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マダム・クニコの映画解体新書 https://blog.goo.ne.jp/mt1936_001

劇場と試写室で年間180本。現代思想とフェミニズムを核に、独自の切り口で批評する。

マダムクニコ
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2006/07/04

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  • 海街diary/反復可能性

    2015年日本是枝裕和監督小津作品を彷彿させる美しい姉妹の物語。3人姉妹の中に突然飛び込んできた異母妹によって、不在の両親をめぐる愛憎が次第に鮮明にる。そのプロセスが、鎌倉の古い屋敷と四季の風物詩を舞台に、俯瞰の多いカットで緩やかに描かれる。葬儀に始まり、葬儀で終わる。途中にも法要があり、極楽寺のアジサイや、サクラのトンネルが死者からのメッセージを伝えている。「死を意識して、今を大切に生きよ」と。自然体で日常を切り取っているので、等身大のような共感を持つ。その一方で強い違和感もある。例えば、父の葬儀の日に、初めて会ったばかりの異母妹との同居を、唐突に提案する長女。それをすんなりと受け入れ、素直で、礼儀正しく、隙のない優等生すぎる異母妹。ほとんど交流のない、再婚した母の不意打ち訪問と家屋売却の提案。3人姉妹&異母...海街diary/反復可能性

  • アリスのままで/「死」と「詩」

    2014年アメリカリチャード・グラッツアー&ウォッシュ・ウェストモアランド監督主人公である50歳の言語学者アリスは、若年性アルツハイマー患者だ。この病気は、早期で知性的な人ほど進行が速いという。他方、75歳以上の認知症患者は3.5人に1人の割合。そのほとんどがアルツハイマーである。他人事ではない。言語の研究を生業としている人が、徐々に言語を失い、ついには人間の尊厳も無くしてしまう・・・。その哀しみの過程を忠実かつ克明に描いている。奈落の底に堕ちていく、ジュリアン・ムーアの極めてリアルな演技の迫力。納得のアカデミー賞主演女優賞受賞である。アリスは、人格の喪失=死、と捉え、それを受け入れつつ、日々格闘している。彼女は本来的な生き方をしている、と言えよう。なぜか?人間は時間性(現在・過去・未来)の存在である。私たちは...アリスのままで/「死」と「詩」

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