ジェシルと赤いゲート 30
「ケルパム、どこへ行っちゃったの?」ジェシルが辺りを見回す。「察するに、ふもとの自分の村に戻ったんじゃないのかなぁ?」ジャンセンが答える。「だってさ、女神を見たんだぜ?これは村の大人たちに話さなきゃならないさ!」「ジャン……あなた、なんだか興奮しているみたいだけど?」ジェシルは不満そうな顔をジャンセンに向ける。「この状況が分かっているの?わたしたち、とんでもない所に居るのよ!」「そうなんだろうけどさ……」笑顔のジャンセンの瞳はきらきらと光っている。大発見をしたと騒いでいた子供の頃のようだ。「嬉しいのは、ぼくの言葉が通じた事だよ!ぼくの研究は無駄じゃなかったんだよ!嬉しいなぁ!しかもさ、直接に生活や風俗なんかが確かめられるんだぜ!」「最低……」ジェシルはつぶやく。帰れるかどうかが心配なのに、ジャンセンは自分...ジェシルと赤いゲート30
2023/04/24 10:00