敵の名は、宮本武蔵(木下昌輝)
読売新聞の書評で、興味をもって、本書を読んでみた。山本周五郎賞、直木賞、山田風太郎賞の候補になった作品という。題名が、なかなか、刺激的だ。最強と呼ばれた剣豪、宮本武蔵と対戦した相手側からの物語かなと想像させた。7章に分かれているが、最初の3章は、それに近く、中々、面白く読めた。しかし、4章以降、ちょっと、話が込み入ってきた感じがした。第六章で、4~5章の謎めいたものが整理されていくのだが、小次郎や武蔵の父、無二斎の存在が、あまりに、従来のものと違っており、受け入れるのが難しい感じがした。吉川英治の武蔵像が、多くのフィクションでありながら、イメージとして焼き付いているためだろうとは思うが、新しい武蔵像が、ぴんと来ないのだ。山田風太郎の摩訶不思議な剣豪小説を読んだことがあるが、ちょっと、それに近い感じになって...敵の名は、宮本武蔵(木下昌輝)
2024/01/24 20:29