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  • プロローグ

    学生時代の友人とサークル気分でイベント関連の会社を設立するが、社長の浪費と自らの未熟さで経営が悪化、倒産の危機に。大幅なリストラに伴って初代社長は退き、次の人間が代表取締役に就任。組織変更もして会社再建に取り組むものの、シロウト経営で再び経営悪化。古参社員が密かに設立した会社に顧客を横取りされ、ますます窮地に陥って会社は倒産寸前。85年から02年にかけての、滑稽で悲惨な零細企業役員の会社倒産ドキュメント。人気blogランキングぽちっとクリックしてね♪プロローグ

  • 早起き地獄

    長らくサボっておりました。もうアクセス数もランキングもダダ下り。でもまた再開します。「午前4時かよ。まだ暗いのに…」セットしてあった目覚まし時計が次々と鳴り出した。本業のイベント現場に向かうときにも明け方に起きることはあった。でも、これが毎日続くのか。始発近い電車はガラガラなので座れる。到着までのわずかな時間だけでも寝ることにした。2001年2月。冷たい水で清掃作業をするので手にヒビが入り、そこに浸透した汚れが洗っても洗っても落ちない。朝が早いからといって終わりも早いとは限らない。夕方からまた別の清掃現場に行かされることもしばしば。2日分の仕事をしているようなものだ。これで夜遅くなると、もう本業の会社のことなど構う気力もなく、日々の銀行記帳すらしなくなっていた。まあ、どうせ入金なんてほとんどないのだが…。作業中...早起き地獄

  • 提携先でアルバイト

    アルバイトしたさに、またまた中浜産業(仮名)を訪ねた。我が社と業務提携をしているので、前回訪ねたときは「アルバイトさせて」とは切り出せなかった。でももう、そんなこと言ってる場合じゃない。食費も交通費も数日で尽きる。だから今日こそはアルバイトを申し込むのだ。ただ、ストレートに切り出すのはな~んかイヤ。成り行きでアルバイトに就いたように見せかけたい。この期に及んでつまらないプライドが介入してくる。さて、中浜社長(仮名)が現れた。「」中浜「どうですか。景気の方は」私「まあまあですね」んなわけない。極貧状態なのだ。まだ見栄を張りたいのか。中浜「このたび新しいグループ会社を設立することになりましてね」また新会社かよ。中浜産業は多数のグループ企業があるが、いずれも小さな会社ばかりだ。最低資本金で代表取締役が一人いるだけの会...提携先でアルバイト

  • 再び中年のアルバイト探しに

    01年。携帯も会社の電話も止まったまま。「催促の電話を受けなくていいし、気楽じゃわい」なんてのんびりしている場合じゃない。食費にも事欠くのだ。このままでは仕事を持ちながら餓死しかねない。従来の仕事は激減していた。数年前から、コンベンションセンターやホテルで行われる企業イベントでは、我が社のような音響専門の業者ではなく、映像業者が音響も兼ねるようになっていた。顧客企業としては、映像と音響を別々に発注するよりは、面倒ではないし安くてすむ。だから映像会社に仕事を侵食されていた。かといって、技術者を雇い、設備を導入する金なんかどこにもない。それより何より、創意工夫をする努力をまったくしなかった。こうなると、最低限の生活費を稼ぐためにアルバイトでもするしかないが、それに時間をとられると会社の営業活動に支障が出る。そして、...再び中年のアルバイト探しに

  • 電話が止まったままで

    01年の正月が明けた。新年、それも新世紀だというのに、どんよりと重い足取りで出社した。私の携帯も、会社の電話も通話が止まったまま。これでは来るはずの仕事も来なくなる。普通なら会社の電話が一日でも止まったら大あわてだろうが、もう感覚がマヒしているので、「まあ、近日中に何とかするべ」と、悠然というか超然と構えている。社長の室谷も来た。自分の会社だから来るのは当然だが、気が向いた時に来るのが習わしになっている。私「奥さんと話はつきましたか?」前年末に室谷は、奥さんの貯金200万を使い込んで追及されていた。室谷「すぐ返すから、と言ってなだめたよ」払うアテもないのに空約束をする。私と同じ作法だ。追い詰められた人間は似たようなことをするのか。私「会社の電話が止まってますが、どうしますかね」室谷「どうしようかね」私「……」話...電話が止まったままで

  • 身内からも借金

    「私の200万円どうなったのよぉおお!」年に一度、督促の魔の手から解放されるはずの正月なのに、実家にまで電話がかかってきた。それも、未払金が累積している取引先ならともかく、身内のはずの社長夫人からだ。私「200万?知りませんなあ~。愛人に中古のBMWでも買ってやったんじゃないっすか?いひひ」…なんて冗談でも言えない剣幕だ。何か事情があるかもしれない。とりあえず話を聞いてみる。社長夫人「すぐ返すというので私の貯金を貸したら、ぜんぜん連絡がとれなくなったんだけど、どこに行ったの」前にも似たようなことがあった。その時も社長の室谷の役員報酬を払っていなかった。それで家に金を入れられず、奥さんから「愛人に貢いでるんじゃないか」と疑われ、携帯を切りっ放しにして逃げていたのだ。しかし、今度は奥さんから200万円を借りて雲隠れ...身内からも借金

  • 暗い年末年始

    00年12月末。トッパライ(ギョーカイ用語で当日払いのこと)の仕事がぼちぼちあって、さすがに持ち金が何百円という事態は克服できた。でも、また恐怖の月末になった。毎月毎月、出金予定が入金予定を何十万も上回る。払うべきものを全部払うのは計算上不可能。だからその都度、負債が累積する。もう何年も前から恒例になっている、銀行のATMでの記帳の繰り返し。数分経ったところで新たな入金があるものじゃないのに、取り憑かれたように記帳を繰り返す。「早くしろよ!」と、うしろの列から苛立ちのオーラを感じつつ、ずっとATMに張り付く。その年の最終営業時間が終わった。「はい。これでオシマイ。あとは来年ね」消費者金融クレジットカード会社の家賃自分の生活費最低限(というか最低限も下回っているが)の支払分だけで残金はゼロ。来年払うといっても、入...暗い年末年始

  • 無銭出張成功!

    500円。これが会社の出張経費だ。「おやつは何にしようかな」違う違う。小学校の遠足じゃない。これで関東近県の現場まで行かなくてはならない。高速代は、首都高以外はカードが使える(00年当時)。ガソリン代も同じ。とにかくすべてをカードでまかなう。食費がなくても家賃が払えなくても、カードだけはただ1枚を人柱にして死守してきた。ただ、現場では不意の出費がよくあって、これが困る。00年暮のこの日も…。外注スタッフ「ワイヤレスマイクの電池が切れたんで、買ってきてくれます?」近所に商店街はあるが、カードでは買えない。だから離れたところにある、カードが使えるスーパーやコンビニまで行く。外注スタッフ「もう…。電池を買うのにどんだけ時間がかかってんですか」私「すいませんすいません」金がないからとは言いにくいが、適切な口実も思い浮か...無銭出張成功!

  • 寒い。そして貧乏

    00年も暮れようとしていた。もうすぐ21世紀を迎える。でも新世紀になったところで何が変わるわけでもない。年末のカウントダウンイベントも、新世紀だからといって予算をはずんでくれることはなく、「例年通りの請求でお願いします」といわれただけだ。世間は忘年会やクリスマスで楽しんでいるのだろうが、師走の厳寒の夜、私はひとり倉庫で機材をトラックに積み込んでいた。社員はとっくに辞めたし、社長の室谷は地道な作業は嫌う。だから私がやるしかない。深夜、やっと作業が終わった。もう終電もないので会社に泊まることにした。宿泊設備はないのでソファで寝る。しかし憂鬱だ。帰宅できないからではない。明朝、外注スタッフと待ち合わせているが、ギャラの支払いが悪いので顔を合わせればネチネチと文句を言われる。払わない方が悪いのだが、やはりイヤなものだ。...寒い。そして貧乏

  • 身の程知らずに仕事を断わる

    新事業を発足しても、まだ1円も稼いでない。「アイデア次第さ!」という思い込みがあって、営業努力も何もしてないからだ。そうこうしてるうち、本業の方がおろそかになってきた。厳密に言うなら、かなり前からおろそかにしていたのだが、少なくとも仕事の依頼があれば喜んで受けていたたものだ。イベント関係の仕事は、平日は鼻をほじる以外にやることがないほどヒマでも、土日祭日はスケジュールが集中する。だが、せっかく来た仕事なので、なんとか外注を使ってでもこなそうとする。20万の仕事を外注に丸投げした場合、その利ザヤは1~2万円程度。「20分の1かよ。つまんね」何百円の電車賃にも困っているくせに、分母が大きいので万単位の金が小銭に見える。ましてや、新事業に乗り出した今、外注業者への発注書なんか面倒で書いてられない。ということで、ヒマで...身の程知らずに仕事を断わる

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