オヤジのあくび459
山川徹「カルピスをつくった男 三島海雲」を読む2 北京東文学社で海雲は日本語教師となる。中国人に日本語を教えるだけでなく、自らも中国語や中国文化を学んだらしい。やがて北京で土倉五郎に会う。吉野杉を元手に日本の山林王と言われた資産家の息子だ。日華洋行という会社の経営に関わる海雲は軍馬の商いに手を染める。そして着目したのがモンゴルなのだ。 モンゴルと言えば、世界帝国の一翼を担って日本にも攻め寄せてきた元が連想されるが、やがて明によって元は滅ぼされてしまう。けれど元の中核をであった近衛兵の末裔は、強かに草原地帯で生き残り、次なる清王朝と結びつく。海雲が近づいた人々はそういう人たちであった。仏教徒とい…
2022/10/30 06:01