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  • 幻のウサギ

    休んだ子にプリントを届けました感じのいい平屋の白い家でしたウサギを飼っていることを聞いていましたが果たして私はウサギを見たのか見なかったのかそこの記憶はおぼろげです幻のウサギ

  • おんぶ

    祖母はぐずって眠らない赤ん坊の私をおんぶして近所を歩いたそうですその習慣は赤ん坊がもはや赤ん坊とは言えない大きさに成長してもまだ続いていたようです後年近所の駄菓子屋のお婆さんが言いました「わたしゃあんたが足の不自由な子だと思ってたんだよそしたら駆け足が早いじゃないか!びっくりしたよ」おんぶ

  • 月の観察

    宿題が出ました「月の観察」1週間だか2週間だか毎晩月を観察、記録しなさいという勉強ギライが玉にキズの小学2年生は1日だけやってあとはやりませんでした月の観察

  • 同じ夢

    夢の穴に落ちていた頃何度か同じ夢を見ました野原にほったて小屋が建っていて中を覗くと暗い屋内には黒い服を着たお婆さんがじっと座っているのです隙間からは薄い光が漏れ入ってきますそれだけ怖い夢ではありますが決して悪夢ではないどこか不思議な安らぎを残してゆく夢でした同じ夢

  • 夢の穴

    まだほんの小さな幼児の頃眠りに落ちる瞬間は枕に底なしの闇の穴が開きましたそしてその中に落ちてゆくのでした夢の穴

  • 登下校 ー今川焼きー

    3年の受験期になると学年全員が休日に登校して業者テストを受けさせられました確か月1くらいで5回5回の偏差値アベレージで受験する高校を決めるのでした初冬最後ー5回目の業者テストの帰り道でしたM君と今川焼きを買い食いしました5個ずつ…M君はペロリと5個食べ切りました私はどうしても最後の1個が入らないのでした登下校ー今川焼きー

  • 登下校 ーノミー

    生家には2匹の猫がいましたそれ程キレイとは言えない飼い方をしていましたからノミはいつもいましたが汗ばむ季節には数も増えるし動きも活発になりました閉口したのは登校の道中をC君と歩いていて左手の甲に2匹のノミを見つけた時でしたノミを見つけたら「潰す」我が母の普段に倣い右手の人差し指と中指で左手に居る2匹を押さえました私は時々小刻みにグリグリやりながら学校に着くまでそのままの状態で歩きましたようやく1人になり指をどかすとノミはいませんでした恐るべしノミ!登下校ーノミー

  • 登下校 ー15歳ー

    3年生後半くらいからでしょうかC君と歩く登校コースは住宅街にポッカリと残された広い野原を左手に見る道を選ぶようになっていました手入れをされた野原でしたキリン草やブタクサの原っぱとは違う秋にはたくさんのコスモスが咲くような野原でしたそれを左に見ながら歩いていますとチリンチリンと音がして振り向くとつっぱり3人組ですオーッス!と言って我々を追い抜いてゆきます毎朝大体この地点で3人組が追い抜いて行くのでしたきっと彼らもこの野原を気に入ってここの道を選んだのでしょうつっぱり君たちを親しみやすく感じた思い出もあってこの道の記憶は感じのいい映像で脳内に保存されています登下校ー15歳ー

  • 登下校 ー人間の証明ー

    帰り道で私は自分の帽子を青空に向かって思い切り高く放り投げました友人はジョー山中の歌う人間の証明のテーマを歌いました登下校ー人間の証明ー

  • 登下校 ー立ち読みー

    下校の道中は道草パラダイスでした友人の用事に付き合ったり噴水広場がある団地の広い公園で遊んでいったり電車通学してる友人の電車に一緒に乗ってみたりと好奇心に任せてふらふらする帰途でした色々のふらふらがありましたがその中には立ち読みがありましたふらふらのレギュラーコースです週刊少年誌ージャンプにマガジンにチャンピオンにサンデー4つもありましたから週に1回どころではない頻度で本屋さんにご迷惑をかけていたのだと思います登下校ー立ち読みー

  • 登下校 ーコロコロの後はドサッー

    その日はK君と一緒に下校の途についていましたパチンコ屋さんの裏道を歩いているときですコロコロとパチンコ玉が1つ転がっているのを発見!登校時と違って下校の時は道草のやり放題です私はパチンコ玉1個を握りしめパチンコ台の前に立ちました勝負はものの1秒でおしまいあきらめの悪い私は2個目を探し始めました2個目が見つかったかどうかは覚えていません覚えているのは…店員に追いかけられた事自転車のK君がさっさと逃げてしまった事自転車の荷台から私の肩かけ鞄がドサッと落っこちたのを目もくれずに私を置いて行ってしまった事です追記K君とはその後も仲良しです登下校ーコロコロの後はドサッー

  • 登下校 ーセブンイレブンー

    私が中1の時と記憶しているのですが念のため調べてみましたするとその店舗が1975年10月開店とあり記憶が確かであるとわかりました毎朝C君と歩く40分の通学路は住宅街駅前商店街マンモス団地街を抜けてゆく変化に富んだ道中で道すじは幾多のバリエーションがありましたとは言っても登校のときは時間に限りがあるので面白い道よりも時短な道の方を歩く傾向はありましたがしかし時短を優先しつつも好きな道今朝の気分の道をC君と選んでいたように思いますマンモス団地街の入り口にあったセブンイレブンを通る道を選ぶ朝は好きとかの気分ではなく大抵は立ち寄る必要があるからでした母の弁当作りが間に合わない朝昼のパンを買うのが目的でした朝の7時に開店し夜の11時に閉店する食料雑貨店など当時の界隈では皆無でしたから有り難くも衝撃的でありました田畑...登下校ーセブンイレブンー

  • 登下校 ー画鋲ー

    いつものようにC君の家に寄った朝のいつものように玄関先で待つ間のことです片方の脇の下がいつもと違っていましたチクチクと刺すように痛いのです(虫が入ったのだろうか…)意を決して詰め襟のボタンを全部外しワイシャツのボタンも上から3つ目まで外してえり口から手を入れ脇の下を探りますと…なんと画鋲!少女漫画だとバレエのトーシューズが王道ですが脇の下とは?はて…いったい何がどうして脇の下に画鋲?謎のまま迷宮に入った事件でした登下校ー画鋲ー

  • 登下校 ーレモネードー

    中学の3年間学校まで片道40分の道のりを毎朝C君と一緒に歩いて通いました学校からより遠い私がC君の家に寄っていくのですがある朝C君の支度が遅れて玄関先で少し待つことになりましたその時C君のお母さんが待たせてごめんなさいねと言って出してくれた温かい飲み物はとてもおいしい初めての味でした後になってそれがレモネードという飲み物であることを知りました登下校ーレモネードー

  • 帰途の空

    毎年夏休みには都心にある母の生家に長逗留しました小さな古い家では母の実姉と実父が落ち着いた静かな暮らしを立てていましたゴタゴタの絶えない大家族に暮らす私の普段の暮らしとはまるで正反対の日常が好きでしたその夏は兄姉たちの都合がつかなかったので伯母が私の帰路に付き添ってくれました車窓に見えた晩夏の空を寂しい思いで見ていたこと覚えています私を地元の駅まで送り届けると伯母はすぐにきびすを返して都心に帰って行きました帰途の空

  • 花より団子

    もう50年も前仮面ライダーのスナック菓子が少年たちの間で大ブームでしたおまけに付いてくるカード集めが流行ったからでしたカードだけ取り出してお菓子を捨ててしまう子がいるくらい異常なブームは社会問題になりました捨てられたスナック菓子のゴミの山を新聞写真に見た時当時10歳前後の私は子どもながら嫌な気持ちになりました(おいしいのにもったいないなー)カードには全く興味がなかったので自分のは友人にあげました代わりに友人の菓子をもらいました花より団子

  • 階段ギャラリー

    中学1年生のときは3年の先輩たちが大人に見えましたある日校内では1階から4階までの階段の壁を使って3年生の絵画作品が展示されました私はその技巧と想像力に圧倒されながらゆっくりと階段を登りましたそしてようやく4階まで来て最後の作品を目にした時ですそれは衝撃的でした地球創世記の海と空なのか空から降ってくる海からうねり上がって行く光とエネルギーのようなものが描かれてありました49年後の今となってはもはや印象記憶でしかないのですがすごいものを見た衝撃だけは鮮やかに残ってます階段ギャラリー

  • すごい応援

    長距離走をやっていた私は春の市民大会5000mを高校時代に走りました400mトラックを12周半走るのですが周回ごとに私の名前をちゃん付けで応援する声が聞こえてきます何周目かで声の主を発見!なんと母がゴール付近の審判たちに紛れて手を叩きながらキャーキャーやっていたのでした長閑な市民大会でしたすごい応援

  • 古い冷蔵庫

    次姉が大学生の時生家では冷蔵庫を1ドアから2ドアに買い替えましたちょうど次姉の学友が一人暮らしに冷蔵庫を欲しがってるということで古い1ドアの冷蔵庫はその学友に引き取ってもらうことが決まりましたさて引き取りの当日次姉と友人たちは長い間ずっと定位置にいた古い冷蔵庫を遂に動かしたのですとりあえず屋外に運びほこりまみれの冷蔵庫の裏をパタパタはたく…パタパタパタパタパ……ん?ね、ねねね…!なんと冷蔵庫の裏にはネズミのミイラがたてまつられていたのでした古い冷蔵庫

  • シーモンキー

    家計は決して楽ではなかったと思うのですが小学校の6年間学研の科学を取ってくれましたある月の附録教材は「シーモンキー」ケシ粒のような卵を水に入れると間もなく孵化しましたへー……私の知的好奇心はここで終わりでした父の紅茶キノコと似たり寄ったりでしたシーモンキー

  • ふたけたの掛け算

    父が作ったダイニングテーブルは寄りかかるとガタガタ揺れましたそのテーブルで母にふた桁のかけ算を教わりましたのみこみの遅い私でしたが気の長い母は我慢強く教えてくれました「お母ちゃんお便所行ってくるからねそれまでにこの問題をやってみてね」たった1問のふた桁かけ算でしたが私には高い壁に思えましたどうか母のお便所が長くなるよう願いながらもたもたと計算問題を解きました幸い母のお便所はずいぶん長くかかったので計算問題を解くことが間に合いましたふたけたの掛け算

  • よそゆき

    私の子供時代母のよそゆきは一着だけでした授業参観とか電車に乗るようなお出かけとかいつもこの服でした自分のものを少ししか持たない93で一生を閉じるまで母はそうでしたよそゆき

  • 丸くて赤い

    その日は体育館の半分が柔道部半分がバスケ部という割り当てになっていました先に来ていた友人がコートの端っこに突っ立っていたので近寄っていくと友人の丸いほっぺたの片方が赤くなっているのが判りました柔道部のスペースを横切る時畳のヘリを踏んづけてしまったそしたら顧問の先生にビンタを喰らった…そう話す友人の顔半分はリンゴになっていました丸くて赤い

  • 続 それぞれ

    流行り物に正直で家庭的な長姉は新御三家の中では野口五郎が好きだったので誕生日に「武蔵野詩人」というタイトルのシングル盤を私からプレゼントしました流行り物オンチで勉学ひとすじの次姉は万葉学者犬養孝先生のラジオ番組での語りがツボで欠かさずに彼のラジオ講座を聴いていました続それぞれ

  • それぞれ

    おしゃれでマイペースな長兄はオードリーヘップバーンの大きなポスターを部屋の壁に貼っていました勤勉でどこか不器用な次兄はラジオから流れてくる天地真理の歌声に聞き入っていましたおっちょこちょいでぼんやりの三男(私です)は研ナオコの出るテレビを見て喜んでいましたそれぞれ

  • 絵本屋さん

    大学生の時生家からひとつ先の駅近くに小さな絵本屋さんができました一時期はよく通ったものです店主に絵本の話を聞くのが楽しみでしたある日小さな店内にはネギの匂いが漂っていました(店主さん昼食はざる蕎麦でしたか)おかしみを噛みしめながら店主の絵本話を聞いていました私はセンダックの絵本を買って帰りました絵本屋さん

  • 虹色の湖

    地方から来た大学時代のその友人は安アパートで苦学生活を送り学生生活の後も数年間同じアパートに住み続けましたある日その近所で会った私たちは駅前のドトールへ一緒に歩きました裏道の角を曲がった時でした「俺さーこの角を曲がるといつも頭の中にある曲が流れてくるんだよね」と友人「へー何の曲?」「中村晃子の虹色の湖…」理由は本人にもわからないそうです虹色の湖

  • 紅茶キノコ

    父の場所には座椅子とタバコと灰皿がいつもありましたがいつの頃からか茶色い液体の入った瓶が加わりました父が育てている「紅茶キノコ」でした家族の誰も飲みませんでした多分父も飲まなかったと思います紅茶キノコは知らない間に父の場所からいなくなっていました紅茶キノコ

  • ソフトクリーム

    どこかで見たのか誰かから聞いたのかいっときこんな食べ方にハマっていましたソフトクリームをストローで飲んでいるような感触とクリームが陥没していく様子が面白くてそうやって食べていましたその後マクドナルドが上陸しマックシェイクを飲みましたソフトクリームをコーンの底からすするのと似ていると思いましたソフトクリーム

  • ドッジボール

    最初から嫌いな球技でしたそれが顔にぶつけられてからは嫌いから大嫌いになりました先生が笑いをこらえて吹いたホイッスルは音が笑っていましたドッジボール

  • ハッピーアワー

    取りえは駆けっこが速いことそのスキルだけで本当は苦手でしょうがない小学校生活を乗り切っていましたけれどもこの時間だけは苦手じゃありませんでした給食です大好きな時間でした好き嫌いが全く無く食も細くないのでこの時間だけは何の心配もなく緊張もなくただ幸福で楽しい時間でしたある日いつものように美味しくそして正しく(つまり三角食べできちんと)食べていると隣りの班の女子2人がじーっとこちらを見ている視線に気がつきました「え?なになに?」「シロ君の食べ方ってちゃんとしてるよね」うれしかったので覚えていますハッピーアワー

  • 3種盛り

    遠い昔の夏休み父と長兄を除いた兄姉たちと海水浴に行きましたお昼は大きな菓子箱に入った沢山のおにぎりでしたおにぎりは四角と丸と三角の3種中味も3種例えば丸は梅干し四角はおかか三角はシャケというように形で中味がわかるようにこしらえてありましたお母ちゃんグッジョブ!3種盛り

  • ラジオの時間

    小4の一時期はクラスメートの影響であるラジオ番組を聴いていました9時台の後半にある短い時間の番組で布団に入ってから聴くことがほとんどでした江戸川乱歩劇場…江戸川乱歩の作品を読んで聴かせてくれる番組でしたテーマ音楽(今もメロディをラララで歌えます)のあと渋い声がちょっと不気味に「本日は銀のページ…」とか言って朗読劇が始まるのでしたある時ちょっと早めにラジオをつけると「欽ちゃんのドンとやってみよう」という番組をやっていました後にテレビで一世を風靡した人気番組の前身です面白かったので欽ちゃんと乱歩両方とも聴くようになりましたそしていつしか欽ちゃんだけになりやがてラジオは高校まで聴かなくなってしまいましたラジオの時間

  • 隣のお婆さんは顔が鬼に似ていました怒ると紛れもなく鬼になりました私は何度か鬼に遭遇しています鬼は自宅の建つ低い崖の下に猫の額ほどの畑を作りました猜疑心と防衛本能の強い鬼でしたからあんな狭い畑を柵で囲いました柵は杭と杭の間をパンティーストッキングでつなげてある奇妙なものでした柵

  • 満天の星

    母の内職は時々深夜に及びましたやっと仕上げて近所に持って行く時犬の「メリーさん」がお供について行くのでした春夏秋冬いつの夜でしたか無事に仕事を届けメリーさんと一緒に帰宅した母はとても嬉しそうでした「今日は星が本当にきれいだったー!」もう50年近くも昔の思い出です犬を連れ立って深夜の原っぱ道をてくてくと歩きながら満天の星を仰ぎ見る母を想像しています50年という歳月は父を祖母を母を伯母を地上から連れ去っていきましたそして天上に瞬きを4つ加えました満天の星

  • ヘチマの観察

    小3の夏休み学校の畑に植えたヘチマの観察を友だちとしましたせっちゃんがおむすびを持ってきてくれたので3人で食べましたのり玉がまぶしてある美味しいおむすびこの後雨が降ってきて3人は近くの公園の土管で雨宿りをしましたすると先ほどのおにぎりが程よくお腹を刺激してくれたのか強烈な便意が私に襲いかかったのです詳細は省きます…ヘチマの観察

  • びっくりハウス

    市内にできた遊園地に行きました昭和の真ん中過ぎの時代です私と祖母は次兄の先導で家の形をしたアトラクションに入りました中にはベンチが置いてあるだけです勝手知ったる次兄はさっさとベンチに腰掛けました祖母と私はわけもわからず次兄に従いましたやがて入り口が閉められた次の瞬間です私と祖母は悲鳴をあげてまず椅子にしがみつき次にお互いにしがみつきました家が逆さまにひっくり返ったのです正しくいうと壁と天井が回っているのですがそれがわかるまではびっくりもびっくりのびっくりでした老婆と幼児のあまりの慌てように他の客たちは爆笑し兄は横で失笑していましたびっくりハウス

  • みぃ〜

    友人が送ってくれたみぃ〜と鳴くドアの動画で思い出しました生家の古い台所では水を使って蛇口を閉めるとみぃ〜一拍置いて必ずモーターが鳴いてくれるのでしたみぃ〜

  • 風呂

    13才の夏くらいまで生家の風呂は薪と石炭で沸かしていましたお湯がぬるくなると「お母ちゃーん!たいてー!」と風呂場から声をあげます大抵台所にいる母はその声を聞くと薪風呂釜のある半屋外のようなタタキに出て石炭をくべてくれるのでしたこの「お母ちゃーん!たいてー!」が私は苦手で仕方なった…5人の子供とかくしゃくとした姑と自己主張の下手な亭主とで計7人それらの世話に明け暮れる母を末っ子の私は幼稚でつたないながらも労いの情で見ていましたから母を忙しく動かすことに躊躇してしまう癖がついてしまったようなのですある夜結局「お母ちゃーん!たいてー!」が言えずに風呂を上がりましたするとその後に入った兄姉たちの誰かだったでしょうか父だったでしょうかお湯のぬるさに驚いて大声をあげましたその時母が珍しく語気を強くして私に言ったのです...風呂

  • らせん階段の家

    生家のすぐ目の前に医院がありましたそこの兄妹と小さい頃よく遊びました数年後医院は近所に豪邸を建て引っ越しをしました初めてその家にお邪魔してびっくりしました玄関を入ると吹き抜けになっていてらせん階段で2階に上がる造りになっていました驚いたのはそれだけでありません廊下も階段も本来ならば板の間になっているはずの床に全て青いカーペットが寸分の隙間なくきっちりと敷かれてあるのでしたらせん階段の家

  • 謎のジュース

    バスケットの練習試合に行く途中にその自動販売機はありました「グアバ…って知ってる?」「知らない」帰り道で再びその前に来た時2人はそれを買いました美味しかった!と記憶しています謎のジュース

  • 不思議なポケット

    保育園ではクリスマスに発表会がありました「不思議なポケット」を踊りました♪ポケットをたたくとビスケットがひとつ〜♪そんな歌詞だったと思います私にとって不思議だったのは水色のチェック柄のエプロンを忙しい母がいつ仕立てたのか…でした不思議なポケット

  • 階段

    12才まで自分の机も椅子もなかったので時々階段に腰かけてたて笛を吹きましたそこが好きなのでしたある日お使いで近所のパン屋さんに行くとそこの子供が階段でお絵描きをしていました楽しそう!と思いました階段

  • 転んだ日

    ただ走るのが好きでしたそれが転んで4位になった7才の冬からは「走って1位を取ること」に変わりましたあの4位がよっぽど悔しかったのですというのも3位までがもらえるメダルが欲しかったのですもしもあの時転ばないで3位に入りメダルを手にしていたらそれほどには頑張らないで済んだ少年時代だったような気がします転んだ日

  • 内気で寡黙な父は面白いことを言ったりやったりなど到底できない人でしたそれでも時々タバコの煙で輪っかを作ってくれて私を面白がらせてくれるのでした父は父なりのお茶目さんをやってくれたのだ…とありがたく思う今日です輪

  • 毛虫

    生家の庭には樹木が何本も植えられていましたその中の1本に登りやすい木があり小さな頃にはよく登ったものでしたある日いつものように枝に座っていたらなんと半ズボンに大きな毛虫がとまっていました声の限り泣き叫びました姉が小枝で取ってくれました毛虫

  • ブルーチップ

    ブルーチップはポイントスタンプで決して近所とは言えないとあるストアで買い物をすると金額に応じた枚数をレジでくれるのでしたブルーチップは小さな切手の形をしていましたそれを集めて専用のノートに貼り線路沿いにあるブルーチップのお店に持っていきますそこであらかじめカタログを見て決めておいた品物を注文し、ブルーチップを貼った専用ノートを品物相応の冊数店員さんに渡すのです母が重宝していた洗濯機はブルーチップで買ったものでした兄姉たちは天体望遠鏡を買ってもらいましたブルーチップ

  • 引き出し

    台所のシンクに1つだけ引き出しがありましたブルーチップとバニラエッセンスが入っていました引き出し

  • チョコレートマーガリンさん

    給食ではごくごく稀にチョコレートマーガリンが出てくることがありました私にはとても美味しいものでしたある日姉とダイエーに行くと興奮しましたチョコレートマーガリンが普通のマーガリン容器のサイズで売っていたのですしかも百円もしない安さ!自分の小遣いで買って帰りましたドキドキしながらひと匙…………私に2匙目はありませんでしたそれからずいぶん長いこと手付かずのまま冷蔵庫の片隅にチョコレートマーガリンさんは住んでいましたチョコレートマーガリンさん

  • ドーナツ

    友だちと空き地で遊んでいると50円玉が1つ落ちていましたお腹がすいていたのでそれでドーナツを1つ買って友だちと半分こしましたドーナツ

  • トリコロール

    母は家事の全てを終えた夜更けに内職をしていました小さな座卓には青インクとインク消しの白のキャップと赤のキャップが並んでいましたトリコロール

  • 赤い花

    保健室の前庭には空き缶を植木鉢がわりに枯れた木が植えられていました掃除当番が保健室だった3学期掃除の後は友人と枯れ木に水をやりました3学期が終わり新学期が始まったある日保健の先生が駆け寄ってきて言いました「赤い花が咲きましたよ!」枯れ木は枯れていませんでした赤い花

  • りんご飴

    屋根の上でりんご飴を食べていると母が洗濯物を干しに庭に出てきました五月晴れの空には綿雲がひとつ浮かんでいましたりんご飴

  • きゅうり

    きゅうりを食べる三毛猫を飼っていました名前は「ちょんぼ」といいました麻雀ばかりやっていた大学生の兄が名付け親ですきゅうり

  • カレンダー

    どこかの銀行?それとも保険会社だったかとてもきれいなカレンダーでしたからその年が終わってからも部屋の壁にずっと貼り続けましたイラスト永田萌とありましたカレンダー

  • とても小さな壺

    開けっぱなしの窓から蜂が行ったり来たりしていました本棚の奥には土で作ったらしい小さな壺が引っ付いていましたそれは蜂がこしらえた巣なのだそうですとても小さな壺

  • 黄色についての仮説

    前回の投稿記事を書き終えるとあることに気がつきました黄色のプラスチック製品にワクワクする感覚と月を見てワクワクするする感覚はもしかしたら似ているかもしれないと黄色についての仮説

  • 黄色のボール

    黄色のビニールボール黄色の消しゴム黄色のスーパーボール黄色のキャップ…黄色のプラスチック製品になぜかワクワクしていた子供時代でしたそして今もその名残りが嗜好の隅に残っているような感覚があるのです黄色のボール

  • オモシ

    玄関を上るとすぐの廊下のかどっこは祖母が仕立て上げたばかりの着物が保存される場所になっていました着物は完璧に畳まれ厚紙と薄板でサンドイッチにされた状態で寝かされて更にその上には大きな木の箱がオモシとして乗せられているのでした木の箱はとても重いもので子供の私にはとても持ち上げることなどできませんでした(一体何が入っていてあんなに重いのだろう…)ずっと疑問に思っていましたそしてそれはいまだに謎なんです祖母はずいぶん前に102才で亡くなりましたオモシ

  • ハナ歌

    母は台所をやりながらたまーに鼻歌を歌いました♪これこれ杉の子起きなさい〜♪ここだけを何度か繰り返して歌うのでしたハナ歌

  • マスコット

    台所の壁の隅っこに兄弟の誰かが鉛筆で描いた落書き密かに気に入っていました結局誰が描いたのか知らないまま家は取り壊されてしまいましたマスコット

  • すき間

    いちごの空き容器で飼っていたヤドカリは何度か脱走をしました仏壇と壁のすき間にいる所を発見されるのが常でした不思議なのは脱走途中にある階段をあの子はどうやって登っていったのだろう…すき間

  • ユスラウメ

    梅雨の時期に実をつけるその木をユスラウメと家族は言っていました雨の日に友だちと収穫した思い出をミニトマトを食べて思い出しています味が似ていたのですユスラウメ

  • 祖母は着物の仕立てを仕事にしていました部屋の片隅にハンドクリーム開けると折れた針が入っていました子ども心に怖かった針

  • 小窓

    生家の小窓そこから春が見えました小窓

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