《一期一話》山田弘子退屈な背中水泳監視員一夏の間、太陽に焼かれる背中。水泳監視員の「退屈な背中」が、何事も起きない水辺を描き出しています。『残心』所収。《一期一話》山田弘子
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《一期一話》山田弘子退屈な背中水泳監視員一夏の間、太陽に焼かれる背中。水泳監視員の「退屈な背中」が、何事も起きない水辺を描き出しています。『残心』所収。《一期一話》山田弘子
《一期一話》吉岡桂六(よしおか・けいろく)さらさらと水の流るる団扇(うちわ)かな庭を走る遣(や)り水か、谷川のせせらぎか、軽やかに流れる水のほとりで団扇を手に涼んでいる様が涼しげです。『東歌』所収。《一期一話》吉岡桂六
《一期一話》岡田日郎(おかだ・にちお)雪渓の水汲みに出る星の中山上でのキャンプの句。水を汲みにテントを出ると、満点の星。頭上ばかりか前にも後ろにも星は瞬(まばた)いています。『水晶』所収。《一期一話》岡田日郎
《一期一話》源実朝箱根路をわれこえくれば伊豆のうみや沖の小島に波の寄る見ゆ箱根から伊豆山へ、ぱっと開ける大海原の眺め。実朝初の「二所詣」をした時の歌。『金槐和歌集』所収。《一期一話》源実朝
《一期一話》川柳・柳多留江戸中を越後屋にして虹がふき日本橋の呉服屋「越後屋」は急な雨が降り出すと、お客に傘を貸し出した。傘を開けば大きく「越後屋」と書かれている。現代ネット広告も真っ青な、江戸人間ネットワーク広告‼️《一期一話》川柳
《一期一話》須賀一恵(すが・かずえ)なきがらにわれはぬけがら蟬時雨(せみしぐれ)長年連れ添った夫に先立たれ茫然自失の妻がいる。ここにも一つの悲しい現実があります。《一期一話》須賀一恵
《一期一話》佐藤鬼房(さとう・おにふさ)やませ来るいたちのようにしなやかに「やませ」は東北や北海道に冷害をもたらす東風。しなやかなイタチが走る様に、青い田んぼを渡ってくる。《一期一話》佐藤鬼房(さとう・おにふさ)
《一期一話》白澤弓彦まだ青きナイターの空月昇る2004年に膵臓癌の手術を受け、2006年53歳で死去。「青きナイター」に明日の希望を託したんですかね。《一期一話》白澤弓彦
《一期一話》阿波野青畝(あわの・せいほ)マーガレット東京の空よごれたり昭和28年(1953)の句。久々に関西から上京した青畝の眼に映った東京の空。青畝さん、高村智恵子さんと同じ心境になったんですかね…《一期一話》阿波野青畝
《一期一話》辻原登切手ください嬬恋(つまごい)の霧送るんです嬬恋高原の名物は広大なキャベツ畑と白くて濃い霧。それは小包にして贈りたくなるほどです。《一期一話》辻原登
《一期一話》山中弘通(やまなか・ひろみち)三国志読みかけてある昼寝かな昼寝の友は枕と蚊取り線香。それに快眠を誘う本があればさらによい。『三国志』なども悪くはない。ただ、長過ぎるのがたまにきず。《一期一話》山中弘通
《一期一話》鈴木真砂女(すずき・まさじょ)羅(うすもの)や人悲します恋をして誰かを悲しませるとわかっていても引けない恋がある。羅は絽(ろ)や紗(しゃ)など夏の着物《一期一話》鈴木真砂女
《一期一話》津田清子(つだ・きよこ)血より濃し植田植田をつなぐ水農家にとって田を潤す水は血より濃い。田から田へ命の水が流れています。『無方』所収。《一期一話》津田清子(つだ・きよこ)
《一期一話》山上樹実雄(やまがみ・きみお)瀧のおもてはよろこびの水しぶき断崖絶壁を豪快に落ちる滝。まるで水が喜びはしゃぎながら落ちてくる様な…『山麓』所収。《一期一話》山上樹実雄
《一期一話》黒柳召波(くろやなぎ・しょうは)おもしろうわさびに咽(むせ)ぶ泪(なみだ)かな召波は文化爛熟期18世紀半ばの京の文人。わさびで食しているのは、きっと旬の桜鯛に違いない。『春泥句集』所収。《一期一話》黒柳召波
《一期一話》田口満代子(たぐち・みよこ)ふせてある舟も春愁のひとひら裏返しにして干してある舟が見えるとある浜辺。舟が打ち上げられた花びらの様に見えてきます。『初夏集』所収。《一期一話》田口満代子
《我が家で微笑んだ花子さん》〈濃い紫色のアガパンサス〉淡い紫色のアガパンサスは良く見られますが、濃い紫色のアガパンサスは珍しいです。アガパンサスもそろそろ終わりです。我が家の庭は「梅雨明け」に片足を踏み入れている様です🤗《我が家で微笑んだ花子さん》
《一期一話》大伴大江丸(おおとも・おおえまる)いざ竹の秋風聞(きか)む相国寺(しょうこくじ)春は竹が黄ばんで来るので、竹の秋ともいわれる。そうだ、竹の秋の相国時(しょうこくじ)へ行こう。大江丸は蕪村のころの大坂の飛脚問屋の主。『俳懺悔』所収。《一期一話》大伴大江丸
《一期一話》高野公彦遍路路(へんろじ)を照らして音もなく青き空海のそら、一遍のそら四国を巡るお遍路さんの頭上には空海、一遍当時のままの青空が広がっています。故郷四国を讃える一首。作者は愛媛県生まれ。『雨月』所収。《一期一話》高野公彦
《一期一話》大悟法利雄(だいごぼう・としお)白ばらに散りかさなれるうす紅のこの一ひらはいづこより来し白い花びらに紛れ込んだ薄紅のひとひら。薔薇の花の最期が安らかなら、人の心も安らか。牧水の歌に魅せられ、晩年の牧水の助手を務めた人の歌。《一期一話》大悟法利雄(だいごぼう・としお)
《一期一話》森川許六(もりかわ・きょりく)卯の花に蘆毛(あしげ)の馬の夜明哉「蘆毛」とは白い毛に黒や濃褐色の差し毛が入った馬のこと。五月初め江戸を立ち、地元彦根に帰った時の作と言われている。許六は長年近江彦根井伊家の家臣であった。『炭俵』所収。《一期一話》森川許六
《一期一話》種田山頭火生えて伸びて咲いてゐる幸福山頭火の句は理屈で味わうのではなく、個々の方が個々の想いと個々の感じ方で味わって頂ければと思います。彼は出家し、漂泊の思いにかられ、食を乞い、野宿して山野を流浪し、そして死んだ、これが彼の全てです。『山行水行』所収。《一期一話》種田山頭火
《一期一話》賀茂真淵(かものまぶち)大魚(おほな)釣る相模の海の夕なぎに乱れて出(い)づる海士小舟(あまおぶね)かも鮪や鰹を釣るため、夕凪の相模の海に小舟が入り乱れている情景。江戸中期最大の国学者『賀茂翁家集』所収。《一期一話》賀茂真淵
《一期一話》賀茂真淵(かものまぶち)大魚(おほな)釣る相模の海の夕なぎに乱れて出(い)づる海士小舟(あまおぶね)かも鮪や鰹を釣るため、夕凪の相模の海に小舟が入り乱れている情景。江戸中期最大の国学者『賀茂翁家集』所収。《一期一話》賀茂真淵
《一期一話》室積徂春(むろづみ・そしゅん)三社まつり山王まつりともに雨せっかく山車(だし)や御神輿を飾ったのに、江戸っ子の舌打ちが聞こえてきそうです。《一期一話》室積徂春(むろづみ・そしゅん)
《一期一話》石橋辰之助霧ふかき積石(ケルン)に触るるさびしさよ山岳俳句の開拓者という名声を得るが、40歳の若さで没する。『山行』所収。《一期一話》石橋辰之助
《一期一話》窪田空穂(くぼた・うつぼ)雲海のはたてに浮かぶ焼岳(やけだけ)の細き煙(けぶり)を空にしあがる1922年烏帽子岳(えぼしだけ)から槍ヶ岳まで北アルプスを縦走したおりの連作句の一首。『鏡葉・かがみば』所収。《一期一話》窪田空穂
去る18日は義父の命日。歩いて3分にある我が家の菩提寺『上総国分寺』さんにお参りにいってきました。一言いわせていただけるなら、お墓は居住地に近いが何より❣️罰当たりな心根がひんしゅくをかいそうなお墓参りでした😣義父の命日
《一期一話》河東碧梧桐(かわひがし・へきごとう)五月雨や鴉(からす)草ふむ水の中五月雨は梅雨期によく降る長雨をいう。降りしきる雨の中、水びたしの草を踏む鴉の姿がまるで南画の様に詠まれています。『新俳句』所収。《一期一話》河東碧梧桐(かわひがし・へきごとう)
そろそろ端午の節句❣️我が家もソロ〜リソロ〜リと金太郎仕様に🤗先ずは「歌麻呂」描く『山姥と金太郎』仕様でいってみますか。正確には何ていう題の絵なんですかね⁉️端午の節句
《一期一話》石井露月(いしい・ろげつ)短夜(みじかよ)や既(すで)に根づきし物の苗(なへ)明治6年秋田生まれの俳人。秋田いちえんに大きな足跡を残す。「短夜」は夏の夜をいう季語。子規門の古参俳人として広く名を知られた。『露月句集』所収。《一期一話》石井露月
《一期一話》原裕(はら・ゆたか)声かけし眉(まゆ)のくもれる薄暑(はくしょ)かな初夏の薄々とした暑さのなか知人と行き合わせたので、声をかけてみた。相手の反応は眉がかすかに曇って見えただけであった。《一期一話》原裕
《一期一話》大隈言道(おおくま・ことみち)ねこの子のくびのすゞがねかすかにもおとのみしたる夏草のうち夏草が繁っていて子猫は見えず、ただ鈴の音がかすかに響くだけです。『草径集』《一期一話》大隈言道
《一期一話》木下利玄(きのした・りげん)花びらをひろけ疲れしおとろへに牡丹(ぼたん)重たく萼(がく)をはなるゝ利玄は「白樺」派の歌人で、結核のため39歳の若さで死去。落花の描写にスローモーション記述ともいえる手法を試みている『銀』所収。《一期一話》木下利玄
久しぶりにトイプードルのゴジラ「七福」君の登場🤗同じトイプードルの「団十郎」君のお部屋を乗っ取ってご満悦の福ちゃんです。右下の白い毛が福ちゃんに踏み潰された団ちゃんの姿です(><)ゴジラ「七福」君登場❣️
《一期一話》水原秋桜子(みずはら・しゆうおうしふるさとの沼のにほひや蛇苺(へびいちご)秋桜子は山口誓子(せいし)、高野素十(すじゆう)、阿波野青畝(せいほ)とともに「ホトトギス」四Sの筆頭として活躍。後に「ホトトギス」派とは袂を分つ。『葛飾』所収。《一期一話》水原秋桜子
《一期一話》小林一茶亡(なき)母や海見る度(たび)に見る度に『七番日記』所収。《一期一話》小林一茶
《一期一話》種田山頭火春が来たいちはやく虫がやつて来た山頭火の句は理屈で味わうのではなく、個々の方が個々の想いと個々の感じ方で味わって頂ければと思います。彼は出家し、漂泊の思いにかられ、食を乞い、野宿して山野を流浪し、そして死んだ、これが彼の全てです。『孤寒』所収。《一期一話》種田山頭火
《一期一話》松尾芭蕉まとふどな犬ふみつけて猫の恋「まとふどな」とは正直な律儀者を指し、転じて愚直、間抜けな者にも使われた言葉。恋に一途な猫とその猫に踏まれてポカンとする犬との対比におかしみがあります。《一期一話》松尾芭蕉
《一期一話》古今和歌集よど川のよどむと人は見るらめど流れてふかき心あるものを女の所に通っていた男が飽きて通わなくなることを「淀む」といった。女は男に恨みをいったが、男曰く私の貴女に対する深い気持ちは今も変わりませんよと…よくある痴話喧嘩の一首です。《一期一話》古今和歌集