公共交通と原発を中心に社会を幅広く考える。連帯を求めて孤立を恐れず、理想に近づくため毎日をより良く生きる。
4月に入り、北海道での生活は13年目に突入した。代わり映えのない人生のようにも思えるが、小さな変化はあちこちに転がっている。 1つ目は、なんといっても半世紀以上の人生でまったくやったことのなかった料理を始めたことだ。 今年2月に、妻が凍結した道路で転倒し、手をついた拍子に左手首を骨折してしまった。左手の手首から下が装具で固定されることになってしまった影響で、手先を使う細かい作業ができなくなった。このため、2月中旬以降、妻と一緒にキッチンに立ち、アドバイスを受けながら料理に取り組んでいる。我が家では、私が胃の摘出手術を受けて以降、質の悪いサラダ油を受け付けなくなったので、米油やオリーブオイルを使…
当ブログとして高校野球大会の講評を書くのは、2022年8月24日付で第104回夏の高校野球大会を取り上げて以来のことになる。 第97回選抜高校野球大会は、横浜(神奈川)の2006年以来、19年ぶりの優勝で幕を閉じた。 今大会は、ひとことで言えば「安心して見ていられる静かな大会」だった。天候に恵まれ、雨天順延は1試合もなく順調に日程を消化した。本命視されていた学校が順当に勝ち上がり、上位に残った。強豪校同士の対戦も「こことここの対戦なら、おそらくこちらの勝ち」と予想しておおむねその通りになった。 近年の大会にありがちな関係者の失言、グラウンド外の不祥事、選手以外の生徒の悪目立ちといった「場外戦」…
終わらない、終わるはずない「令和の米騒動」日本人は飢餓の時代の入口に立った
(この記事は、当ブログ管理人が「レイバーネット日本」に投稿した原稿をそのまま転載しています。) 昨年秋、全国の食卓を揺るがした「令和の米騒動」に収束の気配が見えない。「新米の集荷時期が来れば価格は元に戻る」と繰り返してきた農林水産省の説明も虚しく、今も米の価格は高値に張り付いたままだ。今、私の地元のスーパーでも、5kg入りの米が1袋3,500円程度で売られているが、昨年の今ごろはこの価格で10kg1袋が買えていた。体感的には米価格は2倍に上昇したことになる。 この騒動にはいつ終わりが来るのか。それ以前に終わりが来ること自体、あるのか。長年、農業界の片隅に身を置き、その変化を追ってきた私の目には…
【転載記事】東電原発事故は「勝てる事件だった」。刑事裁判で旧経営陣の責任を追及した弁護士の悔い なぜ無罪決着に終わったのか、9年半の闘いに思うこと
東電原発事故は「勝てる事件だった」。刑事裁判で旧経営陣の責任を追及した弁護士の悔い なぜ無罪決着に終わったのか、9年半の闘いに思うこと(47ニュース) ---------------------------------------------------------------------------- 共同通信の単独インタビューに応じる石田省三郎弁護士 未曽有の大事故から14年、東京電力福島第1原発事故で強制起訴された旧経営陣は無罪が確定し、刑事裁判が終結した。この事件は、検察が旧経営陣をいったん不起訴にしたが、市民で構成される検察審査会が「起訴するべきだ」と判断したため、弁護士が代わりに検…
【訃報】佐藤栄佐久元福島知事 プルサーマルに反対し国・東電と闘った信念の人
佐藤栄佐久元福島知事が死去、85歳 5期18年…分権、原子力で国と対峙(福島民友) ------------------------------------------------------------------------- 福島県知事を5期18年務め、地方分権の推進や本県の均衡ある発展に尽力した佐藤栄佐久(さとう・えいさく)さんが19日午前3時1分、老衰のため郡山市の高齢者施設で死去した。85歳。自宅は郡山市。通夜は27日午後5時、葬儀・告別式は28日午後2時から郡山市方八町の郡山斎場で。喪主は長男栄祐(えいゆう)さん。 佐藤さんは郡山市出身。安積高、東京大法学部卒。日本青年会議所副会…
(この記事は、当ブログ管理人が長野県大鹿村のリニア建設反対住民団体「大鹿の十年先を変える会」会報「越路」に発表した原稿をそのまま掲載しています。) この話はずっと前から当コラムに書きたくて仕方なかった。それができないでいたのは自分の中で確証が持てなかったからである。だが最近になって確証とは言えないまでも「状況証拠」はかなり揃ってきたように見える。ずばり、原発誘致や再稼働同意と引き替えに新幹線が「返礼品」として贈られているのではないかという「疑惑」についてである。 整備新幹線は、1997年に開業した北陸新幹線東京~長野を皮切りに、順次延伸開業を続けてきた。だが、延伸した新幹線の路線図を見ていた私…
管理人より、カテゴリー再編についてのお知らせです。 ・「共産趣味」カテゴリーを「共産趣味/労働問題(公共交通・原発除く)」に変更しました 便宜上の措置ですが、「その他社会・時事」カテゴリーに含めていた労働問題関係の記事をここに移動するため、カテゴリー名を変更しました。 もともと、当ブログが「観察対象」にしているのは、本気で経営側と闘って社会改革や問題提起につなげることを目的としている戦闘的労働組合やその周辺に関するものがほとんどであり、共産趣味の一環と捉えてもいいと考えたからです。 労働問題のうち公共交通に関するものは「鉄道・公共交通/交通政策」カテゴリで、原発に関するものは「原発問題/一般」…
管理人よりお知らせです。 3月11日、関西電力本店前で「老朽原発うごかすな!上関に使用済み核燃料を押しつけるな!311関電本店抗議行動」が行われますので、お知らせします。この集会に向け、私から以下のとおりメッセージを出しましたのでご紹介します。 ------------------------------------------------------------------------ 関電前行動に参加のみなさん、こんにちは。3.11福島原発事故当時、福島県西郷村に住んでいた元県民の1人としてメッセージを送ります。 国が、2月に正式決定した新しいエネルギー基本計画で、「原発依存度をできる限り…
【訃報】竹田とし子さん(「大間原発訴訟の会」代表)津軽海峡の「対岸」から大間原発反対運動を率いる
青森・大間原発建設差し止め訴訟原告の竹田とし子さん死去 76歳(朝日) ---------------------------------------------------------------------------- 建設中の大間原発(青森県大間町)の建設差し止めなどを求める訴訟を起こした北海道函館市の市民団体「大間原発訴訟の会」代表の竹田とし子さんが死去した。76歳だった。2011年の東京電力福島第一原発事故の前から「命を守れ」と声を上げ続けた半生だった。 訴訟の会事務局長の中森司さん(76)によると、竹田さんは2月28日朝、市内の自宅で倒れ、くも膜下出血で亡くなった。 北海道旭川市…
東電刑事裁判、経営陣2人を「無罪」とする不当判決が確定/福島原発告訴団等の声明
東電強制起訴、旧経営陣の無罪確定へ 福島原発事故で最高裁上告棄却(毎日) 私自身も、福島県民に参加者を絞って、2012年6月に発足した福島原発告訴団発足から関わり、12年半にわたって支援を続けてきた福島原発事故刑事訴訟について、最高裁は3月5日付で、1~2審の無罪判決を不服として検察官役の指定弁護士が行った上告を棄却する決定をしました。日本の歴史上最大の被害を出した福島第1原発事故の刑事責任は、誰ひとり問われることなく終わることになります。 告訴・告発運動を担ってきた福島原発告訴団と、検察審査会による強制起訴以降の裁判支援運動を担ってきた福島原発刑事訴訟支援団は、この決定を受け、共同で声明を発…
【週刊 本の発見】『3.11 大津波の対策を邪魔した男たち』
(この記事は、当ブログ管理人が「レイバーネット日本」の書評コーナー「週刊 本の発見」に寄稿した内容をそのまま転載したものです。) 無視された警告〜そして事故は起きた 『3.11 大津波の対策を邪魔した男たち』(島崎邦彦 著、青志社、本体1,400円、2023年3月)評者:黒鉄好 私は、本書の著者・島崎邦彦さんの講演を、福島原発刑事訴訟支援団の集会で一度、聞いたことがある。穏やかな学究肌で組織内政治や権謀術数とはおよそ無縁の人である。その穏やかな人柄を象徴するような優しい筆致で書かれているが、内容は辛辣だ。自身が再三にわたって発してきた警告を無視した者に対する告発の書である。 島崎さんは福島第1…
冬来たりなば春遠からじというけれど・・・人手不足の春、来たる
3月に入った。 4月人事の公表は3月中旬でまだ明らかではないが、うっすらとわかっているのは、どうやら「サプライズ人事」はなさそうだということ。そしてはっきりとわかっているのは私自身にはこの春も異動はないということである。2013年4月から続く北海道生活は、丸12年を超え、13年目に入る。こんなに長く続くと思っていなかった(最近は毎年同じことを言っている気がするが)。個人的には、ここの生活はかなり気に入っているので、役職定年となる60歳まで、もうこのままでもいいと思っている。 一時は停滞気味だった私の精神状態は、当ブログ昨年10月12日付記事「天高く、復調の秋」で書いたとおり、かなり復調してきて…
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