霊感少女 さとみ 2 学校七不思議の怪 第七章 屋上のさゆりの怪 38
「兄貴、なめられてるぜ!」一郎の後ろにいる中の一人が言う。「ここは一つ、やっちまわねぇと……」「まあ、待て、二郎」一郎がたしなめる。「オレたちの役目はここを守る事だ。ぶちのめすことじゃねぇ」「でもよう、二郎兄貴の言う事も分かるぜぇ」別の一人が言う。「守るって事はよう、ぶちのめすってのと同じじゃねぇかよう」……うわあ、竜二みたいな話方だわ。さとみはげんなりとする。普段は竜二を思い出しもしないのに、こんなイヤな切っ掛けで思い出してしまう自分に腹を立てるさとみだった。「まあまあ、三郎よ、落ち着きな」一郎は言うと、さとみと三人の祖母たちを見る。「向こうは、ちんちくりんの娘っ子とよぼよぼの婆あだ。慌てるこたぁねぇよ」「一郎兄貴、油断は禁物だぜ」最後の一人が言う。三人と比べると、ややまともそうだ。「ここを守るようにっ...霊感少女さとみ2学校七不思議の怪第七章屋上のさゆりの怪38
2022/06/30 09:00