エピローグ1-5 終わり
着替えて、ギターを背負う。これからスタジオ。年中を抑えたままのスタジオ。いつでも使えるように、資金のほとんどがスタジオに費やされている。所有は嫌い。だから、高くても借りる。身軽なほうがいいのだ、飛ぶためには。 裏口を説得されて選択、そちらから外に帰還。 春の陽気。行き先だけを私に告げる端末でスタジオへの経路を調べる。立ち止まる私は数枚、撮影された。視線を送る。目を逸らした。ありきたりな光景。いくらかあなたの話題になってくれたら、幸い。一過性、見返すこともないのだから、腹を立てるのはナンセンス。取り合うべき対象は、曲である。 いつかのための帽子をギターケースのポケットから引き出す。黒いキャップを…
2025/03/23 12:30