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  • 絵本屋さん

    大学生の時生家からひとつ先の駅近くに小さな絵本屋さんができました一時期はよく通ったものです店主に絵本の話を聞くのが楽しみでしたある日小さな店内にはネギの匂いが漂っていました(店主さん昼食はざる蕎麦でしたか)おかしみを噛みしめながら店主の絵本話を聞いていました私はセンダックの絵本を買って帰りました絵本屋さん

  • 虹色の湖

    地方から来た大学時代のその友人は安アパートで苦学生活を送り学生生活の後も数年間同じアパートに住み続けましたある日その近所で会った私たちは駅前のドトールへ一緒に歩きました裏道の角を曲がった時でした「俺さーこの角を曲がるといつも頭の中にある曲が流れてくるんだよね」と友人「へー何の曲?」「中村晃子の虹色の湖…」理由は本人にもわからないそうです虹色の湖

  • 紅茶キノコ

    父の場所には座椅子とタバコと灰皿がいつもありましたがいつの頃からか茶色い液体の入った瓶が加わりました父が育てている「紅茶キノコ」でした家族の誰も飲みませんでした多分父も飲まなかったと思います紅茶キノコは知らない間に父の場所からいなくなっていました紅茶キノコ

  • ソフトクリーム

    どこかで見たのか誰かから聞いたのかいっときこんな食べ方にハマっていましたソフトクリームをストローで飲んでいるような感触とクリームが陥没していく様子が面白くてそうやって食べていましたその後マクドナルドが上陸しマックシェイクを飲みましたソフトクリームをコーンの底からすするのと似ていると思いましたソフトクリーム

  • ドッジボール

    最初から嫌いな球技でしたそれが顔にぶつけられてからは嫌いから大嫌いになりました先生が笑いをこらえて吹いたホイッスルは音が笑っていましたドッジボール

  • ハッピーアワー

    取りえは駆けっこが速いことそのスキルだけで本当は苦手でしょうがない小学校生活を乗り切っていましたけれどもこの時間だけは苦手じゃありませんでした給食です大好きな時間でした好き嫌いが全く無く食も細くないのでこの時間だけは何の心配もなく緊張もなくただ幸福で楽しい時間でしたある日いつものように美味しくそして正しく(つまり三角食べできちんと)食べていると隣りの班の女子2人がじーっとこちらを見ている視線に気がつきました「え?なになに?」「シロ君の食べ方ってちゃんとしてるよね」うれしかったので覚えていますハッピーアワー

  • 3種盛り

    遠い昔の夏休み父と長兄を除いた兄姉たちと海水浴に行きましたお昼は大きな菓子箱に入った沢山のおにぎりでしたおにぎりは四角と丸と三角の3種中味も3種例えば丸は梅干し四角はおかか三角はシャケというように形で中味がわかるようにこしらえてありましたお母ちゃんグッジョブ!3種盛り

  • ラジオの時間

    小4の一時期はクラスメートの影響であるラジオ番組を聴いていました9時台の後半にある短い時間の番組で布団に入ってから聴くことがほとんどでした江戸川乱歩劇場…江戸川乱歩の作品を読んで聴かせてくれる番組でしたテーマ音楽(今もメロディをラララで歌えます)のあと渋い声がちょっと不気味に「本日は銀のページ…」とか言って朗読劇が始まるのでしたある時ちょっと早めにラジオをつけると「欽ちゃんのドンとやってみよう」という番組をやっていました後にテレビで一世を風靡した人気番組の前身です面白かったので欽ちゃんと乱歩両方とも聴くようになりましたそしていつしか欽ちゃんだけになりやがてラジオは高校まで聴かなくなってしまいましたラジオの時間

  • 隣のお婆さんは顔が鬼に似ていました怒ると紛れもなく鬼になりました私は何度か鬼に遭遇しています鬼は自宅の建つ低い崖の下に猫の額ほどの畑を作りました猜疑心と防衛本能の強い鬼でしたからあんな狭い畑を柵で囲いました柵は杭と杭の間をパンティーストッキングでつなげてある奇妙なものでした柵

  • 満天の星

    母の内職は時々深夜に及びましたやっと仕上げて近所に持って行く時犬の「メリーさん」がお供について行くのでした春夏秋冬いつの夜でしたか無事に仕事を届けメリーさんと一緒に帰宅した母はとても嬉しそうでした「今日は星が本当にきれいだったー!」もう50年近くも昔の思い出です犬を連れ立って深夜の原っぱ道をてくてくと歩きながら満天の星を仰ぎ見る母を想像しています50年という歳月は父を祖母を母を伯母を地上から連れ去っていきましたそして天上に瞬きを4つ加えました満天の星

  • ヘチマの観察

    小3の夏休み学校の畑に植えたヘチマの観察を友だちとしましたせっちゃんがおむすびを持ってきてくれたので3人で食べましたのり玉がまぶしてある美味しいおむすびこの後雨が降ってきて3人は近くの公園の土管で雨宿りをしましたすると先ほどのおにぎりが程よくお腹を刺激してくれたのか強烈な便意が私に襲いかかったのです詳細は省きます…ヘチマの観察

  • びっくりハウス

    市内にできた遊園地に行きました昭和の真ん中過ぎの時代です私と祖母は次兄の先導で家の形をしたアトラクションに入りました中にはベンチが置いてあるだけです勝手知ったる次兄はさっさとベンチに腰掛けました祖母と私はわけもわからず次兄に従いましたやがて入り口が閉められた次の瞬間です私と祖母は悲鳴をあげてまず椅子にしがみつき次にお互いにしがみつきました家が逆さまにひっくり返ったのです正しくいうと壁と天井が回っているのですがそれがわかるまではびっくりもびっくりのびっくりでした老婆と幼児のあまりの慌てように他の客たちは爆笑し兄は横で失笑していましたびっくりハウス

  • みぃ〜

    友人が送ってくれたみぃ〜と鳴くドアの動画で思い出しました生家の古い台所では水を使って蛇口を閉めるとみぃ〜一拍置いて必ずモーターが鳴いてくれるのでしたみぃ〜

  • 風呂

    13才の夏くらいまで生家の風呂は薪と石炭で沸かしていましたお湯がぬるくなると「お母ちゃーん!たいてー!」と風呂場から声をあげます大抵台所にいる母はその声を聞くと薪風呂釜のある半屋外のようなタタキに出て石炭をくべてくれるのでしたこの「お母ちゃーん!たいてー!」が私は苦手で仕方なった…5人の子供とかくしゃくとした姑と自己主張の下手な亭主とで計7人それらの世話に明け暮れる母を末っ子の私は幼稚でつたないながらも労いの情で見ていましたから母を忙しく動かすことに躊躇してしまう癖がついてしまったようなのですある夜結局「お母ちゃーん!たいてー!」が言えずに風呂を上がりましたするとその後に入った兄姉たちの誰かだったでしょうか父だったでしょうかお湯のぬるさに驚いて大声をあげましたその時母が珍しく語気を強くして私に言ったのです...風呂

  • らせん階段の家

    生家のすぐ目の前に医院がありましたそこの兄妹と小さい頃よく遊びました数年後医院は近所に豪邸を建て引っ越しをしました初めてその家にお邪魔してびっくりしました玄関を入ると吹き抜けになっていてらせん階段で2階に上がる造りになっていました驚いたのはそれだけでありません廊下も階段も本来ならば板の間になっているはずの床に全て青いカーペットが寸分の隙間なくきっちりと敷かれてあるのでしたらせん階段の家

  • 謎のジュース

    バスケットの練習試合に行く途中にその自動販売機はありました「グアバ…って知ってる?」「知らない」帰り道で再びその前に来た時2人はそれを買いました美味しかった!と記憶しています謎のジュース

  • 不思議なポケット

    保育園ではクリスマスに発表会がありました「不思議なポケット」を踊りました♪ポケットをたたくとビスケットがひとつ〜♪そんな歌詞だったと思います私にとって不思議だったのは水色のチェック柄のエプロンを忙しい母がいつ仕立てたのか…でした不思議なポケット

  • 階段

    12才まで自分の机も椅子もなかったので時々階段に腰かけてたて笛を吹きましたそこが好きなのでしたある日お使いで近所のパン屋さんに行くとそこの子供が階段でお絵描きをしていました楽しそう!と思いました階段

  • 転んだ日

    ただ走るのが好きでしたそれが転んで4位になった7才の冬からは「走って1位を取ること」に変わりましたあの4位がよっぽど悔しかったのですというのも3位までがもらえるメダルが欲しかったのですもしもあの時転ばないで3位に入りメダルを手にしていたらそれほどには頑張らないで済んだ少年時代だったような気がします転んだ日

  • 内気で寡黙な父は面白いことを言ったりやったりなど到底できない人でしたそれでも時々タバコの煙で輪っかを作ってくれて私を面白がらせてくれるのでした父は父なりのお茶目さんをやってくれたのだ…とありがたく思う今日です輪

  • 毛虫

    生家の庭には樹木が何本も植えられていましたその中の1本に登りやすい木があり小さな頃にはよく登ったものでしたある日いつものように枝に座っていたらなんと半ズボンに大きな毛虫がとまっていました声の限り泣き叫びました姉が小枝で取ってくれました毛虫

  • ブルーチップ

    ブルーチップはポイントスタンプで決して近所とは言えないとあるストアで買い物をすると金額に応じた枚数をレジでくれるのでしたブルーチップは小さな切手の形をしていましたそれを集めて専用のノートに貼り線路沿いにあるブルーチップのお店に持っていきますそこであらかじめカタログを見て決めておいた品物を注文し、ブルーチップを貼った専用ノートを品物相応の冊数店員さんに渡すのです母が重宝していた洗濯機はブルーチップで買ったものでした兄姉たちは天体望遠鏡を買ってもらいましたブルーチップ

  • 引き出し

    台所のシンクに1つだけ引き出しがありましたブルーチップとバニラエッセンスが入っていました引き出し

  • チョコレートマーガリンさん

    給食ではごくごく稀にチョコレートマーガリンが出てくることがありました私にはとても美味しいものでしたある日姉とダイエーに行くと興奮しましたチョコレートマーガリンが普通のマーガリン容器のサイズで売っていたのですしかも百円もしない安さ!自分の小遣いで買って帰りましたドキドキしながらひと匙…………私に2匙目はありませんでしたそれからずいぶん長いこと手付かずのまま冷蔵庫の片隅にチョコレートマーガリンさんは住んでいましたチョコレートマーガリンさん

  • ドーナツ

    友だちと空き地で遊んでいると50円玉が1つ落ちていましたお腹がすいていたのでそれでドーナツを1つ買って友だちと半分こしましたドーナツ

  • トリコロール

    母は家事の全てを終えた夜更けに内職をしていました小さな座卓には青インクとインク消しの白のキャップと赤のキャップが並んでいましたトリコロール

  • 赤い花

    保健室の前庭には空き缶を植木鉢がわりに枯れた木が植えられていました掃除当番が保健室だった3学期掃除の後は友人と枯れ木に水をやりました3学期が終わり新学期が始まったある日保健の先生が駆け寄ってきて言いました「赤い花が咲きましたよ!」枯れ木は枯れていませんでした赤い花

  • りんご飴

    屋根の上でりんご飴を食べていると母が洗濯物を干しに庭に出てきました五月晴れの空には綿雲がひとつ浮かんでいましたりんご飴

  • きゅうり

    きゅうりを食べる三毛猫を飼っていました名前は「ちょんぼ」といいました麻雀ばかりやっていた大学生の兄が名付け親ですきゅうり

  • カレンダー

    どこかの銀行?それとも保険会社だったかとてもきれいなカレンダーでしたからその年が終わってからも部屋の壁にずっと貼り続けましたイラスト永田萌とありましたカレンダー

  • とても小さな壺

    開けっぱなしの窓から蜂が行ったり来たりしていました本棚の奥には土で作ったらしい小さな壺が引っ付いていましたそれは蜂がこしらえた巣なのだそうですとても小さな壺

  • 黄色についての仮説

    前回の投稿記事を書き終えるとあることに気がつきました黄色のプラスチック製品にワクワクする感覚と月を見てワクワクするする感覚はもしかしたら似ているかもしれないと黄色についての仮説

  • 黄色のボール

    黄色のビニールボール黄色の消しゴム黄色のスーパーボール黄色のキャップ…黄色のプラスチック製品になぜかワクワクしていた子供時代でしたそして今もその名残りが嗜好の隅に残っているような感覚があるのです黄色のボール

  • オモシ

    玄関を上るとすぐの廊下のかどっこは祖母が仕立て上げたばかりの着物が保存される場所になっていました着物は完璧に畳まれ厚紙と薄板でサンドイッチにされた状態で寝かされて更にその上には大きな木の箱がオモシとして乗せられているのでした木の箱はとても重いもので子供の私にはとても持ち上げることなどできませんでした(一体何が入っていてあんなに重いのだろう…)ずっと疑問に思っていましたそしてそれはいまだに謎なんです祖母はずいぶん前に102才で亡くなりましたオモシ

  • ハナ歌

    母は台所をやりながらたまーに鼻歌を歌いました♪これこれ杉の子起きなさい〜♪ここだけを何度か繰り返して歌うのでしたハナ歌

  • マスコット

    台所の壁の隅っこに兄弟の誰かが鉛筆で描いた落書き密かに気に入っていました結局誰が描いたのか知らないまま家は取り壊されてしまいましたマスコット

  • すき間

    いちごの空き容器で飼っていたヤドカリは何度か脱走をしました仏壇と壁のすき間にいる所を発見されるのが常でした不思議なのは脱走途中にある階段をあの子はどうやって登っていったのだろう…すき間

  • ユスラウメ

    梅雨の時期に実をつけるその木をユスラウメと家族は言っていました雨の日に友だちと収穫した思い出をミニトマトを食べて思い出しています味が似ていたのですユスラウメ

  • 祖母は着物の仕立てを仕事にしていました部屋の片隅にハンドクリーム開けると折れた針が入っていました子ども心に怖かった針

  • 小窓

    生家の小窓そこから春が見えました小窓

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