにかかわらず、日本語メディアは日本人3人としている。内外の英文メディアは一致して日本人2人、米国人1人と報じている。日本語メディアの国際感覚ぶりが表れたようだ。(鳥居英晴) ネット上での各メディアの表現を見てみると、朝日は見出しで「ノーベル物理学賞、素粒子研究の日本人3氏に」 とあり、本…

  • Bailout、Rescue、TARP、EESA 金融救済法と政治用語

    “War on terror”(テロ戦争)などの言葉を作り出して、議論をコントロールすることを”framing the issue”という。巨額の公的資金を投入して金融機関から不良資産を買い取ることを柱とした法案をめぐっては、米政府は”framing the issue”ができなかったようだ。政府側は法案をrescueと表現し、メディアにbailoutは使わないように求めた。しかし、bailoutと呼ぶメディアが圧倒的であった。Bailoutもrescueも救済を意味するが、…

  • 金融危機と「レバレッジ解消のパラドックス」

    「世紀に一度once-in-a-century 」(アラン・グリーンスパン)という米国の金融危機で何が起きているのか。キーワードはdeleverage(デレバレッジ)である。「レバレッジ解消」「レバレッジ外し」「レバレッジ引き下げ」「脱レバレッジ」などと訳されている。“The shadow banking system”(影の銀行システム)という言葉を流行らせた、世界最大の債券運用会社PIMCO(ピムコ)のポール・マカリーは 、いま起きている現象を“the…

  • グルジア紛争とrevisionism、revanchism

    グルジアへのロシアの軍事介入をめぐって、ロシアと欧米の対立が深まり、「新冷戦」の到来という見方も出ている。ロシアを非難するのに使われている言葉には、expansionism(拡張主義)、 imperialism(帝国主義)、revanchism(失地回復主義)、revisionism(修正主義)などがある。分かりづらい言葉がrevisionismである。かつて中国がソ連を非難するために投げつけた言葉でもある。(鳥居英晴) エストニア、ラトビア、リト…

  • 「微笑天使」の口パク

    北京五輪開会式で、9歳の少女が革命歌曲を歌う場面が全世界に流された。お下げ髪の林妙可は中国国内では「微笑天使」と呼ばれるようになった。ところが、これは“口パク” (假唱、対口型、lip syncing)で、実際に歌っていた(幕后献声)のは7歳の楊沛宜であったことが明らかになった。英文メディアはこれをChina's Milli Vanilli momentと呼んでいる。

  • 「憤青」と「醜い中国人」

    チベットでの騒乱に端を発した中国に対する国際的な非難の高まりに、北京五輪の開催を前にした中国では、特に若者たちの間で民族主義的感情が高まっている。そうした青年たちは「憤青」(fenqing)と呼ばれる。英紙と米紙の2人の記者は、4月末、亡くなった中国人作家が批判した中国文化の傾向をfenqingに見出している。(鳥居英晴) Wikipediaはfenqingを次のように説明している。 Fenqing(憤青), or "FQ" (abbrev…

  • Splittistと人面獣心

    中国当局はチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマを「分裂主義者」と呼んでいるが、中国のメディアはこれを英語ではsplittistと訳していることが多い。しかし、splittistという言葉は中国製英語である。Splittistという言葉は、チベットやウイグルの少数民族や台湾をめぐる問題に対して使われているが、中国がこの言葉を使い出したのは、1960年代の国際共産主義運動をめぐる対立のさいであった。この言葉はpejorative、つ…

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