喜怒哀『楽』の徘介護

掃苔

掃苔や墓石に遺る父の文字 失敗したなあ……。墓参りをするたびごとに父は、刻まれた「井原家先祖代々

2024/06/28 22:14

蛍

ゆく蛍天に昇るを見届けず ドラマのようにはいかないものだ。NHKの連続ドラマ『ごちそうさん』のヒ

2024/06/25 07:46

ミニトマト

ミニトマト母のいのちの糧となれと赤く熟るるを三つ四つ捥げる 母の食べられるものが少なくなってきた

2024/06/22 10:07

春の月

母を看る子どもを照らす春の月 家族の介護を担う子どもたちがいることを知ったのは、数年前だったと記

2024/06/19 07:58

枯草

枯草も遺品とあれば遺品なり 父の遺品を整理していたら、書類の入った段ボール箱に枯草が一本入ってい

2024/06/16 11:25

秋の暮

これ以上帰る場所なき秋の暮 旅の楽しさ、喜びを支えているものは、帰る場所があるということではない

2024/06/13 08:51

時鳥

時鳥絶えたる父の身は熱く 息絶えて間もなかったのだろう。未明に父の体温を測り、「ああまだ熱が38

2024/06/09 10:14

6月8日

池田小事件の日ごと歳一つとりたる母ととらぬ子ども等 あの日、70歳になった母は、あれから23年生

2024/06/08 11:03

天寿

わが母をフジコヘミングさんと比 何か変はらん宿命生くるに なんと不遜なことを言う奴だと思われるか

2024/06/06 08:23

平

枕元すこし上げたる介護ベツドを老母眠れば平にもどす 土曜の夜に来てくださるヘルパーさんは、母の清

2024/06/03 09:00