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ホルター心電図 四方山話 https://himonzy-papa.hatenablog.com/

ホルター心電図の関する四方山話 目面しい心電図や困った心電図、解析の悲喜交々や装置のこと、愚痴や相談で語ります

himonzy_papa
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2023/09/18

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  • 代償性休止期って一体なに?その意味は?

    心電図を勉強しだした頃、理解するのにハードル高いのが用語が結構ありました 用語は、現象や波形自体を定義するので、特に直感的にイメージでき理解する必要があります (簡単に理解してしまう方も多くいるとは思いますが、凡庸な自分にとっては・・・) 例えば、「洞調律」とか「期外収縮」は、何を表しているか直感的にイメージできますよね ところが、そう簡単にはイメージできず何のことやら??となりそうな用語、 自分にとってはその一つに「代償性休止期」がありました もちろん、直感的に理解できる方が殆どだとは思いますが、これがそう簡単にはいかないロジックの頭の人ともいるわけですね 心室性期外収縮の早期タイミングの分…

  • 逆行性の刺激伝導について(休止期の区別を)詳しく考えてみる

    洞結節以外の場所から刺激が出ることで、期外収縮や補充収縮やそれらの調律が起こりますが、刺激はそこから刺激伝導経路を通常の順行とは反対に逆行したり、また発生場所によっては順行と逆行が同時にが起こったり心房を興奮させたりします 刺激伝導を分かり易く模式的に考えると簡単にイメージできそうです 刺激伝導系についての模式的な説明については、以下の「刺激伝導系について模式図で分かり易く考えてみる」を参照してください 始めに、逆行性伝導の基本原理を見てみたいと思います 1.逆行性刺激伝導路とそのタイミング 逆行性伝導で1番長い経路は、期外収縮の心室興奮による刺激でそこから上方に向かい心房を経て洞結節まで到る…

  • 洞性不整脈か?と思いきや

    ホルター心電図で、洞性不整脈か上室性期外収縮(PAC)の繰り返しなのか、ちょっと区別がつかなそうな波形をTwitterに投稿してみました まず、P波とPQ間隔をよく見ていくと4種の形状とそれに伴うPQ間隔を持つP波があって、PACとBlocked PACはそれぞれのリターンサイクルを経て、洞調律が続きます (詳細は図に書き込んであります) ・・・というふうに考えましたが、如何でしょうか?? Although it seems to be sinus arrhythmia or repeated PAT, single or continuous PAC or Blocked PAC is ob…

  • 洞房ブロックを整理する(特にⅡ度SAブロックについて)

    洞房ブロック(SAブロック)の理解は、洞性や呼吸性不整脈、上室性期外収縮などの区別にとって必要であり、意外と簡単にかたずけて、見落としてしまいがちな心電図ではないでしょうか なので、SAブロックについて整理して復習してみたいと思います SAブロックは、洞結節から刺激が出てるのに心房まで到達せずP波が出ない状態をいいます 洞結節から刺激が出ない洞停止や刺激は伝わってるけど心房が興奮しない心房停止(殆ど稀にしか起こらないらしい)とは区別したいところですが、なにせ洞刺激の波形が心電図上現れてこないので、話はややこしくなりますね それでも、SAブロックの心電図上の特徴を理解しておくことでRR間隔の長い…

  • デルタ波からの左脚ブロック波形がでた

    先日、あるホルター波形で一瞬首を傾けるようなものが有ったので、Twitter に投稿しました それは、デルタ波のある洞調律に左脚ブロックを伴う早期収縮が発生したものです 洞調律のQRS波形は、R波の前にちょっとしたピーク(心室の興奮)があってその直後にR波に続く変形した(?)Δ波がありました CH1:CM5がR状でCH2:NASAではrS状なのでΔ波は「B型」と推測できますね その後に、ワイドQRSが出るのでこれを子細に観察してみます 形状からPVCかなぁと思いよく見ると、CH2の「r」波に対応したCH1には先ほどの小ピークが存在しておりどうもΔ波のようです リターンサイクルを測ってみると先行…

  • 刺激伝導系について模式図で分かり易く考えてみる

    期外収縮の起源を推測する場合、そのリズムやタイミングなどについて、ラダーグラムを書いたり間隔を図ったりと、そのため刺激伝導系の伝導の仕方について知識がないと大変ですね 近頃はそんなことが多くなってきたので、自分なりに要点をまとめてみました (但し、この中には、教科書的な説とつまみ食い的な知識、それと自分の経験則的に推測した説が有ります つまみ食いと経験則は「・・・と考えられる」としていますので注意してください) 下図は刺激伝導系とその説明となります 刺激は、基本的に上部の洞(洞房)結節から下部のプルキンエ線維まで伝導し、途中で心房筋及び心室筋を興奮させます その伝導の仕方に特徴があります (大…

  • 間入性P波ってないのでしょうかね?

    ホルター心電図で2連のPACのように見えるECGですが、よく見ると単発のPACが間入性で出現したと考えられるとTwitterに投稿したところ、その考え方で「PACに間入性はありえない」と指摘されて、「そうなんですかぁ~」ともう一度PACの出現タイミングを考えてみることにしました それは次のようなホルター心電図です 色々書きこんでるけど、要はPACが2連発に見えるということ 間入性PAC? でもよく見ると、最初のPACの前後にある、P’を挟むPP間隔は 洞調律のPP間隔に同じですね ラダーグラムで考えると、P’の心房興奮による洞房結節の逆行性伝導(AS伝導)が起きず、洞結節の刺激をリセットしない…

  • 2度房室ブロックだが、その先にはいろいろと・・・・

    2度房室(AV)ブロックでも分かりやすいのもあれば、なんだぁこれ!みたいのも結構出てきますね 今回はそのような心電図の中でも、ちょっと複雑な心電図でブロック比率(何回のP波でR波ブロックされるか)が決めきれないものなどを見てみたいと思います 話は前後しますが、先ずは今回の心電図がどのようなものかを下に表示したものからざっと見ておいてください 同一患者の24時間記録中の4つの時間帯の心電図を今回は検討してみたいと思います ではどのようなQRS波形が出てるかと見ると、下図モフォロジー分類からQRS幅が狭い(心室性以外と思われる)ものは2種類(S1、S2)あります S1はドミナント波形(記録中で一番…

  • AFかPATか ~どのように見分けるか~

    Twitterにアップされるホルター心電図では興味あるものが「どう考える??」みたいな感じで投稿されてますね その中でも、これは紹介したいという記事を転載と共に解説したいと思います 今回は、一見PPが連続して不規則に出現しRR間隔が延びたり縮んだりと心房細動AFに見えるし、将又心房頻拍PATにも見えるし、判読に困る心電図ですよね Although after the answer, I think these ectopic beats are AT with Aberrant Each ectopic beat has a preceding P wave By QRS attributes…

  • リターンサイクルがちょっと延びたBlocked PAC

    Twitterからのホルター心電図のBlocked PACで、リターンサイクルが少し延びる興味深いのがあったので紹介します Holter-strip 25 mm/s; what is the reason for this short pause 🤔 pic.twitter.com/SuZjweccHG — Andreas Roeschl, MD (@ecgandrhythmRoe) September 25, 2024 心電図は、回答でも多かったように、ちょっと見、P波がT波に重畳した Blocked PACと思われます そこで確認のためにReturn Cycleを測ってみると、基本周期のP…

  • 心房細動? 心房粗動? ー誘導で見え方が違ってる?

    今回は実際解析した心電図ですで、なにこれ的なホルター心電図を紹介します CH1では心房粗動の様であり、CH2では心房細動の様であり誘導によって見え方が違ってるというものです 加えて、ある時間帯だけ、心拍数が倍ぐらい変化するものでもありました 24時間トレンドグラフは下の通りです 大体が130bpm位、それもほとんど一定ですね 普通だと、自律神経の異常を疑うようなトレンドです そして、23時から24時と17時、20時に急激な心拍の変化がありますね さて、急激な心拍数の変化があった時間帯の心電図です 130bpm位で一定のリズムだったのが、所々でR波が数拍抜けています でも、期外収縮ではなさそうで…

  • 心房粗動(AF/AFL)

    Twitterからの問題です さて早速、過去問を見てみましょう 色んな種類のものが出てますがこれはどうでしょう There is a P wave at the red arrow This isAF On the other hand, since looks like as the R wave does not correspondbut R wave has PQ duration 0.32seconds, it is Ⅰ° AV block, I think pic.twitter.com/3WC7Ke7rBU — himonzy_papa (@himonzy_papa) June …

  • Twitterからの心電図をお届けします

    遅ればせながら近頃、xTwitterを見るようになりました 関心ある記事を見てると SNS、特にTwitterにアップされる心電図では、めったに出会わないものやどう見ても理解し難いような、かなり目面しい興味あるものを沢山見ることができます それも「どう考える??」みたいな感じで投稿されてますね それに対する応答や解釈は多種多様で、全世界(ちょっと大袈裟?)から飛び込んできます 心電図をより深く理解するのに、心電図の多様な解釈や推論が大変役立ちますね その中で、これはぜひ紹介したいという心電図と記事を転載し、追っかけ解釈をしてみたいと思います 特に、多数の興味湧く12誘導心電図やホルター心電図を…

  • R波が突然消えた~2度房室ブロック~

    こういう心電図がありました 基線もきれいで波形セグメントもしっかり見えて、リズムもメリハリあってと、 こういう波形が24時間続けばホント解析しやすいですね では心電図です 洞調律のR波が突然抜けて、その後に早期ではない期外収縮が出ています 一見、PP間隔が突然伸びて補充収縮のような感じですね P波、R波とPQ、それぞれの間隔詳しく見ていきましょう CH2:NASA誘導にP波がはっきり出てますね (CH1:CM5誘導でかなり小さいのが気にはなりますが・・・) P波は⊕で幅0.1S、PPレートが50bpmの洞調律です(下図 PP1) R波はどうでしょうか 形状は、左軸偏位と見られる形状でT波が陰性…

  • 発作性上室頻拍(PSVT)を考えてみる ー AT?AVNRT? 将又Af?ー

    発作性上室頻拍PSVTの機序を探るのは結構むづかしいですよね 今回はー AT?AVNRT? 将又Af?ーと題して考えてみましょう 同一被検者(78才、男性)の、ホルター心電図で午前から午後にかけての3種の時間帯のものです 誘導は3チャンネルで、CH1:CM5、CH2:NASA、CH3:ModifiedCC5(V5⊕と剣状突起間⊝) 先ず一つ目の心電図 RR間隔が早期収縮が短くなったところは3ヶ所ありますね(区間①に注目) 早期収縮の連結期が一定で、QRS幅や形状が洞調律と同じなので、P波がぽこぽこ連続してるけど(今は気にしないで)、取り敢えずは「上室性期外収縮(PAC)」のようですね 確認のた…

  • 上室性期外収縮(PAC)を詳しく見てみるーリターンサイクル

    以前にリターンサイクルという不整脈解析の便利なツール(?)を紹介しました P波がはっきりしなくてQRS幅が広く、上室性の変行伝導か心室性なのか判然としないような時、リターンサイクルの概念を使えば、P波が見えてきてはっきりさせることができるなど活躍するはずです ここでは、上室性期外収縮PACの出現機序をラダーグラムで詳しく見てみます PACというと、3連発以上を含めて言うこともあるかと思いますが、3連発以上はPSVTといった方が通りがいい印象を持ってますね ここでは、単発と2連発のPACを取り上げます 下図A1~A2は、同一被検者の連続した12秒間の心電図です 最初の6秒間A1には単発PACと2…

  • アーチファクトを減らそう 次に~インピーダンスと心電図増幅器の関係~

    前回は、ホルター心電図で混入するのアーチファクト発生要因を理解するために、皮膚・電極インピーダンスと等価回路についてみました 今回は、心電図信号やアーチファクトを一緒に増幅する差動増幅器のことを知ってた方がよりアーチファクトを理解できると思いますので、インピーダンスと増幅器の関係について見てみましょう 差動増幅器の特性の概要については以前のコラムで書きましたので、そちらを参照ください ここでは、インピーダンスと増幅器の関係についてみて見ます 生体信号を測定する時にノイズを少なくするために、一般によく言われることに ①増幅器の入力インピーダンスは、皮膚・電極インピーダンスに比べて十分大きいこと …

  • アーチファクトを減らそう ~先ずは皮膚・電極インピーダンスを理解しよう~

    ホルター心電図では、混入するノイズによってはアウト!!という事態も起きかねませんね(せっかく24時間も装着してたのに至極残念な結果となることもあります) 何とかノイズを低減したいものですよね ホルター心電図では、混入してくるノイズのうち中でも、人工的なノイズ所謂アーチファクトは容易に発生する構成だし原因が分かり難く結構厄介ですね これまで、当ブログではアーチファクトについて「心電図に混入するノイズの話 その1~5」まででその種類と実際例を見てきました これから、ノイズ低減のためにどう対処すればいいかをまずは、測定系の皮膚や電極周辺で発生するアーチファクトの成因を基本的なところから取り上げてみま…

  • QRS波形をベクトルで読み解く その4(左脚ブロック心電図)

    「QRS波形をベクトルで読み解く その4」 は、前回が「右脚ブロック」とくれば、左脚ブロックですから(?)今回は左脚ブロックの波形から起電力ベクトルを推測してみましょう 図の2誘導は、CH1:CM5誘導でCH2:NASA誘導です 左脚ブロックも特徴的な形状していて、CH1ではRR'波形、CH2ではrS波形'が一般的です 早速、Q/R/Sセグメントに分けてみて見ましょう 考え方は前回と同じですね 各時相において、波形の大きさを各誘導にとり(各誘導に沿った緑の細い矢印)、それぞれの垂線(緑の点線)を下ろして交点をとり、基点からその交点までを結ぶと、そ大きさと向きがその時相における起電力ベクトルとな…

  • QRS波形をベクトルで読み解く その3 右脚ブロック波形

    「QRS波形をベクトルで読み解く その3」 は、異常波形の中でも分かりやすい右脚ブロック波形の起電力ベクトルを推測してみましょう 図の2誘導は、CH1:CM5誘導でCH2:NASA誘導です 右脚ブロックは特徴的な形状していて、CH1ではRS波形、CH2では(q)RR'が一般的です 早速、Q/R/Sセグメントに分けてみて見ましょう 下図を見てください まず、①の時相です R波の立ち上がりで①時相のCH2はr波ピークで+0.3mv、CH1はR波立ち上がり始めで約+1mvですねこの大きさを各誘導にとり(各誘導に沿った緑の細い矢印)、それぞれの垂線(緑の点線)を下ろして交点をとり、基点からその交点まで…

  • 心電図波形をベクトルで読み解く その2(正常心電図を見てみるかぁ)

    心電図波形をベクトルで読み解きます 正常心電図のQRS波形から起電力ベクトル*を推測してみます 2誘導のホルター心電図では、CH1はCM5誘導でCH2はNASA誘導です Q/R/Sに分けて見ます ①がQ波で、CH1は-0.05mv、CH2は+0.1mv(緑の細い矢印) このベクトルを各誘導から垂線を(緑の点線)下ろすと、その交点が①の起電力ベクトルで各誘導に投影されたものとなります 心室興奮の最初は、心室中隔が左室から右室側に興奮するので、Q波のベクトルの中心は心室中隔辺りにあると考えられるので下図のようになります(①緑矢印) ②はR波で、CH1は+1.5mv、CH2は+0.7mv (赤の細い…

  • 心電図に混入するノイズの話 その5 (VT/Vfと見紛う程のアーチファクトはどこから?)

    ホルター心電図に紛れ込む厭らしいほどのアーチファクトに、よく見る「VT/Vf*擬き(もどき)」がありますね *VT/Vfとは ここで言うVT、Vfはその種類や発生起序に分類される厳密な定義ではなくて、「3連続以上する心室性収縮」程度の意味 で使っています アーチファクトと始めからわかるなら無視しますけど、VT/Vf 擬きですからちょっと怪しかったり判然としない時にはほうってはおけず落ち着きませんよね で、結構よく出てくるんですよね、そんな「擬き」は・・・ 下図を見てください 今回はそんなアーチファクトを見てみたいと思います (まだ分かりやすい方ですね) Vf擬きアーチファクト さて、心電図に出…

  • ホルター心電図の誘導法

    ホルター心電図の誘導は、一般的に2又は3チャンネルですが2チャンネルが主流と思います 最近では多チャンネル誘導記録もできるようですが・・ 誘導法は何種類かの方法によりそれぞれ特徴があります よく使われるのが CH1:CM5 ⊕電極はV5の位置で、⊝電極は胸骨上端右側 Ⅱ誘導類似の波形でR波が大きい、左室側の変化が現れる、下壁虚血が現れやすい なので、不整脈や伝導系による波形変化が出やすいので、CH1電極はしっかりと着けたいですね CH2:NASA ⊕電極は剣状突起下側で、⊝電極は胸骨上端 V2に似た波形、aVF波形にも似てます、P波が大きい、右室側の変化が現れる、 基線が安定し易い、ので上室側…

  • 心電図波形をベクトルで読み解く その1(心電図から起電力ベクトルを推測する)

    ベクトルという考え方で心電図波形を見ると、心筋活動の時間、方向、大きさが見えてきます (心電図波形は、電気刺激の伝導により起電力が発生した結果であり、心筋活動そのものではないという記事を見たことがあります でも、心筋活動による電位変化が起電力として現れ心電図となるのだから、心筋活動そのものと見做していいと思うのですがね、如何でしょうか?) そこから推測して、刺激伝導経路の時間と方向が見えてきて、波形の成因が分かった気がするものです なので、ベクトルという考え方を身に着けておくときっと役立つと思いますよ では、ベクトルっていったい何? 力を表すにはその「大きさ」だけを表すスカラー量 「大きさ」に…

  • 心電図に混入するノイズの話 その4(PACなのかな、これは?)

    心電図に混入するノイズの話 その4 では、実際にあった「これなんでしょう?」と言う心電図です 下図は3誘導のホルター記録です 青の矢印に注目、 自動解析でPAC2連で検出されました 前後の洞調律リズムからすると間入性PACのように見えます 形状は、CH1:CM5とCH2:CC5供も同じで、右脚ブロック様(或いは変行伝導)の上室性期外収縮かな でも、CH2でS波ベクトルは左軸偏位のままで右脚ブロック様ではなさそうです 先行するはずのP波を探すと、スパイク状の波形がT波に乗っています(赤い矢印) これが先行するP波であれば相対的不応期に出現したためPQが延びてると見えないこともないですね CH3を…

  • 突然形状変化する右脚ブロック心電図だぁ

    洞調律の右脚ブロックで、短時間で急激に形が変化する心電図がありました 間欠性や交代性などの変化は見たことがありますけどね こういうのは殆ど見見たことがないので、あれって思って記事にしました 大体において、洞調律の心電図でRR間隔は同じでQRS波の形状変化するのは、体位変化による電気軸変化や刺激伝導系の変化によるものと思われます 被検者は76才、男性、昼前ごろに記録開始 PVCやPACは単発が4、5拍ほどで平均75bpmで徐脈、頻脈、洞停止などもありませんでした 記録から約30分後で下図の変化が起きました HR62bpmの洞調律の右脚ブロックで、㏚間隔が0.24sでしたが、同じリズムの途中で突然…

  • 心電図に混入するノイズの話 その3 (f波に見えるアーチファクト)

    心電図に混入するアーチファクト 如何にもアーチファクトと分かる波形は未だしもどっちなの?と思わせぶりな波形も多々 特に基線に入るP波状の低い周波数のノイズやR波に似た棘波、それに続く、T波様アーチファクト これは、悩ませますねぇ 先ずは、基線に乗ってくる低い周波数で低い波高値の、厄介な波形 P波やf波、T波やU波などと区別がつけにくいアーチファクトが常に潜んでるようですね 下図を見てください 基線に細かに波がありP波ははっきりとわからないし、f波のようにも見えますね RR間隔が一定なのでAf+Ⅲ度AVブロック?? CH2にはしっかりとP波が見えてる洞調律のようだし、CH1だけに混入してるし、R…

  • 長い洞停止で終わる発作性心房細動PAfがありました(前回の続き)

    前回の記事「発作性心房細動はこのように始まって終わる」を書いてる間に、解析したホルター心電図の中にPAfがあって、その終わり方が長いSinusArrest 洞停止で終わるのがありました 下図のホルター心電図は、3チャンネルで連続した1段7秒です 誘導は、CH1:CM5、CH2:NASA、CH3はCH2⊕極とCH1⊝極間誘導(なので、Ⅰ誘導のような感じでしょうかね) f波ははっきりと見えませんが、P波は無いしRR間隔が不整で138BPMなので、心房細動と考えていいと思います 下図1段目で突然心房が約4秒間停止してます 間に細かいのや基線の揺れのアーチファクトが入ってたりしてるので、この停止はアー…

  • 発作性心房細動はこんなふうに始まり終わるのかぁ

    ホルター心電図では得意な適応である「発作性心房細動 PAf」について見てみましょうなんで得意かって言うと、先ず、発作性心房細動ですが、これは「発作性」というぐらいで、慢性でも持続性でもない心房細動でいつ、どのぐらいの間 起こるかわからないので安静心電図では捕まえきれない場合が多いと思いますなので24時間生活の中で心電図記録するホルターでこれを捕らえれば、どの時間帯で、どのくらいの継続で、どんな頻度で、どんな心身状態のときに起きてるかが比較的容易に捉えることができるので、得意な検査と言ってもいいのではないでしょうかもちろん、24時間では捉まえきれない場合も多いとは思いますが、PAfが短時間で頻繁…

  • リターンサイクルについて詳しく見てみる

    前回、ラダーグラムを使って不整脈の出現機序を見てみましたが、今回は刺激のタイミング関係をもう少し詳しく、「リターンサイクル」についてみてみます ところで、「リターンサイクル」という概念は心電図の教科書的な本などではあまり見かけない印象がありますね 自分にとっては期外収縮や変行伝導の出現機序やその判断を考えるのには必須といってもいいほど利用してます 不整脈を理解しやすくするので、是非とも積極的に使ってみてください さて、今回の本題です 下図の心電図は、単発のPACですね 心電図上には、各波のタイミン関係を書いてみました その下にラダーグラムを置いて、同じタイミングチャートを書き加えてみました 前…

  • PVCを詳しく見てみる(その4 多源性VPC)

    「PVCを詳しく見てみる」 その4は 多源性PVCについて見てみましょう PVCはそのフォーカス(発生起源)が一つならR波の形状はほぼ同じになるし、複数であれば その形状は各々違ってきますね 一つなら「単源性」、複数なら「多源性」と呼びぶようです 複数の場合、何種類から多源性と呼ぶのかは、その知見を持ち合わせてないのでわかりません 自分が考えるには、3種類以上で発生割合が最多の形状の拍数の10%位以上あれば、多源性と 呼べるのではないかと思ってます (知見ある方に教えていただきたいところです!) 多源性PVCは各々に異なったフォーカスなので、それらに応じた刺激伝導系がありR波やT波の 形状が違…

  • ラダーグラムを使うと、不整脈の出現機序が解った気がする!

    不整脈の出現機序を考えるとき、ラダーグラムという方法を使うと、「この心電図はこうだったんだなぁ」などと意外にすっきりと分かったような気がすることが多いです 実際の心電図を基にタイミングチャートのようなものを作るので、時として知識不足で無理やりこじつけみたいなこともありますが、まあ大体あってるのではないかと思って使ってます ラダーグラムの書き方には、これだって言う決まりはないそうです(と、不整脈の先生が言ってましたから) なので、 自分の都合よくわかりやすい図を作ってみます 下図を見てください 基本は、縦方向に、刺激伝導系の順番の構成ですが、伝導時間発生する場所は縦軸に幅を持たせます 洞結節(S…

  • PVCを詳しく見てみる(その3 間入性期外収縮の場合)

    PVCをその発生するタイミングで分類すると、代償性、非代償性、それと今回の「間入性」があります 間入性は呼称そのままで、RR間隔の間に割り込む期外収縮です RR間隔は洞結節の刺激間隔となります 下図の心電図は2段目と3段目に同じフォーカス、同じ形状のPVCがあります 最初は、間入性で次は代償性ですね 面白いことにこんなことが起きるんですね 今回は間入性についてみてみます 下図のラダーグラムで見ると、期外収縮で発生した心室の刺激が房室室結節を逆行して、心房へ向かおうとしますが、期外収縮直後に発生した洞結節からの刺激が心房から房室結節を伝導して不応期となっており、期外収縮の逆行性刺激は房室結節でリ…

  • VPCを詳しく見てみる(その2 非代償性休止期の場合)

    VPCでも、前後の洞性RR間隔との関係で、休止期が代償性をもつ場合とそうではない非代償性、それと間入性がありますね 今回は、非代償性のVPCです 分かりやすくするために、記録紙上に直接色分けしたラダーグラムで書き込みました 見やすいでしょう! SはSinusで赤丸が刺激発生、AはAtrialで心房興奮=P波で青色領域、AVは房室結節の伝導、VはVentricularで心室興奮=R波で黄色領域 Sから刺激発生してAに伝わると心房が興奮する、と同時に刺激はAV結節を通ってVへ至り心室が興奮します さて、期外収縮はどうなってるか? 早期に心室が興奮すると同時にその刺激はAV結節を逆行し心房へ至り興奮…

  • 心電図に混入するノイズの話 その2 (実際どうなの? アーチファクトと外部ノイズ)

    「ノイズの話 その1」で、心電図に混入するノイズの種類と原因の概略を書きました では、実際ホルター心電図で見てみましょう いろんなノイズが出てきますね 「あ~ またノイズだ!ぁ」と嘆くこと勿れ! それがどのように起こるかをできるだけ考えることが、ノイズ防止に役立ちますからね まずは、実際の記録例(下図)を見てみましょう 2チャンネルで記録してますが、CH1にはノイズが混入して、CH2はきれいに記録されてますから、なんとかなりましたが、多くは、2(両)チャンネルとも同じようにノイズが混入するので、判読がなかなか難しくなります それで、CH1だけがノイズでCH2はきれいですね これはどんな状態なの…

  • 心電図に混入するノイズの話 その1(ノイズの種類と原因)

    ホルター心電図には、ノイズやアーチファクト(この辺の定義はすごく曖昧ですね)が嫌というほど、特にここ一番波形を詳しく見たいというところで、ぐっといろんな種類のノイズが混入してくるってのは、「ホルターあるある!」ですよね 例えば、Ⅱ°/Ⅲ°ブロックのP波を確認したいのに、基線に緩やかで細かなポコポコしたノイズが混入してP波のように見えるとか 更に悪いことには、そのノイズのような波形がShortRunように見えたり、波形をゆがませてWideQRSになったりSTレベルが上下したりと、心電図自体なのかノイズなのか、区別できないことって多々ありますよね 例えば、いわゆる「歯磨きVT」のようなガチャガチャ…

  • ホルター心電図ブログ開設準備中

    ホルター心電図のブログを開設します オルター心電図の解析に携わって、日々心電図を見ているといろんな波形や症状やイベントに出くわします 一日中記録器を携帯して記録した心電図 それは貴重なデータです それをできるだけ正確に精密に解析し報告書にまとめ医療者の診断治療等に供するのが、その役目だと考えています しかしながら、専門医師などからの指導を容易に受けることはかないません そこで、ホルター心電図解析で日々疑問に思うことや悩ましいことなどについて、意見をいただきディスカッションできればいいなぁと思いブログ開設に至ったわけです 日々出会う心電図の中、そこにある貴重な心電図やホルターの話、それにまつわる…

  • 典型的な単発のVPCを詳しく見てみる

    記念する第1回目の記事は、不整脈の基本中の基本、心室性期外収縮を詳しく見てみました アーチファクトやノイズ混入の無いきれいな記録です (いつもこうだといいんですけどね) 1段目には、右脚ブロック(完全型でしょうか)の中に、期外収縮があります QRS幅が0.2秒と広いし、R波と反対向きの陰性T 波先行するP波もないし、これはどう見ても心室性期外収縮VPCですね もうちょっと詳しく波形を見ていきましょうか VPCを挟むPP間隔は先行PP間隔の2倍には成っていて、代償性休止期ですね 休止期中には、先行するPP間隔で来るべき場所((P)の場所)にSinusのP波が見えてないですね P波はどこに行ってし…

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