エノキ(榎)
この墓地は、昭和30年代までは土葬の墓地だった。「さんま」と呼びならわしていたのは、後で知ることになったのだが仏教でいう「三昧場」のことだった。そこは記憶している限り子ども時代には地域の西の果てだったし死者がそこに葬られることは、半ば近隣の人たちにとっては集まりの場だった。確かに悲壮感などが漂っていたのだろうけれど学校でも地域のどこで遊んでいても叱られることばかりだった子どもたちにとっては畑の畔にある花を採って来てた向けることで『えぇ子やねぇ~』と褒められる行事の?一つだった。その「さんま」には、死者の棺を土葬する前に仮置きして祈る為の御影石で作られた蓮座があったし、今もそれは残されている。その蓮座を覆うようにエノキの大樹。夕暮れなどには、白黒映画時代のワンシーンのような風情があった。▲エノキは横方向にし...エノキ(榎)
2024/01/05 12:01