おお、神よ。あなたはそこにいらしたのですね、私の足元に1-8
「どうも」男が一人、挨拶を述べた。私は咄嗟に声のほうに姿勢正した。短く借り上げた髪、端整な顔立ちは横顔がそう言っている。 「ここは何をする場所ですか?」男は片手を腰に当てて、首を鳴らした。しばらく間があく、コーヒーがボタン一つでカップに注がれた。コーヒーメーカーの方は手を付けないのか。 「初めての人?」響く声、しかし高音も持ち合わせた融合。厚い瞼に一重の切れ長の瞳。 「その辺を散歩していたら、たまたま通りかかって、それで中に入れてもらいました。あの、ご迷惑なら、帰ります」 「部外者は入れない、一歩とたりとも。入れたのは選ばれたからで、あなたはここにいる権利が認められた。慌てて出る必要ない。また…
2025/04/30 21:30